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わが子が殺人犯⁉ワンカット長回し『アドレセンス』、少年VS心理士の息をのむ舌戦で真実が浮き彫りに

早朝6時突然警察が自宅に突入して13歳の息子を拘束する。訳が分からず動揺する父と母。恐怖に泣き叫ぶ娘と息子。警察の取調室で捜査官は、同級生の女子生徒を刺殺した疑いで逮捕したことを告げる。

Netflixオリジナルドラマ『アドレセンス』は、13才の少年役オーウェン・クーパーのドラマデビュー作だ。
感情を爆発させる際の狂気。闇を抱える心。無邪気さと凶暴性が並立する多感なココロの動き。新人とは思えぬほどの存在感を見せつける。

同級生を刺殺した容疑で逮捕される少年を熱演

イギリスのNetflexオリジナルドラマで本国や日本はもちろん、世界中で大ヒット。斬新なテーマ設定が評価されているのだろう。
今日的な少年犯罪の残虐さ。未成年の容疑者とはどういう関係を保つのが良いのか。さまざまな感情を世の大人に突き付けてくる。

全4話ワンカット長回しの意欲作。
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』『カメラを止めるな!』『1917 命をかけた伝令』『ボイリング・ポイント/沸騰 』などと同じパターンである。

父親役スティーヴン・グレアムは常時鬼気迫るほどの熱演だ。
『ボイリング…』でも怒れるシェフ役を演じ、客や部下に対して終始キレまくっていたからワンカット長回し作品は好物なのだろう。

シェフ役スティーヴン・グレアムが終始怒鳴りキレる

ワンカット撮影手法なので画面への吸引力や緊張感が凄まじい。
イッキ見必至の良作だ。ユニークなのは被害者よりも捜査官や加害者家族にフォーカスしていること。
若者はインスタで『💛マーク』をどんな意味で使うのかも示され、ビックリした。💛の色でそんなにも違うのかと。

特に印象に残るのは、第3話の心理療法士と少年とのカウンセリングシーンだ。約50分近く心理士と少年が1対1で対峙して矢継ぎ早に質問を飛ばし合う。なんの情けも配慮もない。少年の本心と事実のみを聞き出そうとする。まるで法廷の検事と被告との応酬のように見えた。

心理士の質問に少年は本性をあらわにする

ただ疑問は残る。13歳の少年相手に、あのカウンセリングのやり方は正しいのか?心理士は少年を理解することが目的と言いつつも、決して褒めない、認めない、意見に同意を求められても応じない、(少年から)自分に好感を持っているかを聞かれても答えない。すべて無表情に受け流す。

わめき散らす少年を無表情に受け流す

対話というよりはことばをかぶせ合い、ぶつけ合い、ことばで殴り合う。裁判前に私的制裁を加えているかのようにすら見える。少年の罪はまだ確定していないのに、推定無罪とは隔たりがある。

ところが、最終4話まで見て3話のことばの応酬を丁寧かつ無慈悲に描く意味がわかった。

わが子が殺人犯と疑われる両親の心の痛み

本作は裁判シーンを描いていないから、3話が裁判のメタファーなのかなと。最終話は裁判が近づく中で、加害者家族の日常を描いて終わる。
そこで真相が明らかになる。

10代の息子や娘を持った経験がある親にはぶっ刺さるドラマじゃないかな。誰にでも起こりうる話なだけに共感度は高いのではないか。
父親と息子の演技は素晴らしかった。

最終4話までイッキ見必至の傑作だ

評点:★★★★☆(4.4/5.0)


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