アトピーの原因はお母さんの視線!
症例ストーリー:お母さんの安心が子どもを変えた
あるお母さんと小学生の男の子が来院されました。アトピーの治療のためです。
その子は卵や乳製品などに強いアレルギーがあり、長い間、食事には細心の注意を払ってきました。
しかし、卵や乳製品を避けてもアトピーは改善せず、「ほかに原因があるのでは?」と感じたのです。
お母さんは、カラダに悪いものをオーリングテストで見つけてほしいと、家にある食材や身に着けるものをたくさん持参されました。
オーリングテストで確認していくと、実は「食べ物」そのものよりも、お母さんが「子どもを心配そうに見つめる緊張感」が、子どもの身体にストレスとして影響していることが分かりました。
子どもに「お母さんを見て」と促すと、カラダからアレルギーの反応が出ます。
一方で、卵や牛乳などのアレルギー物質を手のひらに乗せても、その反応は出ません。
これまで多くのアトピーのご家族を診てきましたが、この親子もその一例でした。子どもを観察しすぎているのです。
お母さんも小さいころ、親に見られたり注意されたりするのはいやだったのではないでしょうか。
そこで、子どもだけでなくお母さんにも一緒に治療を行いました。
イメージ療法やツボをたたくこと、小さいころ言ってほしかった言葉を呟くことなどを取り入れました。
治療と並行して、お母さんには「安心して見守ること」「笑顔で食事を楽しむこと」を“宿題”としてお願いしました。
宿題の効果もあり、少しずつ子どもの反応が変わっていきました。
数か月後、お母さんからLINEでこんな嬉しいご報告をいただきました。
「息子が卵入り広島焼を食べられました。症状が出ません!
母大号泣。嬉しすぎたのでご報告です。こんな日がくるとは!
このあとは牛乳、ナッツ類も、楽しい気分でチャレンジしたいです」
お母さんの緊張が和らぎ、「食べる」ことを楽しむ空気が家庭に戻ったとき、子どもの身体も安心して食事を受け入れられるようになったのです。
治療者としての気づき
この症例で大切だったのは、症状そのものをどうにかしようとするよりも、お母さんの気持ちが変わることが子どもの回復につながったということです。
「食べさせなければ」「気をつけなければ」という緊張や恐怖は、無意識のうちに子どもに伝わってしまいます。
反対に、お母さんが「大丈夫かもしれない」「一緒に楽しもう」と気持ちを緩めたとき、子どもも自然に反応し、食べられるようになることを改めて学びました。
食べるものや身に着けるものだけが病気の原因ではありません。
症状や検査数値に囚われすぎず、心と心のつながりを整えることこそが、本当の治癒を呼び込む――そんな気づきを得た症例でした。
