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「また考えちゃってる」と気づいたら、一度そこで区切ってみる

さっきまで別のことをしていたのに、気づくと、また上司に言われた場面が頭に浮かぶ。

「あの返事でよかったのかな」などと考え始めたあと、ふと我に返り、「また考えちゃってる…。いつまで引きずるんだろう。こうやってうじうじと、自分は切り替えが下手だ…。」と、自分をさげすむ言葉まで続いていく。

今日はそんなことについて、一緒に見ていきたいと思います。


「また考えちゃってる。」

この短い一言は、ただ今の状況を実況しているだけのようでいて、実はもう、ひとつの評価を含んでいます。

考えが浮かんでくること自体が、いけないこと。まだ引きずっているのは、切り替えられていない証拠。そうした前提が、言葉の中にあらかじめ入っているのです。

だから、「また考えちゃってる」と気づいた瞬間から、苦しさが増してしまいます。

最初は職場で起きた小さな出来事について考えていたはずが、いつのまにか、あれこれと考え続けている自分のことまでも、責める対象に変わってしまっているのです。

ここで一度、頭の中で起きていることを二つに分けてみましょう。

「上司のあの言い方が、また浮かんできた」。
これは、いま自分の中で起きていることです。

言い換えれば、一つの出来事です。

「またぐるぐると同じことを考えている、私はダメだ」。
これは、それに気づいた自分が、あとから足した言葉です。

言い換えれば、自分が自分に向けた言葉です。

これらはほんの数秒のあいだに続けて起きるので、ひとつながりの苦しさのように感じられます。ただ、この二つは出どころが違います。

前半は、自分でわざわざ考えることを選んだわけではありませんよね。強く心に残ったことは、ふとした拍子に思い出されてしまうものです。呼んでもいないのに、勝手に出てきてしまうのです。

後半のほうは、それに気づいた自分が、あとから重ねています。

だから、頭に浮かんできたという事実だけで、「自分は意志が弱い」「成長していない」などと判断する必要はありません。

そして、そのあとに責める言葉が続いてしまうこと自体も、意志の弱さの証拠ではありません。それは、これまで自分をなんとかしようとしてきた結果、身についた反応でもあるからです。

ところで、こうした心のぐるぐるには、「気にしないようにしましょう」「早く切り替えましょう」という助言がよくかけられます。あなたもそういったことを言われた経験、ありませんか?

ただ私は、この種の助言やアドバイスは、いま実際に苦しんでいる人にとっては、正直なところ、あまり意味がないものだと思っています。「それができたら苦しんでないよ…」というような、いわゆる正論的なもの、ですね。

なぜかというと、気にしないようにするといったことを試してみてうまくいかなかったとき、今度は「切り替えられない自分」のほうが、新しい問題として増えてしまいがちだからです。

そしてもとの出来事は何も変わらないまま、それを気にしている自分への批判だけが積み上がっていく。

そうなると、上司から言われた言葉による傷つきに、自分自身への厳しい言葉まで加わります。職場を離れたあとも、頭の中では責められる時間が続いてしまうのです。

考えていることに気づくたびに、自分を励ましたり、前向きな言葉をかけたりしなければならないわけでもありません。

ですので、仮に今夜また、あの場面が浮かんできたとしても、そこで一度、区切ってみてください。

浮かんできたところまでが、出来事です。その先に続いた言葉は、出来事ではありません。あなたが自分に向けたものです。

うまく区切れなくてもかまいません。この二つが別のものだということを知っているだけでも、責める言葉のほうは、あなたが自分に向け続けなくてよいものになります。


「また考えている」と気づいて一度区切っても、頭の中にはまだいろいろなことが残っているかもしれません。紙へ出して整理してみたいときは、こちらの記事で具体的な方法を紹介しています。

▶︎ ひとり反省会が止まらない夜に、紙に書き出したい3つのこと

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