たゆ森だよりー158枚めの葉ーやさしく曲がる森
🐿️リッカは
🍄マッシュくんにもらった
ひかるきのこリュックを背負って
🌿フユリちゃんのところへ向かったよ
森はしんとしていたけれど
冷たくはなくて
💠ありすみの澄んだ気配が
ふわっと広がっていた
🌿フユリちゃんは
赤い落ち葉を集めながら
風の音を聞いていた
そこへ
🐿️リッカが近づいていく
「🌿フユリちゃーん」
🌿フユリちゃんは顔を上げて
「あら 🐿️リッカ」
って うれしそうに言った
「そのリュック。。。
やさしい光ね」
🐿️リッカは
えへへ って笑って
「🍄マッシュくんにもらったの
あったかいでしょ」
🌿フユリちゃんは
「うん
見てるだけで ほっとする」
って うなずいた
そのとき
足もとにあった
きれいな赤い落ち葉に
🐿️リッカが気づいて
「この葉っぱ
すごくきれいだね」
そう言って
そっと なでると
落ち葉は
するりと形を変えて
小さなポシェットになった
「わ。。。」
って 🌿フユリちゃんが目を丸くして
🐿️リッカは
「🌿フユリちゃんに
ぴったりだと思って」
🌿フユリちゃんは
ポシェットを手に取って
「ありがとう
色んな色が深くてやさしいね」
って言った
💠ありすみの澄んだ気配が
ふたりのまわりを
そっと包んで
森は
何も言わないけれど
その会話を
静かに聞いていた
💠ありすみの澄んだ気配が
森の奥へ 奥へと
ゆっくり流れていく
その流れに背中を押されるみたいに
🌿フユリちゃんは
手の中のつぼみを見て
「そろそろ かな」
と 小さくつぶやいた
そして
🎩モリトくんのいる方へ
静かに歩き出したよ
森は相変わらず静かで
でも しんとしすぎず
💠ありすみの澄んだ気配が
足もとを すーっと流れていた
🎩モリトくんは
苔のクッションに腰をおろして
小さく息を吐きながら
スキの気配を数えていた
そこへ
🌿フユリちゃんが来て
「モリトくん」
🎩モリトくんは顔を上げて
「おや 🌿フユリちゃん」
って言った
そのとき
フユリちゃんの手の中のつぼみが
ふわっとひらいて
小さな靴飾りになったよ
「これね」
って 🌿フユリちゃんは言って
「歩くたびに
音はしないけど
気持ちがやわらぐの」
そう言って
🎩モリトくんの靴のそばに
そっと置いた
🎩モリトくんは
少し驚いた顔をしてから
帽子のつばを
ちょっとだけ下げて
「これはいいね」
靴先を
そっと地面に置いてみて
「森を踏む感じが
やさしくなる」
って言った
🌿フユリちゃんは
それを聞いて
「よかった」
って 小さく笑った
💠ありすみの澄んだ空気が
靴飾りの奥で
静かに光っていて
🎩モリトくんは
もう一度 足を下ろして
「うん
今日は この歩き方でいこう」
ってつぶやいた
森は
なにも言わないけれど
またひとつ
やさしい歩き方を
ちゃんと覚えたんだ
🌿フユリちゃんが去ったあと
🎩モリトくんは
しばらくその場に立っていたよ
靴もとのつぼみの飾りが
歩かなくても
やさしい感じを残していた
💠ありすみの澄んだ気配が
苔の間を通り抜けて
棚のほうへ すっと流れていく
🎩モリトくんは
その流れを追うみたいに
苔の棚の前へ立った
🎩モリトくんは
苔の棚の前に立って
いちばんやわらかい苔を
両手ですくったよ
湿りすぎず
乾きすぎず
💠ありすみの澄んだ気配が
すっと通る苔
🎩モリトくんが
静かに形を整えると
それは
軽いマントになったの
ちょうどそのとき
配達帰りの💌ポスのすけが
小道で足をゆるめた
💌ポスのすけ
「ここ 風が変わったね」
🎩モリトくんは
顔を上げて
「うん
さっきから
急がなくていい感じがする」
🎩モリトくんは
できあがったマントを見て
少し考えてから言った
「これね
追われる人より
運ぶ人に合う気がする」
💌ポスのすけは
首をかしげて
「ぼく?」
🎩モリトくん
「そう
それを羽織ると
風が前に来なくなる」
💌ポスのすけは
そっと肩にかけてみて
しばらく黙ったあと
「あ
森の音が
近くなった」
🎩モリトくんは
それを聞いて
「だろう
急がせる音が
遠くなるんだ」
マントの苔は
揺れないのに
ちゃんと風を受けていて
💠ありすみは
その間に
ただ在るように
静かに澄んでいた
💌ポスのすけは
マントの端を軽く押さえて
「これなら
配達の道も
ちゃんと曲がれそうだ」
🎩モリトくんは
「うん
森は
直線が苦手だからね」
森の配達路は
その日から
少しだけ
やさしく曲がったんだ
