たゆ森だよりー36枚めの葉ー🩵リッカと夜のスキ
「たまに帽子を磨くと
心もすっきりするんだ」
(🎩 モリトくん)
*~*~*~*~*
たゆ森に夜の風が吹くとき
森のこびとたちは
眠りにつくけれど
🐿️リッカはちがう
夜風がそっと耳もとでささやく
「まだ知らないスキの声」を
ひとりだけ聞くことができる
🐿️「。。。。うん
いまのは
どこかで くすんって泣いた
スキの音。。。」
ある夜
しずかな森に
しゃらん…しゃらん…と
やわらかな
風鈴のような音が鳴った
それは “忘れられたスキ”が
どこかでひとりぼっちに
なっている合図
🐿️リッカはそっと毛布をぬけだして
風のしっぽを
くるりと一巻きすると
ほそい枝の道をすべっていく
たどりついたのは
森の端にある
ちいさな泉のそば
そこには
透けるような光をまとった
スキがひとつ
ぽつんと浮かんでいた
でもそのスキは
なんにも言わなかった
まるで自分が誰だったか
忘れてしまったみたいに
🐿️リッカは
ポケットをそっと探って
いちばん大事にとっておいた
くるみのキャンディを取り出して
スキのそばに
ちょこんと置いたの
🐿️「だいじょうぶだよ
あったかいものがあるとね
心もすこしほぐれるから。。。」
それは
🐿️リッカの小さな魔法みたいなもの
くるみのキャンディは
森のこびとたちのあいだでも
「気持ちがかたくなったときに
そっとなめると
やさしい気持ちを思い出せる」って
昔から言われている
特別なおやつ
🐿️リッカは
そのことをちゃんと知ってたの
だから
声をかける前に
まずキャンディを差し出して
「あなたをこわがってないよ」って
伝えたかったんだ
🐿️「ことばが出なくても
だいじょうぶだよ
わたしが
ちゃんとおうちまで
つれて帰るからね。。。」
そして🐿️リッカは
かぜのおくりもの袋に
そのスキをそっと包んで
森へ帰った
次の日の朝
こびとたちの広場では
ふしぎなことが起こった
🍄マッシュくんが
いつもよりくるくる踊って
くるくるが
とまらなくなっちゃってた
🌿フユリちゃんが植えたクローバーが 一晩でふたつ花を咲かせた
🎩モリトくんは
🐿️リッカのふくろからにじんでくる
光に気づいて
🎩「。。。。🐿️リッカちゃん
これ 夜のスキだ。。。」
夜風にまもられた
ちいさなスキ
名前も言葉もなくても
ちゃんと森に届いたとき
それはまた
ほんのりと光を取りもどしていた
その夜
🐿️リッカはそっとつぶやいた
🐿️「スキって
たまに迷子になるけど……
ちゃんと耳をすませば
声がするんだよ。。。」
そしてまた
くるんとしっぽを巻いて
夜の風にとけていった
🌲きょうのこびとのひとこと🌲
「土の上は
ふかふかのステージなんだよ」
(🍄マッシュくん)
