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スゴイ多肉屋❗ アルメリアさん(愛媛・松前町)に行った

なんだこりゃ❓️
見渡す限りの多肉植物。
でっかいハウスの中は多肉、多肉、ずーっと多肉。
現実の光景とは思えない。
伊予市との境近く、田畑と住宅が混在するエリア、伊予郡松前町大溝に多肉屋 アルメリアさんはある。

7月29日撮影、アルメリアのハウス(大)の中

多肉植物は、花みたいだけど花じゃない、サボテンの仲間みたいなもの、というのが私のフワッとした理解。
2010年ごろ、ブログで多肉多肉って書かれているのを見かけた記憶があります。あれが初期のブームだったようですね。

肉厚な茎や葉に水を貯めることのできる植物
(略)
さまざまな系統をもつ。サボテン科、アロエ科、ハマミズナ科、ベンケイソウ科などのように多くの種が多肉化した科もあるが、科の中のごく一部の種のみが「多肉植物」と呼ばれる場合もある

多肉植物 - Wikipedia

#ヒキダシのクーポン紹介で松前町を回ってても、いろいろなところで販売されているのを見かけました。
今は第5次ブーム、なんていわれてるようです。
県内の園芸系の人の話によると、近年は多肉という大きい捉え方ではなく、パキフィツム(略称パキ)とか、エケベリア(略称エケ)とか、アガベ(一部はテキーラの原料)とか、細分化された品種ごとのファンが増えているそうです。
※このnoteは細かい品種の話は書きません。書けません。無理。
音楽のロックでもハードロック とかアシッド、オルタナティブ、デス・ロック、グラムなどなどに分化してそれぞれファンが居る、みたいなことでしょうか。
(品種名や音楽ジャンルは順不同)

8月28日のハウス(小)の様子

それにしても、この量はハンパじゃない。
恐る恐るハウスに足を踏み入れ、中に居た人に聞いてみる。
この多肉、どうしたんですか?
「増やしたら増えたんよ」

7月29日撮影。品種名はエケベリア?

つまりアルメリアさんは販売もするが生産者。
多肉生産者は愛媛県内にも散在する。
その中でも「(規模は)小さくないと思うけど、他所よそは分からないねぇ」。
ライター㋶も東中南予に大手の生産者がいる、というのを聞いたことがあるが、おそらくここも有数の規模だろうと思われます。

水やりの手を止めて飄々ひょうひょうと答えてくれたのは、後藤康廣さん(64)。
3年ほど隣のひと回り小さいハウスで栽培。
現在の場所に移って約2年。
広さは「測ったことないよ」と笑う。
Googleマップで勝手に測った。
約1270平方メートルと約488平方メートルのハウス2棟。合わせて体育館3~4個分だ。

8月28日撮影、ハウス(小)

育てているのは現在約800品種❗️
気が遠くなるが、どの品種にどの間隔で水をやり、どんな土を使って育てたかも後藤さんは頭の中に入っているという。
最初、基本的な多肉の育て方はネットから学んだ。
だが、その後はひたすら試行錯誤したという。

7月29日撮影のハウス(大)の様子

ネットを中心に知る人ぞ知る存在だという。
県外から来た多肉ファンは半日ハウスの中を見て回り「宝の山」だと言ってたという。
Instagramのダイレクトメッセージ(DM)で問い合わせがあれば通販もやっている。

多肉の通販はカワイイお弁当のような状態で「葉」を送るのだそう


今は大阪などの市場への出荷が主なターゲット。
種類や大きさをそろえねばならないのでかなり気を使う。
「これが軌道に乗ればね」
ハウスは借りているし、冬場は暖房などにコストがかかり、経営はかなり厳しいという。

7月29日撮影。㋶が良いなと思った多肉

小売りは現在もやっているものの「あまり商売にならない」。
ほかのお店なども参加して、お祭り的な販売イベントを毎月第1土・日曜日の2日間開いている。
後藤さんがハウスに出勤する火・木・土曜日は、接客が不十分で良いならどうぞ、というのが基本スタイル。営業日は変わることがあるのでお出かけ前にInstagramでチェックを。


