アドラー心理学で解く悩み相談 /SNS社会での「迷惑メールの悩み」
青年は悩んでいました。それは、毎日のように届く多量の迷惑メールの事でした。それは青年への、大きなストレスとなっています。
SNS社会の中で、快適なネット空間を保持する時、どうしても迷惑メールのことが頭から離れません。
そこで人生の師である哲人に、その答えを求めたのです。
『嫌われる勇気』で解く、迷惑メールの悩み
【青年】
先生! 先生は、「すべての悩みは人間関係である」と断言されましたね。私は、あの言葉がずっと引っかかっているのです。
この現代社会には、人間関係とはまったく無関係な、純粋にシステムや環境のせいで生じる、ストレスというものがあります!
【哲人】
ほう、純粋なシステムや環境のストレス、ですか。具体的に聞かせていただけますか?
【青年】迷惑メールですよ!
私のスマートフォンの受信ボックスには、毎日毎日、得体の知れない投資の勧誘や、身に覚えのないサイトからの請求、偽の銀行からの警告メールが大量に届くのです。
これを削除するだけで毎朝どれだけの時間を無駄にしているか!
これは人間関係などではなく、テクノロジーの弊害であり、悪質なシステムによる被害です。
これのどこが、人間関係の悩みだと言うのですか!
迷惑メールは人間関係が理由?
【哲人】
なるほど。確かに毎日のように望まないメールが届くのは、煩わしいことでしょう。しかし青年。それもやはり、本質は人間関係の悩みなのですよ。
【青年】
はあ!? なぜそうなるのです! 私はただ、機械的に送られてくる、デジタルデータの羅列に腹を立てているのですよ?
【哲人】
ではお聞きしますが、もしそれらのメールが、AIやロボットが完全に自律して、悪意も意図もなく、宇宙の自然現象のように降らせているものだとしたら、あなたはこれほどまでに激しい「怒り」を覚えますか?
例えば、雨が降って服が濡れたとき、あなたは雨に対してこれほど激昂しますか?
【青年】
それは……雨に対して怒っても仕方がありません。しかし、迷惑メールは違います!
影にある他者の存在に憤る
【哲人】
そう、違うのです。
なぜなら、そのメールの向こう側には、「あなたを騙そうとしている人間」や、「あなたの時間を奪ってでも利益を得ようとしている人間」、つまり他者の存在が透けて見えるからです。
あなたが憤っているのは、メールという現象そのものではなく、それを送りつけてくる「他者の身勝手さ」や「不誠実さ」であり、
それによって「自分が軽んじられている」という感覚、すなわち対人関係における摩擦なのです。
【青年】
……っ! 確かに、向こう側にいる詐欺師どもに対して腹が立っています。
しかし、そうだとしても、この状況をどうにかしたい!
哲人なら、この迷惑メールをどう処理するのですか? アドラー心理学でメールが止まるというのですか!?
アドラー心理学は魔法ではない
【哲人】
いいえ、アドラー心理学は魔法ではありませんから、受信サーバーを書き換えることはできません(笑)。
ここで必要になるのは、やはり「課題の分離」です。
【青年】
またそれですか! 課題の分離で、どうやって迷惑メールを消すのです?
【哲人】
まず整理しましょう。「あなたに迷惑メールを送るかどうか」は、誰の課題ですか?
【青年】
それは……送りつけてくる業者の課題、でしょう。彼らの意志ですから。
【哲人】
その通りです。他者の課題には介入できないし、他者をコントロールすることはできません。
彼らに「送るのをやめなさい」と願ったところで、あるいは憤慨したところで、相手が変わるわけではない。
では、「届いたメールに対して、どう対処するか」は、誰の課題ですか?
【青年】
それは、私の課題です。
【哲人】
そうです。あなたができるのは、強力な迷惑メールフィルターを設定する、メールアドレスを変更する、
あるいは「ただ淡々と、感情を動かさずに削除ボタンを押す」ということだけなんですよ。
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