しあわせは逃げて寝て待て。最低二万里のプロローグ。
千葉にあるアトラクションの
順番を待っていた
二万マイルが
潜水艦ノーチラス号が
旅した距離だと知った時
私は追憶へ誘われた
それは天帝の怒りに触れ
引き離された織姫と彦星の物語
年に一度だけ
許される七夕の夜
二人を橋渡しする者がいた
天の川にすむ魔女デネブ
二人の想いに心を
動かされた魔女は
天帝から逃れるため
二つの道具を授けた
共に歩む靴と
身を守る短剣
「ですが 決して戦ってはなりません
お逃げなさい」
言葉を合図に二人の
果てしない逃避行が始まった
年に一度の星合は毎日へ
焦がれる契りは 穏やかに姿を変え
どんなときも
手を取り合って
困難もささやかな日常も
愛情を育んでいった
「大丈夫?」
優しい声に呼び戻された
「うん…あなたと逃げた
年月を思い出してたの」
彼の差し出す手に触れ
私はノーチラスに乗り込んだ
魔女の道具には
逃げることを価値に変える
魔法が宿っていた
歩くほどに育つ
幸せのくつ
逃げるほど強くなる
チキンナイフ
星々を巡り
辿り着いた
天帝さえも届かない
安らぎの場所
(410文字)
たらはかにさんの
【毎週ショートショートnote】
お題は【最低二万里】でした。
ドラクエとFFのアイテムを
共演させる夢が叶いました。
最初は1000文字くらいあったのですが
なんとか410文字に削りました。
いろいろ盛り込みすぎました。
最後までお読みいただき
ありがとうございます。
みなさんの毎日が
素敵な物語で彩られますように。

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少しでも、あなたの心に残ったのなら嬉しいです。