ただし多肉の価格はかなり抑えめ。
「出発点が趣味だったから」と価格転嫁は視野にない。

後藤さんは松山市出身。工業高校を卒業し関西や島根県で働いた。
だが体を壊し帰郷、透析は今も続けている。

そのころパートナー女性と暮らすようになった。
彼女が多肉好きだった。
パートナーの仕事中、後藤さんが世話した。
世話をしているうちに、増やせるかな、と試した。
どんどん増えた。

多肉植物の増やし方のひとつ葉挿 (はざ)し

多肉植物は種類によって増やすのが難しい、としているサイトもある。
たねから増やすわけではないので知識が必要だ。
どうしてそんなに増やせたのか?

後藤さんは以前勤めていたパチンコ店の経営と似ている、と言う。
個別の台=鉢、島(パチンコやパチスロの列)=鉢の入ったトレー、機種=多肉の種類、パチンコ店=ハウス全体に見立てる。
個々の台をきちんと見ておかねばお店は成立しない、という。
それぞれの鉢を観察して調整できねばハウス全体もうまく回せない。
水の量、間隔、土の状態、品種によって調整は変わる。
植物(生き物)と遊技台の違いはあるが、これはどこの業種にも通じる話。
個々の製品や社員に向き合わねば会社全体が見えるわけがない。

8月28日、大きめのエケベリア?

パートナーがそれほど多くない収入の中、買ってきた多肉。
増やすことができたら次は喜びを分けたいと思うように。
「多くの人に安く買ってもらおう」と道の駅などでの販売を考えた。
最初は断られたが後藤さんは粘り腰。何度も何度も「営業」に行った。
「1回、2回断られたぐらいではね」
多肉を始めて6年で早くも店頭で売れるようになった。

ビッシリ並ぶ多肉植物。7月29日撮影

自宅での栽培にはスペース的に限界があるためハウスを借りた。

今、人気の品種は黒い多肉なのだそう。
意外な気もするが、シックなので室内にも飾れるのが良いという。
アルメリアさんのハウスには・・・ある。それもけっこうな量。

ただ、これも将来を予想して増やしたのではない、という。
今の広いハウスに引っ越した時、スペースがあるので「あまり計画的じゃなく」(後藤さん)どんどん育て、最多で1200種ほどになった時期も。
管理が難しくなりそうだったので現在は絞ってきている。それで800種。
黒い多肉は育てた数ある品種のなかで、たまたま人気が出ただけ、と肩をすくめた。

7月29日撮影。品種はクロホウシ?

人気品種と言っても、いつまで売れるか分からない。
多肉の育成は2~3年かかるため、今人気のものを育て始めたのでは遅い可能性がある。
生き物を扱う以上、運要素もあるビジネス。
数年前まで多肉の本場は韓国だったが、今は中国が強くなっている。
流行はやりは常に移ろう。

8月28日撮影。たぶんハウス(小)

それでも変えない信念は「安く多くの人に届ける」。
アルメリアでは1000円以内で買えるハイクオリティの鉢が多い。
収入が多くなくても女性たちが楽しめる初めてのコレクション・アイテムが多肉植物だと後藤さんは言う。
庭でもベランダでも、やり方次第では室内でも育てられる。なにより、ブログやSNSで発信している人の多くの女性が「うちのコ」と呼ぶ。

思いが貫けるかどうかは今後の市場とのビジネス次第。
松前町の多肉パラダイスがすぐ消えることはないが、いつまでもあるかどうかは分からない。
後藤さんの口調は終始淡々としていた。
だが多肉たちを見れば、中途半端な覚悟でここまでは来れないことは、分かる。
いろんな意味でこのハウスには熱がもっている。

多肉屋 アルメリアさんのInstagramはこちら。


このノートでは#ヒキダシに関わる人たちを紹介したり、コラムなどを掲載していきます。今回は番外編です。㋶


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