見出し画像

日本国憲法 第33条を分かりやすく解説



①人の自由を奪う「逮捕」には、厳しいルールがあります

私たちは、ふだんの暮らしの中で、
「逮捕」という言葉をニュースなどで耳にすることがあります。

でも、逮捕というのは、
ただ「疑いがある人を捕まえる」というだけの話ではありません。

逮捕は、
その人の身体の自由を奪う、
とても重大な行為です。

自由に歩くこと。
家に帰ること。
自分の意思で生活すること。

そうした当たり前の自由が、
一時的にでも制限されることになります。

だからこそ、
国や捜査機関が、
自由を奪う力を勝手に使ってはいけません。

日本国憲法第33条は、
人を逮捕するためには、原則として、
理由となる犯罪を明示した令状が必要だと定めています。
ただし、現行犯として逮捕される場合は例外とされています。(国立国会図書館)

私は、この第33条にも、日本国憲法の大切さが表れていると思います。

なぜならこの条文は、
「疑いがある」というだけで、
人の自由を簡単に奪ってはいけない、
という大切な考え方を示しているからです。


②第三十三条〖原文〗

何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、
権限を有する司法官憲が発し、
且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。

口語訳

だれであっても、
現行犯として逮捕される場合を除いて、
権限のある司法機関が出した、
理由となる犯罪をはっきり示した令状がなければ、
逮捕されることはありません。

解説

第33条は、
人を逮捕するときの大切なルールを定めた条文です。

ここで大切なのは、
逮捕には原則として「令状」が必要だということです。

誰かが一方的に、
「この人は怪しい」
「この人を捕まえた方がよい」
と判断するだけでは、
人を逮捕することはできません。

逮捕するには、
なぜ逮捕が必要なのか、
どのような犯罪の疑いがあるのかを示し、
権限をもつ司法官憲が発した令状にもとづく必要があります。

これは、人の自由を奪う判断を、
捜査する側だけに任せないための仕組みだと思います。


③この条文が伝えていること

疑いだけで、人の自由を奪ってはいけないということ

第33条を読むと、
憲法がどれほど「身体の自由」を大切にしているかがわかります。

人は、疑われただけで、
すぐに自由を奪われてよい存在ではありません。

もちろん、犯罪を捜査することは、
社会の安全を守るために必要です。

しかし、
そのためであっても、
人の自由を制限するには、
きちんとした手続が必要です。

第33条は、
「捜査の必要性」と、
「一人ひとりの自由」を、
きちんと分けて考えるための条文だと思います。

私は、この条文には、
どんなときでも人を人として扱い、
権力の行き過ぎを防ごうとする考え方が込められていると感じます。


④「令状」が大切な理由

逮捕する側だけの判断にしないため

第33条の中でも、特に大切なのは、
「令状によらなければ、逮捕されない」
という部分です。(国立国会図書館)

令状とは、
逮捕の理由や必要性を確認したうえで出される、
正式な手続のための書面です。

この令状が必要とされることで、
逮捕する側が、
自分たちの判断だけで人の自由を奪うことを防ぐことができます。

もし令状が必要なければ、
権力を持つ側が、
都合の悪い人を簡単に捕まえることができてしまうかもしれません。

それは、とても危険なことです。

だからこそ、
逮捕には、
外からの確認と、
法律にもとづいた手続が必要なのです。

手続は、ただの形式ではありません。

人の自由を守るための歯止めであり、
権力が強くなりすぎないための大切な仕組みなのだと思います。


⑤「現行犯」はなぜ例外なのか

目の前で犯罪が行われている場合には、すぐに対応する必要があるから

第33条には、
「現行犯として逮捕される場合を除いては」
という言葉があります。(国立国会図書館)

