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映画「きっと、それは愛じゃない」(What's Love Got to Do with It?, 2022, 英, 監督 Shekhar Kapur)


すでに観た映画だけど、BBCのサイトで見つけ、ついつい観てしまった。オーストラリア・メルボルンからの帰りの飛行機内で観たときには、微妙な筋かなと思ったけど、今回観てみてよくできた物語だと評価をし直した。

一度目、機内で見たときには、どういう物語にするのだろうと疑問符が頭に浮かんでいた。だって、長いこと隣り同士の実家で住んでいた30歳を超えた男女が、それぞれ相手を探している。そして片方が結婚しそうになる。これでもう物語の筋は決まっった。どうやって結婚が破談になって、どうやって幼なじみのふたりがくっつくかを描くしかないのだから。

ロンドンでドキュメンタリー映画をつくる仕事をしているゾーイは、幼なじみでパキスタン系のカズが結婚すると聞き、その話を映画にしようとした。イスラム教の「お見合い結婚」に批判的なのだ。そして同時に、カズが結婚することに実はショックも受けている。カズは、家族に内緒でタバコを吸うし、たまに酒も飲む。でもなぜ、イスラム教でよくあるように親が決めた相手と結婚するのか。その相手は、パキスタン在住、22歳の法学生である。カズは、「お見合い結婚」じゃなくて「手助け結婚」(assisted marriage) だとは言うけれど。

カズがSkypeで何度か法学生と話をし、婚約するときき、さらにショックを受けたゾーイ。でも、親しい幼なじみであるあるがゆえ、パキスタン・ラホールでの結婚式に自分の母親と出席するのだ。常にカメラを回しながら。

そして、カズの結婚はあっけなく成立してしまった。「えーっ」と思った。これでは幼なじみ同士がくっつかない。物語が完結しないではないか。ゾーイは、母親が飼い犬を連れて行く獣医やバーで知り合った男たちと仲良くなろうとするけれど、まったく心が動かない。

カズの結婚を撮したゾーイの映画が完成した。しかし、試写会は大失敗だった。見に来た関係者の評判が悪かったのだ。イスラム教の「お見合い結婚」をそんなに悪く描いてよいのかと。

ここからは予想通り、幼なじみのふたりがくっつく方向へ向かう。一度目観たときは日本ではまだ公開前で、仮の邦題は「愛はそれと何の関係がありますか」となっていた。今回は「きっと、それは愛じゃない」となっていた。なるほど、この方が映画の内容に即している。

そして、カズの実家の中庭には、木の上にtree houseが残っている。なるほど、ここにゾーイとカズの思い出が詰まっているのか。

この映画、随所に踊りや音楽などパキスタン系文化が詰め込まれていて、楽しい。結婚式のため、ゾーイたちがラホールの到着したときにニティン・ソーニーが流れて、すごく映画を引き立てている。

そしてなんと言っても、この映画の最も大きな成功の理由は、ゾーイを演じたのがリリー・ジェームズだったこと。ほんと品があって、きれいな女優さん。そう、私が二度も観てしまったのは、実はリリー見たさのためだったのだ。もうばれているとは思うけど。

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