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【特別企画レポート】愛媛県立松山盲学校・松山聾学校のみなさんと映画鑑賞会を行いました(後編)

こんにちは。ハロームービー株式会社です!

更新まで少し時間が空いてしまいすみません…!
松山で実施した映画鑑賞会レポート、後編は先生方へのインタビューをお届けします。
当日どんなふうに体験が届いたのか。学校として何を大切にしているのか。
先生方の言葉から、たくさんの気づきがありました。
ぜひ最後までご覧ください!


前回のおさらい

前編では、愛媛県立松山盲学校・松山聾学校のみなさんと一緒に、シネマサンシャイン衣山で映画鑑賞会を行った当日の様子をレポートしました。
盲学校のみなさんには HELLO! MOVIEの音声ガイド、聾学校のみなさんには 字幕メガネ(XREALモデル) を体験いただき、上映後は感想発表会も実施しました。

点字毎日など、メディアにも掲載されました

今回の取り組みは、点字毎日新聞の点字版(2025年9月30日号)並びに活字版(第1384号)に掲載されました!
また、オンライン記事や松山盲学校・松山聾学校の公式サイトにも、当日の様子をご紹介いただいています。
よろしければぜひご覧ください。

「アプリで映画を体験」の記事が掲載されている点字毎日の表紙とハロームービーアプリのトップ画面。
念願の点字毎日に掲載していただきました!

愛媛新聞

愛媛経済レポート

愛媛県立松山盲学校

松山聾学校

深井校長先生にお聞きしました

早速インタビューをお届けします!
まずは松山盲学校の深井校長先生にお話を伺いました。

笑顔でインタビューを受ける深井校長の写真。
数々のメディア対応をこなし、さすがといった佇まいの深井校長。

「特別な誰かだけのものじゃない」——選択肢としての音声ガイド・字幕メガネ

―― 本日はありがとうございました。まず、今日の体験の印象をお聞かせいただけますか?

深井校長:
イヤホンと字幕メガネの両方を着けて体験しました。途中で外そうかとも思ったのですが、字幕メガネがあった方が人の名前などが分かりやすく、話の筋を追いやすかったので、結局最後まで使っていました。
これは特別な誰かだけのためのものではなくて、目が見えていても耳が聞こえていても、誰もが使える“自由な選択肢の一つ”として、とても良いのではないかと感じました。

―― 初めて観る作品だと、登場人物が分からなくなることもありますよね。

深井校長:
そうですね。初めて見る作品だと、登場人物が分からないこともあります。「炭治郎は分かるけれど、他のキャラクターは分からない」といったこともありますから。
私は今日、この体験を通して『鬼滅の刃』がどういう物語なのかが初めて分かりました。よかったです。

生徒さんたちの雰囲気

―― 今日の生徒さんたちの雰囲気はいかがでしたか?

深井校長:
いつもの通り落ち着いた雰囲気でしたが、感想を聞くと、それぞれに楽しんでいたようです。このツールの便利さも分かってくれたと思います。
ここを卒業して社会人になった時に、生活を楽しむための一つの方法として知っておいてほしい、という気持ちがあります。そういう意味でも、今日はとても良い機会だったと思っています。

―― 映画は観るけれど、音声ガイドの存在は知らなかった、という方もいらっしゃいましたね。

深井校長:
そうなんです。今日いらしていた新聞社の方も、最初に「字幕や音声ガイドの案内が出るんですね」とおっしゃっていました。
映画館には行くけれど、あまり気に留めていなかったので、知らない方はたくさんいらっしゃるのだと思います。

*一部の映画館では「この映画はHELLO! MOVIEに対応しています」という案内映像が流れています。

「知らない」と届かない。盲学校が担う情報提供

―― 当事者の方からは「そもそも情報のアクセス方法が難しい」とよく伺います。そういった実感はありますか?

深井校長:
そうですね。「知らない」ということがとても大きいんです。知ってしまえば何でもないことでも、そこにたどり着けない。
だからこそ、そうした情報提供を盲学校はしていかないといけないと思っています。

―― 盲学校では、どのように情報提供をされているのでしょうか?

深井校長:
ホームページなどでお知らせしています。
例えば、視覚に障害のある方にとって「音」はとても大事ですが、雨の日に傘に当たる雨音は、周りの音を邪魔してしまうことがあります。その対策として、雨音が静かな傘が販売されているのですが、そういった物の存在も伝えています。
今回のアプリのような便利なものがある、ということも、こちらから伝えていく必要がありますね。

「知っていて使わない」と「知らないで使わない」は違う

―― アプリを使ったり、映画館に行ったりすることへのハードルや障壁に感じることはありますか?

深井校長:
今の若い人たちは、アプリを使うこと自体には抵抗はないと思います。ただ、例えば字幕メガネも、使ってみないと本当の便利さは分かりません。「メガネ」と聞くと、視力が低い人が使うものというイメージですが、あのメガネはそれとは違いますよね。
実際に触れて初めて便利さが分かるけれど、言葉だけで分かってもらうのは難しい。その点で、今日の体験が少しでもお役に立てればと思います。

―― 娯楽の種類が制限されてしまう、というお話もありました。

深井校長:
制限されますね。映画が好きだった人も、いつの間にか行かなくなってしまう。
でも、使うか使わないかはご自身の選択です。「知っていて使わない」のと「知らないで使わない」のとでは大きく違います。知ったうえで、選択してほしいですね。
今日、子どもたちは体験して「知る」ことができました。これからは自分で選択できます。「この映画は使う」「今回は使わない」「この作品はツールを使っても難しいから原作を本で読もう」といったように。

―― まさしく、選択肢を増やすということですね。

深井校長:
はい。まずは使ってみてから判断する。「知っている」ということが大切だと思います。

―― 最後に、ハロームービーアプリを知らない方に向けて、メッセージをお願いします。

深井校長:
ぜひ、映画館で使ってみてください。障害があってもなくても、一度この楽しさを体験してほしいです。
こんなに素敵なアプリがあることを知って、私にとってはとても役に立つものでした。

深井校長先生、ありがとうございました!

