たゆ森だよりー117枚めの葉ー💌ポスのすけのまちがい郵便
その朝
💌ポスのすけは
めずらしく目をこすっていた
夜の森で
星明かり郵便を手伝っていたからだ
星の光をあつめては
夜露のしずくに手紙を写す
「この光、ちゃんと届くかなぁ」
なんてつぶやきながら
こびとたちの夢のすき間を
ふわりふわりと駆けていったのだ
だから朝になっても
まぶたの奥がまだ夜みたいで
肩に すこしだけ星の粉を残したまま
「ふぁ〜
今日も配達
がんばるぞぉ……」と
あくびまじりに森の道を歩いていた
おまけに
夜のあいだに届いた手紙が多くて
肩のバッグが
ほっぺたみたいにふくらんでいたのだ
「ふぅ〜ん
今日は風がごきげんみたいだな」
軽口をつぶやいて
森の道をぴょんぴょん進む
だけどその日
💌ポスのすけは
ひとつだけ
届け先をまちがえてしまった
ほんとうは
🌿フユリちゃんに渡すはずだった
「小さな芽の観察記録」の手紙を
🐿️リッカの巣のポストに
入れてしまったのだ
──それでも森は
何も言わずに見守っていた
午後になって
🐿️リッカはいつものように
しっぽの毛づくろいをしながら
ポストをのぞいた
「ん? なんだろ この手紙」
開いてみると
中には
芽が少しずつ開いていく絵と
「光は 葉の奥から生まれるんだよ」
という🍄マッシュくんの文字が
書かれていた
その瞬間
🐿️リッカの胸の奥で
風がすこし鳴った
「葉の奥から…?
そっか
だから風が通ると ひかるんだ」
その気づきがうれしくて
🐿️リッカはすぐに外へ出て
葉っぱの間をすりぬける風を追いかけた
その風が
ちょうど🌿フユリちゃんの庭先を
通りぬけたとき
風の粒に乗って
🐿️リッカの想いが届いた
🌿フユリちゃんはふと顔を上げて
「。。。あら
芽の声が聴こえたみたい」とつぶやいた
その夜
ポスのすけは
配達帳をひらいてびっくりした
「えっ、まちがえてたの!?
うわぁ。。。」
けれど
風の音が「ふふっ」と笑っていたので
「風は知ってたんだなー」と鼻をこすった
そして
翌朝
ポスのすけのバッグの中には
誰が入れたのか知らない
小さな木の実がひとつと
紙切れが添えられていた
──まちがいも みちびきのひとつ
その言葉を見て
ポスのすけは
帽子のつばをふるわせながら笑った
そして空を見上げて言った
「じゃあ次のまちがいも
楽しみにしておこうっと」
🌲きょうのこびとのひとこと🌲
「ふふっ
葉っぱの香りがまあるくなって
森がひと息ついてるのね〜」
(🌿フユリちゃん)
