たゆ森だよりー145枚めの葉ーたゆ森の贈り物 かわいい世界
冬苔のヘアバンドを受け取ったばかりの🌿フユリちゃんは
髪にそっと触れながら
森の気配をひとつ吸い込んだ
その瞬間
彼女の横にいた冬の草たちが
ふわ。。。っとつぼみを持ち上げ
ちいさな
“冬待ちの花” が一輪ひらいた
それは
においはほとんどしなくて
光に反射するとささやかに透ける
雪の下で咲く準備をしていた花
🌿フユリちゃんはその花をそっと摘むと
「。。。この子はね
ずっと誰かのところに
行きたがってたみたい」
耳をすませるように目を細めたむこうで
🐿️リッカが枝の上で
ばたばたと
しっぽをふってバランスを取っていた
🐿️「あれっ
🌿フユリちゃん なんか呼んだ?」
🐿️ リッカが
🌿フユリちゃんのヘアバンドを見て
「ふわぁっ!?
フユリちゃん それ。。。
めっちゃかわいいじゃない!!
アタシ びっくりしちゃった!」
🐿️リッカは耳をぴょこぴょこ動かしながら
🌿フユリちゃんの周りを
ぐるっと一周して
目をまんまるにして見上げる
「そのヘアバンド
なんか。。。
森のお姫さまみたいに見えるよ
似合いすぎてて ずるい〜!」
🌿フユリちゃんは
頬をほんのり染めて
にこにこしてしまう
「ふふっ。。。
🎩モリトくんがね
くれたの〜
あったかくて気持ちが落ち着くの」
🐿️リッカは思わず
🌿フユリちゃんの髪のあたりをのぞきこむ
「苔ってさ
こんなにきれいな色 するんだね。。。!
アタシ こんなの初めて見るよ!」
🌿フユリちゃんは
ヘアバンドにそっと触れながら
森風みたいな声で言う
「うん。。。
この苔 ちいさく光ってるの
森が “うん 似合うよ〜” って
言ってくれてるみたい」
🐿️リッカはぱあっと顔をほころばせて
尻尾をふわふわ揺らした
「わあ。。。そういうの 大好き!
ほんとに素敵だよ フユリちゃん!」
苔のやさしい光と
🐿️リッカのきらきらした秋色のまなざしが
ふたりの間で弾けて
小さな“スキ”がふわっと広がった
そして
🌿フユリちゃんは
ひらいた小花を両手で包んだまま
🐿️リッカのもとへ歩み寄った
🌿「これ
🐿️リッカにあげる
耳のあいだに
ちょこんと乗せてみたら
きっとかわいい」
🐿️「えっ アタシに? わぁ!」
🐿️リッカがちょこんとしゃがみこむと
🌿フユリちゃんは
花をそっと耳の間に置いた
その瞬間
🐿️リッカのまわりの“風の音”が、
ひときわ明るくなった
落ち葉がさらさら集まって
🐿️リッカの周りを
くるくる踊るように舞いあがる
🐿️リッカはぱあっと顔を明るくして
🐿️「うわっ なんか楽しい!
風が笑ってるみたい!」
🌿「ふふ。。。その花ね
耳にのると
“その人のいちばん好きな風”を呼ぶのよ
🐿️リッカにはきっと
こういう風が来ると思ってた」
🐿️リッカはしっぽをぶんぶん振りながら
枝の上でくるっと一周して
🐿️「🌿フユリちゃん ありがとう!」
ってくるっとひとまわり
🐿️リッカは
自分でも触ってみたり
頭をふるふるして揺れ加減を確かめたり
「アタシ こういうの
ずっと欲しかったのよね〜っ」
ってくるりと小さく一回転
飾りがその動きに合わせて
ちりっ と光った気がした
そのまま嬉しさが胸いっぱいになって
🐿️リッカはしばらく
「かわいい。。。かわいい。。。」と
自分だけの小さな世界に浸っていた
森の空気も
ふわぁっとやさしく甘い感じになって
誰もがその笑顔を見ているだけで
あったかくなった
