見出し画像

「読む」から「活かす」へ──樺沢紫苑・山口拓朗・城村典子各氏が語る成功の秘訣3/15ー「Web心理塾」にて

 2025/3/15に開かれた「著者になる! ベストセラー作家になるための インプット術/読書術」に参加しました。

 今回のセミナーの主な目的は以下の通りでした。

  1. 情報発信者や著者になるために必要なインプット術・読書術を学ぶ

  2. 単なる「読者」としてではなく「著者」としての読書法を理解する

  3. アウトプット(出版)のためのインプットの最適な方法を習得する

  4. 類書研究を通じて市場の分析方法や自分の立ち位置の見つけ方を学ぶ

  5. 主体的・能動的な読書法を身につける

 これらの知識やスキルを身につけることで、7月に予定されている出版企画書コンペで成功する確率を高めることが目標でした。ちなみに、私自身は現時点で、直接出版を目指しているわけではないです。それでも、当セミナーは、単なる技術的なノウハウだけでなく、情報発信者として自分の独自性を見つけ出し、社会に価値を提供するという姿勢の重要性も強調していました。この点はとても重要と思います。


樺沢紫苑氏ーインプットとアウトプットの本質的アプローチ

 樺沢氏は「インプット術・読書術」について体系的な講演を行われました。情報発信者や著者として成功するための本質的なアプローチを提示されました。

 まず、インプットとアウトプットの関係性について言及されました。多くの人はこれらを別々のプロセスと捉えがちですが、実際には表裏一体の関係にあります。樺沢氏は「息を吸うようにインプットし、息を吐くようにアウトプット」するという表現を用い、これが自然な流れであるべきだと強調されました。会話においても、相手の話を聞きながら(インプット)次に何を話すか考え(アウトプットの準備)、これが同時並行で行われています。こうした自然なリズムを身につけることが重要だと説きました。

 読書をする際には、目的を明確に持つことが不可欠です。「本を読む目的は何ですか?」と問いかけられました。目的なくただ漫然と読むのではなく、「この本から何を学びたいのか」を意識することで、脳がアンテナを立て、必要な情報を効率よく取り入れることができるのです。特に著者を目指す人は、「類書研究」という目的意識を持つべきだと指摘されました。

 また、「読者視点」と「著者視点」の違いについても詳しく解説されました。多くの人は「面白かった」「ためになった」という読者視点でしか本を読みません。しかし著者になるためには「なぜこの本は面白いのか」「なぜこの本はわかりやすいのか」という「なぜ」の視点で、本の構造や展開、著者の意図を理解する必要があります。著者視点で読むことで、本の「再現性」を理解し、自分も同様の手法を使えるようになります。

 類書研究についても実践的なアドバイスが示されました。樺沢氏は「本を出版するのは椅子取りゲームのようなもの」と表現され、「空いている椅子を見つける」ことの重要性を説きました。睡眠をテーマにした本を例に、時代の流れとともに市場がどう変化するか、その中で自分独自のポジションをどう見つけるかという戦略的思考の重要性を解説されました。

 実際の読書の仕方についても、自らが実演されました。本を開く前に「この本はどんな内容だろう」と予測し、まず目次を確認して全体像を把握し、気になる部分を重点的に読む手法を示されました。短時間で本の「骨格」を掴み、必要な情報を効率的に抽出するテクニックは非常に実践的でした。

 このように樺沢氏は、単なる読書テクニックにとどまらない、情報をインプットし、それを自分のものとして活用するための本質的な思考法を提示されました。

山口拓朗氏ーアクティブ読書の6ステップと読解力の本質

 山口氏は「読解力は最強の知性である」の著者として、読解力を中心とした講演を展開されました。情報発信者や著者になるために必要なインプット術と読解力向上の具体的方法について詳細に解説されました。

 冒頭で「情報こそがリソース(資源)である」と強調されました。著者や情報発信者は情報を扱う仕事であり、良質な情報をインプットできるかどうかが成功の鍵となります。インプット力を高めることで、①文章を書く際に何を書くか迷わなくなる、②自分の意見が生まれる、③文章に説得力が出る、④書くスピードが上がる、⑤専門性が高まる、⑥自信がつく、といった6つのメリットが得られると説明されました。

 読解力を劇的に高める「アクティブ読書」について、山口氏は6つのステップを提示されました。まず「読む目的を明確にする」ことから始まり、「事前に目次に目を通す」ことで全体像を把握します。次に「大事なポイントにマーカーを引いたりメモを取る」ことでマイブック化し、「著者と会話するようにツッコミを入れながら読む」ことで主体的に情報を取り入れます。さらに「批判的(クリティカル)に読む」ことで深い理解に至り、最後に「読み終えたらアウトプットする」ことで学びを定着させるという流れです。

 読解力を高めるためのポイントとして、語彙力の重要性も指摘されました。山口氏は「理解語彙」(聞いたり読んだりして理解できる言葉)と「使用語彙」(話したり書いたりするときに使える言葉)を区別し、アウトプットを通じて理解語彙を使用語彙に変換していく必要性を説きました。また、予測しながら読む習慣や、重要キーワードに注目する方法、著者の意見や主張を見極める技術なども詳しく解説されました。

 文章構造の理解についても言及され、「抽象と具体を行き来する」文章の仕組みを理解することが重要だと指摘されました。良い文章は総論(抽象)から入り、具体的な内容を展開し、最後にまた抽象的なまとめに戻るという構造を持っていることが多く、この構造を意識して読むことで理解が深まります。

 さらに、本から文章の書き方そのものを学ぶことの重要性も強調されました。文体、文法、構成、抽象と具体の行き来、句読点の打ち方、リズム、言葉の選び方など、プロの文章から学べる要素は多岐にわたります。これらを意識して読むことで、自分の文章力も向上していくのです。

