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ショートショート 狐火バーベキュー

 バーベキューはどうかという話になった。年に一度の狐たちの寄り合いだ。
 もちろん生肉でも十分事足りる。けれど狐たちはゆっくりと食事をしたかった。皆で人間のふりををすれば追い出されたり捕まえられたりしないだろう。
「火を使うんじゃ怖くないかい」
 一番長老の狐が言った。毛並に燃え移りでもしたら大変だ。
「あたしにいい考えがあるよ」
 化け上手の狐が手を挙げる。ふう、と息を吹くと青い火の玉が宙に浮いた。狐火というやつだ。
「こりゃあいい」
 狐たちみんながそう言った。燃え上がりにくいし、消えにくい。おまけに熱くもならない。火で炙るまねだけしてみな生肉に齧り付く。なんだかんだ生の方が好きなのだ。
「このBBQおかしくない? 焼けてない!」
 その様子を写真に撮ってSNSに投稿した人間が出た。狐たちが気づいて慌てて揉み消そうとしたけど後の祭り。尾鰭がついて拡散された。炎上だ。
「人間の火は始末に困るな」
 長老が眉間に皺を寄せて呟いた。


ショートショート No.761

たらはかに(田原にか)さんの毎週ショートショートnoteに参加しています。
今週のお題は「狐火バーベキュー」です。


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