見出し画像

【創作絵日記】視聴者維持率が80%越えた《もう一つの主役》

前回は、Nano-banana pro 以前の複数キャラの同一画像内配置の奥の手について書きました。Nano-banana pro の補完にも使えると思います。

今回も、複数のキャラクターを同一画像の中で演じさせる工夫についての紹介ありますが、あまり見かけない物語の構造に関して、興味深い数字が出たので書こうと思います。


YouTube視聴者維持率

僕がこれまで公開してきたMVの視聴者維持率は、このようなグラフになっていました。

『時間(とき)が動き出す』視聴者維持率57.7%
『ささやきをもう一度』視聴者維持率43.8%

他の動画も似たようなもので、最初に大きく下がって緩やかな下降線で大体50%前後の人が見てくれているというグラフになっています。

ところが、最新作『Dream Gate』では少し違った傾向になりました。

『Dream Gate』視聴者維持率83.7%

公開期間が異なるので正確な比較にはなりませんが、ほぼ水平で80%以上の人が最後まで見てくれて、とてもうれしく思います。

そもそもの視聴数が少ないので正しい分析にはなっていないかもしれませんが、要因の一つが物語の構造にあるのではないかと思っています。

今回のストーリーは、駅の大型ディスプレイ(デジタルサイネージ)の画面に人が等身大で映るコンテンツは何が有用かというテーマが発端でした。

同じ舞台での様々なシーン

この他にも、斎場や式場への案内係や、子供が自分の作品を見せるお絵描き展示会、ベンチの壁に貼ったポスターにある迷い猫のお知らせや、鉄道マナー啓発なども候補でした。

壁のポスター

つまり、物語の主人公は舞台そのものというのが、この動画の特徴になります。その舞台で、様々な人がそれぞれのドラマを描くというタイプの物語構造となっています。有名なところでは、海外ドラマのERがそれに当たります。
これをギュッと2分半の中に押し込んで、短いながら全体に縦軸になって連載物のように続けて観るモチベーションが生まれたのではないかと思います。
今回の動画の中心となる物語を、猫の忠犬ハチ公物語にしようと決めたのは、その後になります。

そして、短いドラマの連続を表現するために、曲も一般的な [Aメロ] [Bメロ] [サビ] ではなく、短いフレーズを反復継続するシャコンヌ形式のような曲となるように、同じ文言を繰り返す歌詞を作りました。音楽生成AIは、しっかりそこを理解して繰り返しのメロディーの曲をいくつか作りました。

別バージョンの曲 ☞ https://suno.com/s/B9VRb2aiL1lDyFd4

このような文言反復をアナフォラ/エピフォラと言うのだそうで、この曲では「もしも生まれ変わるなら〜」と「〜たい」がそれに当たります。何にでも名前が付いているのに感心した次第。


もう一つの主役 駅改札前ディスプレイ

続けて、そのもう一つの主役である駅改札前の舞台の描写について、苦労/工夫したことを書きます。

先ず、大元となる改札背景画ですが、これが中々ピッタリのものが生成できず結構苦労しました。

駅改札前サイネージ風景(約300枚生成)

完全にプロンプト任せで作りましたが、3Dモデルを活用するなど今後挑戦していきたいと思います。

お気づきかもしれませんが、この駅前のシーンは動画のクロマキー合成を使っています。ディスプレイの映像がそれです。
最新のAIだったら、映像をはめ込むのもプロンプトで出来るかもしれないですが、プリミティブな動画生成AIだけで複数の人物に特定の動きを指示する場合、ガチャを減らすには別々の動画を昔ながらのクロマキー合成で合わせるのが有効でした。(プロンプト術が未熟というのもあります😅)

行き交う人の背景に、動く映像を入れるクロマキー

通常の背景クロマキーでしたら、グリーンやブルーが一般的ですが、ディスプレイの画面切り抜きのため、背景には多様な色合いが含まれており、非現実的な色(ショッキングピンク)で塗りつぶしました。

ちょっとした問題は、早朝や夜のシーンでは画像生成でピンク画面を指示するとその映り込みで薄っすらと床がピンク掛かるので、画像生成では白い画面で生成して画像編集ソフトでピンクに塗りつぶしています。

ディスプレイの内と外で共演するベース画

このカットは、ディスプレイ内の人物と外の人物がシンクロする映像で、中と外でそれぞれの動画を作り同期を取りました。

撮影ポーズの生成画像から、野球選手と背景を削除して少年を切り出して帽子を被せて、クロマキーの背景画像に貼って 動画の end画像のベースにしています。
一方の、ディスプレイ内の野球選手も同じ元絵から今度は少年だけ削除して、end画像として動画生成しました。

オリジナル画像からディスプレイの内と外を作成

ここでちょっとした問題は、Nano-bananaで少年を削除すると、いなくなったことを考慮して野球選手の手が動いてしまい、シンクロが今一つになってしまいました。
少年を消して手をそのままと指定してもだめで、上手く行ったのは「少年を透過率100%にして」と指示すると手は動きませんでした。(ただし、影は残った)

削除指示だと手が動く

また、撮影する母親の画像の生成は、上記のend画像のベースを使った生成では、撮影のスマホ内にピンクが映ってしまったので、母親生成は野球選手を入れた画像を元に生成しています。

人だかりのガチャから人物を切り出し

ディスプレイの外の群衆は、前回記事でやったのと同じ様に、画像生成のガチャ画像から使えそうな人物を切り出して、再配置しています。
背景を参照画像にしたガチャ画像生成のため、色合いや光の加減が背景に馴染んだ自然な人物画になっています。人物のサイズにブレが出ましたが、後貼りなのでサイズの調整も自在です。

ちょっとした工夫は、小さい画像の切り抜きや精度の良くない背景削除ツールで切り出しても、Nano-banana で個々に Image to Image で再生成すると、清書されて綺麗にすることができます。

後半のクライマックスではそれまでに登場したキャラクターを伏線として、エンディングに向けて回収していきます。

主人公の夢

ここでは人だかりはありませんが、ディスプレイと駅前空間が完全にシームレスにつながるカットです。
このカットだけは、動画のクロマキー機能ではなく勇者がディスプレイに映っている画像を作って、その静止画から動画を生成しています。
この手の演出は割とよくありますが、前半のディスプレイの描写と対比することで、強調しています。


昔、絵を描いていたこともあって、色々とアナログ的な工夫をこらして思う通りの映像を創るのは、面倒であると同時にポン出しでは味わえない出来上がる喜びもあります。

AIツールが進化すると、こういう楽しみは効率化の中に呑まれてしまうかもしれないですね。😔

いいなと思ったら応援しよう!