産婦人科医、とある日のスケジュールを公開!
にこ「今更ですが、改めて私たちの職業について紹介してみよう、いちこ編です!」
いちこ「自分と違う仕事ってよくわからないよね。私もこの前の記事【前編】【後編】を見てやっとにこが毎日何をしているのかイメージできた気がする」
にこ「これだけ長い付き合いで、割と定期的に仕事の話をしている私たちでも、具体的な仕事内容はわかってないよね。ということで、今回はいちこのタイムスケジュールをもとに、産婦人科医の仕事について紹介していきます!」
6:40 6時に起きたいと思いつつ起床
いちこ「本当はもっと余裕をもって起きたいんだけどね。結局ギリギリまで寝ていてこの時間になります。まずは白湯を飲んで、身支度を整えている間にコーヒーを入れたあと、コーヒーと水をそれぞれマイボトルに入れて家を出ます」
にこ「朝早いね〜。私は撮影以外でこの時間に起きることはありません」
いちこ「車移動なので、朝ごはんは車中でバナナとかサッと食べられるものを食べます。特にオペがある日はハードなのでちゃんと食べるようにしてます」
にこ「車通勤、ペーパードライバーの私には無理です」
いちこ「東京だとそういう人が多いよね。私は大学から地方に引っ越して、日常的に運転してるからすっかり車文化!ちなみに緊急で呼ばれることも多いので、病院から15分以内に着くところに住んでいます」
7:30 病棟でカルテチェックしてから朝の回診へ
いちこ「病院に着いたらまずカルテを見て、朝の採血チェックや昨晩何か変わったことがなかったか確認するよ。その後に回診(1人1人患者さんの顔をみて回ること)をします。この時に患者さんが困ってることを聞きつつ症状に合わせて薬を出したりその日にすべき処置・検査を考えたりする」
にこ「当たり前だけど、毎日状況が違う中での判断で仕事してるんだね。すごいなあ」
いちこ「あとは回診中に気になる人がいたら診察もするよ」
9:00 外勤(バイト)に行く
いちこ「オペがない日は外来の対応をしたり外勤(バイト)に行ったりします」
にこ「お医者さんのバイトってよく聞く!具体的に何するの?」
いちこ「バイトは自分が勤めている病院以外の医療機関で働くことをいうんだけど、私はクリニックの外来や婦人科検診の対応をすることが多いかな。普段はずっと病院の中にいるから、バイトで他の場所に行くのはちょっとした気分転換にもなる。早く終わったらお昼ご飯を食べてから自分の病院に帰ります」
12:00 病院に戻ってお産の状況を確認
いちこ「病院に帰ったらまずは、外勤中に来た陣発(※1)や破水で緊急入院した飛び込みの妊婦さんの様子を確認したり、病棟の状況確認をします。分娩はメインの医師が一人いて、担当時はお産の様子を随時チェックするよ。で、実際に分娩に立ち会うときはなるべく二人体制にしているので、メイン担当じゃない場合もサポートで入ることもある」
にこ「確かに二人いた方が安心だもんね」
いちこ「で、妊婦さんのそばで様子をずっと見てくれるのは助産師さんの仕事。だから分娩に入るタイミングは助産師さんと相談しながら決める!分娩が始まるまでは事務作業をしています。カルテはもちろん、入院・退院サマリ(入退院で必要な治療計画をまとめたもの)、紹介状やレセプトっていう保険診療に関わる書類など、細々した仕事が多いんだよね」
にこ「どの仕事にも事務作業はつきものなのね」
※1…陣痛が10分間隔で定期的にくることを陣痛発来といい、お産の始まりを意味します
15:00 お産がいよいよ佳境に……!
いちこ「もう赤ちゃんがでてきそうです!というタイミングで助産師さんに呼ばれるので分娩室に。赤ちゃんを取り上げるのは助産師さんがメインなんだけど、そのフォローをします。(※2)お産はいつ立ち会っても感動する!涙ぐんでしまうことも多々あります」
にこ「妊婦さんも命懸けだもんね」
いちこ「本当にそう。一方で、赤ちゃんの元気な泣き声を聞くまではドキドキする。赤ちゃんの心音とお母さんの陣痛を測るモニターを見ながら分娩進行するんだけど赤ちゃんの心音が落ちるとヒヤヒヤしちゃう。一般的に分娩にかかる時間は初産の人で12時間、経産婦さんでも6時間って言われてるからね。約半日かけて産むからお母さんも体力奪われるし、赤ちゃんもしんどくなることが増えてくる。だからこそ元気な産声を聞けると本当に嬉しい」
にこ「きっと一番やりがいを感じる瞬間だね」
いちこ「分娩が終わったらお母さんの会陰処置をしたり出生証明書作ったりします」
※2…会陰切開(赤ちゃんが通りやすいようにお母さんのおしもを切ること)や吸引分娩(器具を使って赤ちゃんを引っ張って出すこと)など医師にしかできないことをしたり、赤ちゃんの心音を確認したり、赤ちゃんがスムーズに出てこられないときに代わりに取り上げることもあります
16:30 時間に余裕がある間に夕方回診
いちこ「一日の中で変化があることも多いから、夕方にももう一度回診するよ。医者が入院患者さんに直接関わる時間って実はすごく短いから、その短い時間でいかに困りごとや変化に気付けるかがかなり重要。だから常に患者さんと接して様子を見てくれている看護師さんの意見が本当にありがたいんだよね」
にこ「一度に診る患者さんが多いもんね。看護師さんにも感謝ですね」
いちこ「回診が全部回れたら、産婦人科のカンファレンス、つまり会議に出ます。そこでその日にあった病棟や外来での出来事を共有して、夜は基本的に当直の先生が対応できるようにしておきます。医療業界はまだまだ後進的だけど、少しずつ労働環境を整えるために頑張ってます」
にこ「バトンタッチできるように細かく状況を共有しているんだね」
17:30 日中処理しきれなかった業務を処理します
いちこ「書類作成の続きや当日入院した患者さんの確認、明日の外来の予習やオペ内容や入院患者さんの確認をします」
にこ「お産の後にもやること多い!お疲れさまだね」
いちこ「何もなければサッと帰ることもあるんだけど、急にお産が始まったり緊急の手術が入ったりすることも多いので、周りの様子を見つつ雑務を片付けながら残っています」
19:00 製薬会社主催の勉強会に参加したり学会の準備や論文を書いたりします
いちこ「病院での仕事が一通り終わったら勉強タイム。製薬会社主催の勉強会で新薬について説明を受けたり、自分が経験した症状の報告や病院内で集めたデータをまとめて、学会の発表に備える」
にこ「仕事終わってから勉強会……頭が働かなさそうだよ」
いちこ「大体こんな感じかなぁ。あとは当直がある日はそのまま病院に泊まって勤務するし、一日オペの日もある!」
にこ「そんな日もあるんだ」
いちこ「あんまりイメージないかもしれないけど産婦人科って実は外科系だから、意外と手術することが多いのよ(※2)」
※2…産婦人科医の仕事はお産だけでなく、子宮や卵巣、女性ホルモンに関わる全ての症状を診ます。そのため帝王切開はもちろん、子宮筋腫や卵巣腫瘍の手術もするし、子宮や卵巣を取る手術(子宮頸癌体癌、卵巣癌など)も担当します。日によって緊急の対応もあるから一日大体3〜5件くらいの手術をしています
ということでにこの1日のスケジュールでした!
次回以降のテーマは未定のため、公開日も未定ですが、マイペースに更新していくのでよろしくお願いします!