 最後に、「読解力とは主体的に読み解く力」だと締めくくられました。単に目で追うだけの受動的な読書ではなく、目的を持ち、能動的に著者と対話しながら読むことで、真の読解力が身につくというメッセージは、多くの参加者の心に響いたことでしょう。

城村典子氏ー独自論と出版企画思考の重要性

 城村氏は「編集者視点の読書術、出版企画思考を手に入れる」というテーマで、30年以上の出版業界での経験に基づいた洞察に満ちた講演を行われました。

 まず、出版に対する誤った認識について指摘されました。多くの人は「出版は依頼を受けてやるもの」「自分から売り込むなんておこがましい」と考えていますが、これは「謙虚という名の傲慢」と言います。著述家になることは「起業するようなもの」であり、出版企画書を立ち上げて出版社に提案し、出資してもらうというプロセスなのです。自分から進んで計画を立てるマインドセットが成功への第一歩となります。

 また、「企画を考えられる人と考えられない人の決定的な違い」について興味深い視点を提示されました。企画を考え続けられる人は「独自論を持っている」のに対し、考えられない人は「正解は何かを考える」傾向があるというのです。現代はインターネットの影響もあり、「正解を求める思考」が強まっていますが、本を書くためには自分なりの視点や切り口を持つことが不可欠です。「独自論」は最初から完璧である必要はなく、最初は「持論」から始めて、それを磨いていくことで独自性が生まれるのだと励まされました。

 編集者としての本の読み方について、城村氏は「読む」より「捉える」という表現を用いられました。編集者は月に100冊以上の本や企画書に触れますが、その全てを読み通すわけではありません。目的に応じて必要な情報を素早く把握する「捉える」スキルが重要なのです。読書において「俯瞰的視点」(鳥の目)と「詳細な視点」(虫の目)を使い分け、本のポジショニングやターゲット、機能を短時間で見抜く方法が紹介されました。

 類書調査に関しても実践的なアドバイスが示されました。城村氏によれば、書店の立地によって扱う本の傾向が異なり、それを理解することでマーケットの特性を把握できるといいます。また、同じジャンルの本でも、著者の立ち位置やターゲット層、提供している価値が異なることを理解し、その中で自分の本がどのようなポジションを取るべきかを戦略的に考える視点が重要だと指摘されました。

 読書後のアウトプットについても具体的な方法が示されました。自分の琴線に触れた部分をピックアップし、その中から特に気になるものを選んで、自分の言葉で読者に手紙を書くように紹介する練習が推奨されました。城村氏は「リンゴを食べたら、そのままリンゴとして出すのではなく、アップルパイにして、さらには意外性のあるりんごの寿司や天ぷらにして出す」という比喩で、インプットした情報を自分なりに咀嚼して独自の形で表現することの重要性を強調されました。

 最後に、出版企画思考が「未来を生きる上で最低限必要なスキル」だと述べられました。多様性と変化の激しい現代社会において、自分の考えを整理し、他者と共有し、価値を生み出していく能力は、商業出版を超えた普遍的なスキルだというメッセージは、参加者に大きな気づきを与えたことでしょう。

 三者三様のアプローチながら、「目的を持ったインプット」「主体的な読書」「アウトプットによる定着と発展」という共通するメッセージは、貴重な学びとなりました。

感想ー目的を持ったインプットと主体的な行動の重要性

 今回のセミナーは、インプットと読書術というテーマで、三者三様の視点から深い洞察を得られる貴重な機会でした。

 樺沢氏の「インプットとアウトプットは表裏一体」という考え方は目から鱗でした。「息を吸うようにインプットし、息を吐くようにアウトプット」するという表現が印象的で、日常生活の中でこの循環を意識していきたいと思います。また、「読者視点」から「著者視点」への転換という概念は、本の読み方を根本から変える視点です。本の「なぜ」に着目し、構造や展開を分析する姿勢を身につけたいと思いました。類書研究を「椅子取りゲーム」に例えた説明も非常にわかりやすく、自分の立ち位置を考える上で参考になりました。

 山口氏の「アクティブ読書」の6ステップは、明日から実践できる具体的なメソッドでした。特に「著者と会話するようにツッコミを入れながら読む」という姿勢は、これまで私が行ってきた受動的な読書と一線を画すものです。語彙力を「理解語彙」と「使用語彙」に分けた説明も腑に落ち、アウトプットを通じていかに使用語彙を増やしていくかという視点が得られました。抽象と具体を行き来する文章構造の説明も、今後の読書だけでなく文章作成、企画の際にも役立ちそうです。

 城村氏の「独自論」に関する考察は、私自身の中にあった「正解を求める思考」への気づきを与えてくれました。「謙虚という名の傲慢」という表現も心に刺さり、もっと積極的に自分の考えを発信していくべきだと感じました。「リンゴをアップルパイに、さらにはりんごの寿司に」という表現で説明された独自性の重要性も非常にイメージしやすかったです。また、本を「読む」のではなく「捉える」という概念は、効率的なインプットの方法として今後実践していきたいと思います。

 三者に共通していたのは、「目的を持ったインプット」「主体的な読書」「アウトプットの重要性」でした。特に印象的だったのは、どの講演者も「待つ」のではなく「自ら行動する」ことの大切さを強調していた点です。読書も情報収集も、受け身ではなく能動的に取り組むべきものだという姿勢は、情報発信者として成長するための核心だと感じました。

 このセミナーを通じて、これまでの読書の習慣を少し見直すきっかけを得ました。明確な目的を持ち、著者の意図を理解し、自分なりの視点でアウトプットするーこのサイクルを意識して、より豊かなインプットとアウトプット、そして行動を実践していきたいと思います。

いいなと思ったら応援しよう!