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【読書記録】17歳のための世界と日本の見方 セイゴオ先生の人間文化講義


読んだ本

概要

日本文化研究の第一人者である松岡正剛さんが、17歳の高校生に対して「人間文化とはどういうものか」を5回にわたって講義した内容をまとめた本。

人間文化を学ぶとはどういうことかというと、以下のように第1回講義の最初の方に話されている。

ひとつは世界と日本を歴史観をもって見ること、もうひとつは社会と文化はどのように成立しているかをよく知ること。このふたつです。

「17歳のための世界と日本の見方 セイゴオ先生の人間文化講義」より抜粋

てっきり、世界から日本はどう見えているのか?そして日本は世界をどう見るべきなのか?みたいな話が書かれている本なのかと思ったが、全然違った。笑 良い意味で、裏切られた。
第1講で、人間文化の中での関係・編集・情報とは何か?文化とは何か?人の歴史や文化はどんな流れで成り立ってきたのか?という抽象的な概念について説明された後、第2講から各国の人がどんな物語を紡いできたのか、つまりどんな宗教をどんな文脈でどんな風に信仰し、それを社会に落とし込んできたのか、ということが語られている。

一応、私は学生時代はキリスト教のカトリック系の学校に通っていたので、それなりに長い期間キリスト教については人より学ぶ環境にいたと思うのだが(キリスト教について学ぶ宗教の時間が週1回は必ずあったり、季節ごとにミサ等のイベントもあった)、全く知らないキリスト教の歴史の数々があり、改めて世の中知らないことばかりだと面食らった。(考えてみれば、学校ではキリスト教の中に入り込まされていたのに対して、この本はあくまでも客観的にキリスト教の歴史や思想を語ってくれているので、視点が異なる。)

これまでなんとなく表面的に知っていた宗教に関する話が、とても具体的に、それぞれにどんな背景やあるのかをわかりやすく話してくれるので、とても読みやすい。1ページあたりの文字も小さくぎっしりだし、ページ数も多い本だが、続きが気になる!状態になり、思ったより短期間で読み終えた。
ただ、非常にたくさんの情報が詰め込まれているので、一度読んだだけでは到底理解しきれないという印象。もう1回読もうと思う。(この内容が高校生向けに話されていたと思うと、高校生はどこまで理解していたんだろう?と疑問に思ってしまう。笑)

この本の初版は2006年。そして手元にある本は、2024年9月に発行された第40版。約20年の年を超えてなお、多くの人に読まれている名著なのだと思う。

所感

前述のように私は通っていた学校がキリスト系だったため、それなりに宗教については理解しているつもりだった。むしろ他の人より詳しいとさえと思っていた(結婚式で必ず歌わされる「いつくしみ深き」はそらで歌えるし。)
けど、この本を読んで、そんなふうに思っていた自分が恥ずかしくなった。キリスト教ののとは多少なりとも理解していても、「宗教によって世界がどう成り立ってきたのか」については、全く知らなかった。
宗教の話は、宗教の中だけで成り立っているわけではない。文明、文化、経済、哲学、科学など、世の中の様々な分野と複雑に絡み合っている。全ては人が考え出したことなので、人の思考が抽象的に寄ったり具体的に寄ったりしながら、世の中は進化してきていることがよくわかる。人間の考える力ってすごい。
授業では、それぞれ別の科目で習うので、それらを関連して考えたことはなかった。でも、本当は全て繋がっているということは、タイトル通り高校生の頃から知っておくと、世界の見方は変わりそうだなと思う。それだけで、世界の出来事や問題が、ぐっと身近になる。
日本は島国だから、あまり日本以外の国のことを知る機会も少ないし、知ろうとしなくても生きてはいけるので、この本の必要性をどこまで感じるかは人それぞれの価値観によるところも多そうだけど、私はとても面白かった。
この本をきっかけに、興味の幅が広がる人は多いと思う。

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