現行犯とは、
まさに犯罪が行われているとき、
または犯罪が行われた直後であることが明らかな場合をいいます。

このような場合には、
令状を待っている間に、
逃げられてしまったり、
被害が広がってしまったりすることがあります。

そのため、
現行犯の場合には、
令状がなくても逮捕できる例外が認められています。

ただし、ここでも大切なのは、
あくまで「例外」だということです。

原則は、
令状がなければ逮捕されない。

その原則があるからこそ、
例外も慎重に考えられる必要があります。

私は、この部分にも、
憲法が自由と安全のバランスを大切にしていることが表れていると思います。


⑥なぜこの条文が大切なのか

「疑われた人」も、自由と尊厳をもつ一人の人間だから

第33条が大切なのは、
この条文が、
「疑われた人」も人として守られるべき存在だと示しているからです。

犯罪の疑いをかけられると、
社会の目はとても厳しくなることがあります。

でも、疑われていることと、
有罪であることは同じではありません。

だからこそ、
疑いがある段階で、
人の自由を簡単に奪ってはいけないのです。

逮捕という強い力を使うときには、
その理由を明らかにし、
法律にもとづいた手続を踏む必要があります。

それは、
被疑者を特別に優遇するためではありません。

私たちの誰もが、
理由もわからないまま、
突然自由を奪われることのない社会を守るためです。

私は、第33条は、
人の自由と尊厳を、
強い権力から守るための条文だと思います。


⑦第31条・第32条とのつながり

第31条は、
国が人の生命や自由に関わる重大なことをするときには、
法律で定められた手続によらなければならない、
という条文でした。

第32条は、
だれであっても、
裁判所で裁判を受ける権利を奪われない、
という条文でした。

そして第33条は、
人を逮捕するという、
身体の自由を奪う場面について、
さらに具体的なルールを定めています。

つまり、
第31条が「手続を守ること」の大切さを示し、
第32条が「裁判を受ける道」を保障し、
第33条が「逮捕には令状が必要」という形で、
自由を守る仕組みを具体的に示しているのだと思います。

この三つの条文は、
どれも別々のように見えて、
根底ではつながっています。

国の力を、
人の自由を守るために、
きちんとルールでしばること。

それが、日本国憲法の大切な考え方なのだと感じます。


⑧日本国憲法が大切だと思う理由

強い権力に、きちんとブレーキをかけているから

日本国憲法の大切さは、
自由や権利を美しい言葉で語っていることだけではないと思います。

第33条のように、
国が強い力を使う場面に、
具体的なルールを置いていることにも、
大きな意味があります。

逮捕は、
人の自由を直接奪う、とても強い行為です。

だからこそ、
そこには慎重さが必要です。

理由を明らかにすること。
令状にもとづくこと。
勝手な判断で人を捕まえないこと。

こうしたルールがあるからこそ、
私たちは安心して暮らすことができます。

私は、第33条を読むと、
日本国憲法は、
国民をただ従わせるためのものではなく、
国の力をしばり、
一人ひとりの自由を守るためのものなのだと感じます。


⑨まとめ

第33条を、できるだけやさしく言いなおすと、こうなると思います。

だれであっても、
現行犯の場合を除いて、
きちんと理由が書かれた令状がなければ、
逮捕されることはありません。

この条文は、
人の身体の自由を奪う逮捕という行為に、
厳しいルールを設けています。

私は、第33条もまた、
日本国憲法が大切である理由を教えてくれる条文のひとつだと思います。

なぜならこの条文は、
「疑いがある」というだけで、
人の自由を簡単に奪ってはいけない、
という大切な考え方を示しているからです。

自由は、
当たり前にあるようでいて、
強い権力によって簡単に傷つけられることがあります。

だからこそ、
逮捕には令状が必要であり、
理由が明らかにされなければならない。

そのことを、第33条は、
短い言葉で、
とても重く、
私たちに伝えているのだと思います。


参考引用元

・国立国会図書館「日本国憲法」
・e-Gov法令検索「日本国憲法」

いいなと思ったら応援しよう!

おれんじ よろしければ応援お願いします! いただいたチップは日本国憲法を守る活動などに使わせていただきます!