いつかここは、懐かしいあの頃になる
『冷蔵庫に入っていたヤクルト的なやつ
(ヤクルトではない似たもの)飲みたいなぁ。』と、ふと思いました。
でもこの時はキャンプ中だったので無理でした。
いつもなら『叶った!』とすら思わずに叶えている
“当たり前の事たち”は、少し状況が違えば奇跡です。
ゴールデンウィーク中は、キャンプでした。
もう毎年恒例でゴールデンウィークはキャンプ、
これはずっと続くと思っていましたが、
中2になった息子は、一人の時間がないキャンプというものに
そろそろ飽き飽きしている様子でした。
こうして、人生は移り変わっていき、
その時の“当たり前”は、そうではなくなって行き、
“懐かしいあの頃”になって行くのです。
そうか、また一つ終わるんだな。
そんな気持ちを引きずりながらも、
前を向かないとなーと思っている今日この頃です。
キャンプへ行った町は海鮮が美味しい場所でしたので、
ぶらっと出掛けついでに漁港でご飯を食べたりしつつ、
夜は美味しい貝でも焼いて食べようと、
温泉帰りに、町の小さな魚屋さんみたいな所へ寄ってみました。
さすが海のある町の魚屋さんは新鮮なものばかりでした。
お店の奥さんは親切でお喋り好きな様子でしたので、
少し買い物しながらお話しました。
私が『美味しいものが沢山あって良い場所ですね。』と言うと
本当に嬉しそうに『ありがとう!』と言い、
獲れたての茹でたワカメをおまけしてくれました。
夜にこれをシンプルに生姜醤油で頂きましたが、
これが、本当に本当に美味しかったし、
あの時に嬉しそうにしていた魚屋の奥さんの顔は、
“郷土愛”というものだろうと思うと、食べながらジーンとしました。
私にはあるだろうか?郷土愛。。。
多分、あの奥さんの様な郷土愛は、私の中には存在していません。
美しいものを見たな、そう思いました。
この町で最初に寄った海岸は、
断崖絶壁のある険しい場所でした。
それが中々怖くて良い感じで、
昔の土曜ワイド劇場で人が落ちて死んだり、
片平なぎさに誰かが説得されたりするシーンを
思い出したりしました。
ここに行きつくまでも、
心霊スポットみたいな洞窟を通り抜けないとならなくて、

中々味わえない不思議な不気味を味わって満足しました。
険しい波の海なので、たくさんの平べったい石や
平らになっている岩ばかりで、
そこを渡り歩きながら、時々何か綺麗なものを拾ったりしました。
ふと、毛の生えたものが目に入って、
近づくと、シカの赤ちゃんの様な、
“キョン”という動物の死骸でした。
それは猫より少し大きめで、小さな角が生えていて、
綺麗な毛並みのまんま、光のない眼をしていて
時々波で揺さぶられつつ、平らな岩の上に横たわっていました。
近くに、崖崩れ注意と書かれていましたから、
崩れた崖から落ちてしまったのかもしれません。
きっと赤ちゃんのその子に、
息子と手を合わせて静かな気持ちになりました。
海にはいつも、あの世的なナニカを感じます。
特にそれを強く感じる場所でした。
撤収後、私たちのテントでミステリーサークルのように
なってしまった草原を後にして、再び海岸へ行きました。
今度は崖の海ではなくて、海藻だらけの海岸でした。

海に突き出た岩場にある地蔵尊で手を合わせた後、
小さな魚や生き物たちを観察しつつ遊んでいると、
なんと、小さなタコが現れました!
多分タコが居る様な場所ではなかったので、
かなりレアケースだろうと思いますが、
息子と夫が捕獲しました。
漁港で食べたタコの天ぷらが絶品でしたので、
絞めて持って帰ることにしました。
大きなナマコもゴロゴロいましたが、
こちらは手を出す勇気がなくて断念しました。
それにしてもナマコは無防備で、
なんの抵抗もなく横たわっているのです。
よくあれで生き残っていけるよなーと感心します。
いつまでもいつまでも、飽きずに見て居られる世界が
そこには広がっていました。
それでも家に帰れば、
Netflixで『地獄に堕ちるわよ』とかを観たりしています。
つい昨日までは、夜空を見上げていた時間に。。。
でも多分、崖の海や海藻の海や、
魚屋さんの奥さんの郷土愛とか、
トイレや水場まで丘を下りて歩かないとならなかった
数日間のエッセンスは、
私の中に良いものをもたらしてくれたと思います。
もしかしたらこれからは、
ゴールデンウィークに家族で行く旅行は
キャンプではなくなってしまうのかもしれないけれど、
また一つ、“懐かしいあの頃”を作れたのだろうと思います。
🎈今日もここで出会ってくれて
ありがとうございます。
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