記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

映画『ウエスト・サイド物語』(1961年)

先日のライブで姫路ライラのマスターが「特に映画音楽は、どんな場面で楽曲が使われているか知っとかなあかん」と言っていたので観てきました。
「午前十時の映画祭」。懐かしい。学生時代よく通いました。
(当時学生は500円で観られたのです。)
詳しいあらすじは省いて楽曲を中心にまとめます。
(ロミジュリが元なので皆さんご存知の通りのお話でございますが、一応ネタバレ注意です。)

映画『ウエスト・サイド物語』1961年版
監督:Robert Wise, Jerome Robbins
作曲:Leonard Bernstein
作詞:Stephen Sondheim


冒頭〜前半

1. Overture

・真っ赤なタイトルバックに無数の謎の線。口笛、その後主要テーマがメドレーで流れる。オーケストラのみの演奏。家で観ようとしたときはこの序曲の長さと線の攻めた演出に耐えきれず挫折しました。
映画館来てよかった。”(4分)”って書いてくれてて安心して線を眺められました。

2. Prologue

・あ、線はマンハッタンの街の空撮モチーフだったのね、と安心。
白人系不良団ジェッツとプエルトリコ系不良団シャークスのにらみ合い。
指パッチンが緊張感を生んでいます。
ケンカがswing調の曲に乗せてダンスで描かれていて斬新ですね。

3. Jet Song

・たまり場でジェッツが「俺たちはジェッツ」と結束を歌う。

4. Something’s Coming

・ドックのドラッグストア裏。
・リフがトニーをダンスに誘ったあと、店に残ったトニーが「何か良いことが起こりそうだ」と未来への予感を目を輝かせて歌う。
あのコーラ瓶の栓抜きどうやってるのかしら。

5. Dance at the Gym

・夜のジムでのダンスパーティー。ジェッツとシャークスが踊る。
マイムマイムみたいなルールで大人が友好的に進めようとする。
マンボ楽しいね。
・途中のスローモーションのようなシーンで、トニーとマリアが初めて目を合わせ、周りが消えて二人だけの世界になる。
宇宙中であなたしか見えない、みたいな感じで、きらきらの舞う暗闇の中、見つめ合う。ピチカートアレンジのMariaが流れる。
会話もロマンチックでとっても素敵なシーン。

6. Maria

・パーティーの帰り道、トニーが夜の街を歩きながら、
出会ったばかりのマリアの名前を何度も呼んで夢見心地で嬉しそうに歌う。いい曲だぁ。

7. America

・シャークスのメンバーとその恋人たちが住むアパートの屋上。
・アニタと女の子たち vs ベルナルドたちで、アメリカでの暮らしの良い点・悪い点を掛け合いで歌い(花いちもんめを思い出した。)、
移民の現実を若い男女それぞれの目線で描く。
アニタの藤色フリフリドレスとプエルトリコなまりの英語がとってもキュート。

8. Tonight(バルコニー・シーン)

・マリアのアパート裏の非常階段。
・マリアの部屋の窓の下にトニーが現れ、二人で「今夜から人生が変わる」と抱きしめ合いながら愛を誓うデュエット。

9. Gee, Officer Krupke

・警官に追い払われたあと、ジェッツがドックの店の前で「問題児とレッテルを貼る大人社会」を皮肉たっぷりに歌う。

インターミッション〜後半

10. I Feel Pretty

・衣装店の閉店前。トニーとこの後会う約束をしている。
・マリアが鏡を見ながらドレスをあてて踊り、同僚の女の子たちに恋の幸福感を歌う。
「素敵な人に愛されてとっても素敵な気持ち!みて!鏡に映るこのかわいい女の子を!」ってね。
同僚は踊り狂うマリアに、この子変だわ、と騒ぐ。

サラバージョンをよく聴いていますがほんと可愛い曲だよなあ。
こんなに自己肯定感高めの曲(まぁ、本当の意味では違うけど)、スタンダードでは少ない気がする。

11. One Hand, One Heart

・衣装店にて。教会の礼拝堂かのように。
・トニーとマリアが二人きりで「空想の結婚式」を挙げるように、互いへの永遠の愛を誓うデュエット。
この曲の冒頭でSomewhereのメロディが暗示的に少し流れるのが印象的。
マネキンをお互いの両親と見立てて挨拶し合うシーンが可愛らしい。
「死が二人を分つまで」とお決まりの誓いのセリフ
→「死さえも二人を分つことはない」と歌う
終わりは不穏なMariaのモチーフ。

12. Tonight Quintet(トゥナイト五重唱)

・同時進行で、オペラのフィナーレのように

  • ジェッツとシャークス:今夜のランブルに向かいながら

  • アニタ:ベルナルドとの夜を楽しみにしながら

  • トニーとマリア:争いが終わることを願いながら
    ・それぞれの「今夜」への思いが、ひとつの大きなアンサンブルとして重なっていく。

13. Rumble(決闘シーン)

・赤い夕日。(タイトルバックもベルナルドの服も、ラストのマリアの服も、赤。流れる血のモチーフかな。)オーケストラとダンスだけで描かれる。ナイフの決闘の末にベルナルドとリフが次々に倒れ、トニーがベルナルドを刺してしまう。

14. Somewhere

・マリアが部屋で祈っている時にトニーがやってきて抱き合いながら
・トニーとマリアのデュエット「どこかに平和に暮らせる場所があるはず」
この曲の「We’ll find a way of forgiving」って兄の仇である貴方、っていう意味も含まれてるのか。
ロミジュリと筋が違う箇所があって、今後どうあのラストになるのか?とハラハラ。

15. Cool

・ランブルのあと。
・アイスがジェッツを地下の駐車場に集め、「パニックにならず頭を冷やせ(Cool)」と歌い踊る。車のライトを自分でつけるのがいいですね。

16. A Boy Like That / I Have a Love

・マリアの部屋。
・兄ベルナルドを殺したトニーを愛しているマリアを、アニタが「そんな男はやめなさい」と激しく責めて歌う(A Boy Like That)。そりゃそうだ。仇だもの。
・マリアは「それでも私は彼を愛している、あなたにも分かるはず。」と歌い返し(I Have a Love)、「愛が強いなら正しいも間違いもない。あなたの愛はあなたの人生」と歌い、最後は二人の感情が重なっていく。
この後伝言を伝えようとアニタがドックに会いにいくが、ジェッツに襲われアニタの心が変わり間違った伝言が伝わる。
なるほど、届かない手紙の場面ですね。

17. Somewhere 〜 Finale

・トニーがチノに撃たれ、死にゆくトニーを抱きしめながら
「Somewhere」 の " hold my hand〜" のくだりをマリアが歌う。
・マリアが銃を向けて「憎しみが人を殺すのだ」と叫び、しかし撃てずに崩れ落ちる。
・ジェッツとシャークスが一緒にトニーの遺体を運び去り、バックで「Somewhere」のメロディーが再び流れながら物語が終わる。
夜の闇の中、マリアの赤いワンピースと黒いスカーフが印象的。

ということで、なんでか熱を込めて書いちゃった!
Somewhereを歌う時、毎度思い出すことでしょう。
きらきらの中見つめ合う二人。死が分つ二人。
死さえも分つことのできない二人を。
しかし、ジュリエットと違ってマリアは生きていくのだね。

またバーンスタインを描いた映画『マエストロ』も観返したいなぁ。
どうせキャリーマリガンに泣かされるのでしょうけど。


いいなと思ったら応援しよう!