当たり方が、変わった④/当たりが、弱くなったわけじゃない
違和感は、続いている。
治っていない。
でも悪化とも、言えない。
ただ、
世界への当たり方が、
以前と違う。
返事をするとき、
一拍遅れる。
相手の言葉は聞こえている。
意味も分かっている。
でも口が動くまでに、
何かが挟まる。
以前は、
聞いたら答えていた。
今は、
聞いてから、答える。
その間に何があるのか、
まだ分からない。
すれ違うとき、
体が一拍遅れる。
相手の動きは見えている。
どちらに寄るかも、分かっている。
でも動き出すまでに、
何かが挟まる。
ぶつかってはいない。
ただ、
よけてもらう形に、なっていることがある。
表情も同じだ。
笑おうとして、
笑うまでに、一拍ある。
前は、そこに間がなかった。
今は、
反応が先に出て、
自分があとからついていくこともある。
逆に、
自分はそこにいるのに、
反応だけが遅れてくる場面もある。
どちらなのかは、
場面によって違う。
以前は、
判断してから動いていた。
正しい反応というものが、
自分の中にあった。
考えなくても済んでいた。
信号が青になれば、足が出た。
声をかけられれば、口が動いた。
笑う場面では、笑えた。
反応と自分の間に、
間がなかった。
それが当たり前だと思っていた。
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