“普通の休み方”が合わない人へ──休みは日数ではなく、“排熱条件”で決まる
ずいぶん前のこと、事情があってGWにしか休みが取れなかったことがあった。
仕事もかなり詰まっていたから、せっかくの休暇を無駄にしたくなくて、普段なら絶対に買わないような高い航空券を取って、海外に出ることにした。
でも、空港までの高速道路でもうだめだった。
渋滞の列に並んでいるうちに、僕の電池はほとんど切れた。
まだ出国もしていないのに、もう帰りたかった。
そのあとの休暇は、ほとんど消化試合。
満員で身動きの取りづらい飛行機。長い入国審査の列。
やっとホテルに着いたころには、観光する気力がほとんど残っていなかった。
結局、現地ではあまり外に出ず、ホテルに引きこもっていた。
せっかく海外まで来たのに、何をやっているんだろうと思った。
贅沢な休みのはずだったのに。
楽しいはずの休暇だったのに。
それなのに僕は、休暇で回復するどころか、休暇で消耗していた。
でも本当は、そのときにようやく分かった。
僕に足りなかったのは、休みの日数じゃなかった。
神経に溜まった”熱”、つまり疲れが抜ける条件のほうだった。
休みって、単に空白が増えれば成立するわけじゃないんだ。
自分の神経に合わない休み方をすると、二連休でも大型連休でも、身体はうまく冷えてくれない、そう実感した。
休みで壊れると、自分の要領の悪さに見えやすい
僕は長いあいだ、これを自分の性格の問題だと思っていた。
切り替えが下手なんじゃないか。
きっと僕は休み方が下手なんだ。
要領が悪いんだろう。
そうやって、自分の側に原因を置いて片づけていた。
たしかに、世の中には休みの日に外へ出て、人に会って、予定をいくつかこなして、それでも月曜にちゃんと仕事に戻れる人がいる。
だから余計に、自分だけが変なんじゃないかと感じやすい。
でも、GWの旅行で見えたのは別のことだった。
僕が弱かったわけじゃなく、世間で”普通”とされている休日の形と、僕の神経の仕様が合っていなかっただけだった。
ここを取り違えていた以前の僕は、休みのたびに反省会が始まっていた。
ちゃんと休めなかった。
切り替えられなかった。
自分は何をやっても、休むことでさえ下手なんだ、と。
でも本当は、その前に見るべきものがあった。
それが、どんな負荷で疲れが溜まり、どんな条件だと疲れが抜けるかだ。
空白があっても、神経は勤務中のままなことがある
休みというと、僕たちはつい日数で考える。
一日休んだ。二連休だった。大型連休を取った。
でも僕たちの神経からしたら、カレンダーなんか知ったことではない。
人の多さ。
移動の長さ。
仕事の返事を待たせている感じ。
何をするか決め続けること。
相手の空気を読んでいる時間。
こういうものが多いと、身体は休みでも、神経だけずっと勤務中のままになる。
だから「何もしていないのに疲れた」って思う休日があっても、それは矛盾ではない。
むしろ、休みの日なのに見えにくい負荷を細かく拾い続けていたのかもしれない。
まずは、小さな見直し
もしあなたが「ちゃんと休んでるはずなのにリフレッシュできてないな」と感じているなら、次の休みで一つだけ確認してほしい。
その休みは、神経を冷やせていただろうか。
予定の数だけを見ると、たぶんうまく行かない。
それよりも、
人の多い場所に長くいたか
判断することが多かったか
相手の反応を拾い続けたか
帰宅後も神経が休まらなかったか
こっちの方が休みの本質に近い。
次の休みの終わりに、「今日は休めたか」ではなく、「今日は冷えたか」と一回だけ聞いてみてほしい。
それだけでも、「自分がだめなんだ」という反省会は少し止まる。
次に見るべきなのが、性格ではなく、熱のこもり方だったと分かるからだ。
ここまでは、なぜ休んでも戻らないのかの話を書いた。
ここから先では、僕が休みを壊しながら見えてきた「休みをぶち壊しにする”熱源”の分け方」と、「次の休みを崩れにくくする運用」を書く。
「また休めなかった」で終わらないために、何が”熱源”で、何を減らせばいいのか。
ここから先は、そのための話になる。
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