ヒデキとゴローの自分オバケ探しの旅
ヒデキ「なあ、ゴロー」
ゴロー「はい、ヒデキさん?」
ヒデキ「おまえの『自分オバケ』を見せてみろっ!」
ゴロー「えっ? 自分……オバケ?」
ゴロー「あの、それって背後霊とかスタンドの類のことをおっしゃってるんですか?」
ヒデキ「とにかく、おまえの自分オバケを見せてみろと言ってるんだ……オレはっ!」
ゴロー「ぼくの自分オバケって、見えるものなんですか?」
ヒデキ「……ん?」
ヒデキ「おまえの自分オバケはどこ行った?」
ゴロー「知りませんよ。ぼくの自分オバケ、どこか行っちゃったんですか?」
ヒデキ「よく探してみろ……そうだな」
ヒデキ「口の中の……ほら、上あごの内側あたりにへばりついてたりするんじゃないのか?」
ヒデキ「ただちに舌ベロで確認してみろっ!」
ゴロー「……」
ゴロー「いませんでしたっ!」
ヒデキ「おまえの自分オバケは、どうやらいなくなった。逃亡した」
ゴロー「人は自分用のオバケを持ってないと、大変なことになるとかなんとか言ってる人がいましたが」
ヒデキ「『人はみな自分専用の自分オバケを持たないことには人生持たなくなる』」
ヒデキ「ゴロー、それはオレが打ち立てた学説だ……そして正しいっ!」
ゴロー「えっ、だとしたら、ぼくは……?」
ヒデキ「ぼっち!」
ヒデキ「おまえは今、自分オバケを持たぬ丸腰の、自分ぼっち状態だっ!」
ゴロー「そんな……」
ヒデキ「よって、おまえはただちに『自分オバケ探しの旅』に出発するべきだっ!」
ゴロー「でも、ぼくの『自分探しの旅』って、具体的にどの辺を探せばいいのか見当もつかないんですが」
ヒデキ「違うっ! 『自分』と『探しの旅』の間に、『オバケ』を入れろ」
ヒデキ「『自分オバケ探しの旅』だっ!」
ゴロー「……ああ、はい」
ヒデキ「幸いなことに、オレの有給はけっこうたまっているっ!」
ゴロー「えっ、ヒデキさんもいっしょに探してくれるんですか?」
ヒデキ「時間は湯水のようにあるっ!」
ゴロー「ありがとうございます、ヒデキさん」
ヒデキ「なあに、おまえの自分オバケの居場所の見当はついてる」
ゴロー「そうなんですか?」
ヒデキ「よし、おまえの自分オバケを箱根小涌園ユネッサンに探しに行くぞっ!」
ゴロー「なぜか知りませんが、ぼくの自分オバケを箱根小涌園ユネッサンに探しに行きましょうっ!」
スタタタタタタタタタッ!
(終)