阿部先生にお聞きしました

続いて、高等部普通科の阿部先生にお話を伺いました。

笑顔でインタビューを受けている阿部先生の写真。
笑顔がとっても素敵な阿部先生。

「音声ガイドを意識しないくらい自然だった」

――まず、本日の感想を教えてください。

阿部先生:
最初は、普段見ている作品に音声ガイドがつくことで、違和感があったり、作品への没入感がどうなるのかな、と思いながらスタートしました。
でも、見ているうちにだんだんと自然になじんできて、最後の方は、音声ガイドを使っていることを意識しないぐらい、作品の世界とマッチしていました。とても聞きやすかったです。
ナレーターさんの声のトーンも、その場面に合った語調で、まさに作品の一部として楽しむことができました。

―― 今回の『鬼滅の刃』は超大作ということもあり、音声ガイドもかなりクオリティの高いものになっていました。ナレーターの選定なども、制作側がかなりこだわって作っている作品でした。

阿部先生:
そうですよね。今日改めて「気づかなかったこと」がたくさんありました。
例えば、猗窩座が消えていく最後のシーンで、「少し上を見て…」というような説明が入っていたんです。普通に見ているだけでは気づかなかった描写も、「あ、そういう描写なんだ」と分かって、今日は2回目の鑑賞だったのですが、新しい発見がありました。

弱視の生徒にとっての「新しい選択肢」

―― 生徒さんも普段から『鬼滅の刃』の話をされていましたか?

阿部先生:
今日参加していた生徒の中にも、アニメや映画が好きな子が多くて、教室に猗窩座と恋雪の最後のシーンの絵を飾っていたり、「夏休みに映画を観に行ったよ」と話してくれたりしていました。
卒業生とも「『呪術廻戦』を観に行ったよ」など、映画の話をすることがよくあります。

ーー 一方で、映画は観るけれど「音声ガイドの存在は知らなかった」という生徒もいらっしゃいましたね。

阿部先生:
見え方が全盲に近い子にとっては、音声ガイドがあった方が断然分かりやすいので、普段から使っている生徒も多いと思います。
ただ、弱視の子は「いつも視覚に頼っているから、なくても見られる」と感じていて、使うきっかけがあまりないように思います。
でも今回、実際に使ってみて、「思ってたよりわかりやすかった」といってくれたのが良かったです。すごくいい経験になったと思います。
この経験をきっかけに、弱視の子が楽しむときの選択肢の一つとして、「使ってみようかな」と思ってくれたら良いですね。

アプリの操作性と、もっと広がってほしいという願い

阿部先生:
いつもアプリを使っているという生徒がいるのですが、何も言わなくても自然にアプリを開いて、接続の画面まで進めていました。その様子を見て、「音声でも操作しやすいアプリなんだな」と感じました。
私自身も家でダウンロードしてみましたが、迷うことなく作品を探せました。
生徒からは、「まだ音声ガイドが付いていない作品もあるので、もっとたくさんの作品に付いてくれたらいいな」という声もありました。人気作品から少しずつでも対応が広がっていったら、とてもありがたいと思います。

―― 普段、生徒さんが情報やエンタメにアクセスするときに感じていそうなハードルはありますか?

阿部先生:
今の子たちは情報機器の扱いが上手なので、自分でかなりいろいろ検索していると思います。ただ、もう少し年配の視覚障害のある方にとっては、検索そのものが大変なこともあると思います。
だからこそ、アプリやホームページで「検索しやすい形」になっているといいな、とは感じました。

また、上映中に音量を調整しようとすると、「周りから“スマホを触っている”と思われないかな?」と心配になる方もいるかもしれません。今日は本編前にハロームービーのCMが流れて、「スマホを使っている人はこういう機能を使っているんですよ」と伝えていただけたので、とてもありがたかったです。ああいう形で認知が広がっていくといいですね。

「映画の魅力を最大限に楽しめるアプリ」

―― 最後に、ハロームービーアプリを知らない方に向けて、メッセージをいただけますか?

阿部先生:
一人ひとりが、その映画の魅力を最大限に楽しめる。そんなアプリだなと思いました。

阿部先生、ありがとうございました!

おわりに

今回の映画鑑賞会、そして先生方へのインタビューを通して、
「知っているかどうかで、選べる世界が変わる」
ということを改めて感じました。
音声ガイドや字幕ガイドは、「観られない」を補うためだけのものではなく、作品をより深く楽しむための“選択肢”のひとつ。
今回の体験が、
「映画館に行ってみようかな」
「次はこの作品で使ってみようかな」
そんなきっかけになっていたら嬉しいです!

松山盲学校・松山聾学校の皆さま、ご協力いただいたシネマサンシャイン衣山さま、本当にありがとうございました!

おまけ

今回の松山訪問で何人もの方におすすめしてもらった杏仁豆富「艶」。
阿部先生のお墨付きもいただいたので、HELLO! MOVIEチームの3人全員で食べました。めちゃくちゃ美味しかったです!

また、今回の松山訪問で、先生方からタクシーの運転手の方まで、誰もがおすすめしていたみかんは「紅まどんな」でした。
筆者も食べたことがあるのですが、本当にゼリーみたいなんです!
食べたことない人はぜひ…!

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