タヌキ実録と考察
Xでポロポロ描き散らしていたタヌキ関連の諸々をまとめました。タヌキかわよですね。なお我が家の庭はアナグマパラダイスになっています。毎晩掘り返しに来てくれます。ミミズが美味しいのでしょうか。
①気付かないタヌキの実録




タヌキ、ハイビームをまともに食らうと目がくらんで動けなくなるので、遭遇した後は光を小さくしてあげた方が親切です。ハイビームをもろに受けている限り、タヌキは動けません。Xではライト消してやれよというご意見も頂きましたが、夜の田舎の山道でライト全消しすると完全なる闇になってしまうので、逆に危険だと思います。タヌキが逃げたかも確認できないし。
ハイビームでしっかり前方を確認しつつ、心穏やかに安全運転しましょう。山道で、飛ばすな。マジで。あと対向車が来た時はローにして下さい。人間も眩しいです。



②タヌキの害獣レベル
次は、私が連載していた漫画(『21xx年 墾田永年私財法』)関連で、タヌキの害獣レベルについて。




③色々な「タヌキ」
色々な「タヌキ」図解。
「なんかタヌキみたいな生き物を見かけるんだけど、何だろう?」と思われている方は、参考にしてみて下さい。皆様の周りに出没するのはどの子でしょうか?


④「しま尻尾タヌキ」考
ついでに、タヌキの尻尾しましまに描かれちゃう問題について考察したやつです。あくまで個人の考察です。
よく、タヌキの尻尾がしましまに描かれてしまうのは、アライグマと混同してしまったせいだと言われるんですが、実はアライグマのいなかった江戸時代から、しましま尻尾の「タヌキ」の絵は存在していました。↓みたいなやつ。

なぜこのようなことが起こったのか、大きく3つの理由を考えてみます。
1.猫(キジトラ)と混同されていた
現代でも見間違えることがあるので、写真も街灯もない時代だったらなおさら間違えたのではなかろうか。猫もタヌキも基本的に夜行性だし。どちらも人里のそばで、夜にウロチョロしていて、サイズ感も似ているとなると、結構見分け難度が高いと思う。月夜の中、逃げていく尻尾だけがうっすらしましまに見えた、なんてこともあったかもしれない。目撃者がその動物をタヌキだと思い込んでいたら、タヌキの尻尾はしましまだと認識しちゃうかも。想像だけどね。

また、アグチパターンの毛は、生え方によってはしま模様になるので、タヌキが実際しま模様になっていた可能性も捨てきれない。実例として、アルプス公園(長野県)のノラノスケさんは、冬毛になると背中にしましまができるらしい(尻尾はしましまじゃないけど)。背中がしましまの狸を見て、尻尾までしましまに描いてしまったとしても、まああり得なくはないかな、とは思う。

2.中国の「狸」がヤマネコ(おそらくジャコウネコの類)を指すため、中国で描かれた図を参考にした結果、尻尾をしましまにしてしまう事例が発生した
鳥山石燕の『百鬼夜行』の「狸」はこれが原因じゃないかな~と個人的に思っている。フォルム的にも模様的にも、タヌキじゃなくてジャコウネコっぽいし。というか、江戸時代に描かれたタヌキ、顔つきがジャコウネコっぽいな~と感じるものがかなり多い(あくまで個人的な感覚です)。

そもそも「狸」という文字は、元々中国で「ヤマネコ」を指していたそうです。この「ヤマネコ」も、現代でイメージするネコ科生物ではなく、もっと曖昧な分類だったらしく、場合によっては、中型の哺乳類は全部ヤマネコ、くらいの大雑把さ。なお現代中国では、「狸」はジャコウネコ科を指すらしいです(昔はジャコウネコもヤマネコも区別がされていなかった、とも言える)。
ちなみにタヌキは「貉」……アナグマじゃん。ついでにアナグマは「貛(まみだぬき)」(現代日本ではあまり使われないけど、アナグマを指す字ではある)。日本も漢字文化圏なので、中国語の文章もなんとな~く読めたりするけど、文字の意味がちょいちょい違うから逆に混乱するよね。
3.律儀な画伯が丁寧に毛並みを描いた結果、なんか縞模様みたいになっちゃった……
動物の毛並みを丁寧に描こうとして、縞模様みたいになった経験、ないですか? 私はあります。きっと昔から、そんな絵を描いてしまう人は存在したと思います。
昔の絵を見る上で、前提として留意しておくべきことは、現代と違って写真もない時代であること。つまり現物を捕まえて目の前で描いていたのでなければ、基本的に全部「うろおぼえ」。私は昔の絵の、細部が曖昧な絶妙なユルさが大好きなんですけど、「うろおぼ絵」ゆえなんですね。かわいい。うろおぼ絵を元に、二次的三次的n次的に描かれる絵も当然あったはずなので、もううろんミラージュです。
上記全ての要因が複合的に作用して、しばしば「しま尻尾タヌキ」が生み出されていたりもしたんじゃないかな。全部想像だよ(明確な論拠があるわけではないので、鵜呑みにはしないでね)。
ただし、タヌキの尻尾が頻繁にしま模様になるのは1980年代以降らしいので、現代のしま尻尾タヌキの原因はアライグマの移入によるところが大きいとは思います。とはいえ、それ以前から、しま尻尾の「タヌキ」は存在していたよ、という話でした。これからも、人間の認識能力の「ゆるさ」を楽しんでいきたいと思います。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。良かったら漫画も読んでみて下さい。この記事が面白いと思えた方なら、多分面白いと思います。
2026年6月23日発売予定の、最終3巻のカバー下、大変たぬたぬしいことになっておりますので、是非……自分で言うのもアレですけど、可愛く描けたと思っています!(^^)!
