閑話/慣れてきた、と思う。けれど
最近、
慣れてきた、と思うことがある。
見え方のこと。
歩く速さのこと。
外に出るときの感覚。
前ほど、
毎回気になるわけではない。
不安が強い日ばかりでもない。
生活は、
だいたい同じリズムで回っている。
朝起きて、
外に出て、
用事を済ませて、
戻ってくる。
だから、
(もう大丈夫なのかもしれない)
そう思う瞬間もある。
それでも、
完全に自然かと言われると、
少し違う。
たまに、
自分の動きを意識する瞬間がある。
歩くとき。
立ち止まるとき。
足元を確認するとき。
何かが起きたわけでもないのに、
体が先に反応して、
頭があとから追いつく。
そのたびに、
ああ、と思う。
慣れたはずなのに、
考えている自分がいる。
無理をしている感じではない。
困っているわけでもない。
ただ、前と同じではないことを、
体のほうが、もう知っている。
慣れる、というのは、
忘れることではないらしい。
違和感を消すことでも、
慣らして平らにすることでもない。
違和感を抱えたまま、
生活の中に置き場所を作る。
そのまま、回していく。
たぶん、
明日も同じように過ごす。
特別な感情はなく、
でも、
完全には溶けないまま。
それでも、
ちゃんと一日は終わる。
今のところ、
それも含めて、
日々は進んでいる。
