関西発祥!?「納豆の日」の意外すぎる歴史と水戸市の熱すぎる執念
日本の食卓に欠かせない発酵食品の代表格「納豆」。独特の香りとネバネバとした食感が特徴で、健康食品としても非常に高い人気を誇っています。そんな納豆には、毎年7月10日の「納豆の日」をはじめ、知る人ぞ知る面白い歴史やデータが存在します。今回は、納豆の日の意外な発祥地から、歴史的起源、消費量を巡る都市間のデッドヒートまで、納豆にまつわる雑学を詳しく解説します。
1. 「納豆の日」の由来と歴史:実は関西から始まった?
「納豆の日」は毎年7月10日です。その由来は非常に分かりやすく、「なっ(7)とう(10)」の語呂合わせからきています。
しかし、この記念日がどのようにして誕生したかをご存知でしょうか?実は、納豆の本場とされる東日本ではなく、当時は納豆を食べる習慣があまりなかった「西日本(関西)」が発祥の地なのです。
関西限定から全国区へ
1981年(昭和56年):関西納豆工業協同組合が、関西地方での納豆の消費拡大を目的に、まずは「関西限定の記念日」として7月10日を「納豆の日」と制定しました。当時、関西では納豆を敬遠する人が多く、「苦手な人が多い関西だからこそ、もっと納豆を親しんでもらいたい」という普及活動の一環として始まりました。
1992年(平成4年):全国組織である全国納豆協同組合連合会(略称:納豆連)が、改めて7月10日を「全国的な記念日」として制定しました。これにより、日本全国で納豆の日が広くアピールされるようになりました。
2022年(令和4年):納豆の名産地として名高い茨城県水戸市が、さらなる消費拡大と首位奪還を狙い、なんと条例によって7月10日を「納豆の日」と定めました。自治体が条例で定めるほど、水戸市にとって納豆は重要なブランドなのです。
2. もう一つの記念日「糸引き納豆の日」
実は、納豆に関する記念日は7月10日だけではありません。1月10日は「糸引き納豆の日」とされています。
制定者:全国納豆協同組合連合会
由来:「い(1)と(10)」の語呂合わせ。
背景:1月という受験シーズンに合わせ、糸引き納豆の特徴である「粘り強さ」にあやかり、「受験生に粘り強く頑張って合格を勝ち取ってほしい」という祈念の意味が込められています。受験生の夜食や朝食に納豆を食べるのも縁起が良いとされています。
3. 納豆の歴史と起源:お寺から偶然生まれた?
納豆の歴史は非常に古く、その発祥にはいくつかの面白い説があります。
語源は「お寺の台所」
「納豆」という言葉の語源として最も有力なのが、寺院における出納を行う場所である「納所(なっしょ)」です。お寺の納所で僧侶たちが食べるために作られていた大豆の貯蔵食が、やがて「納所の豆」から「納豆」と呼ばれるようになったと言われています。当時の僧侶は肉食を禁じられていたため、納豆は貴重なタンパク源でした。
文献における最古の記録
納豆という言葉が日本の文献に初めて登場するのは、11世紀半ば(平安時代中期)のことです。儒学者である藤原明衡(ふじわら の あきひら)が著した、当時の京都の世相や風俗を描いた『新猿楽記(しんさるごうき)』の中に、精進物の一つとして「納豆」という言葉が確認されています。
偶然から生まれた起源の諸説
納豆の誕生は、人工的に狙って作られたものではなく、自然界の「偶然の産物」であったとされています。
弥生時代説:弥生時代の竪穴式住居では、炉の近くに藁(わら)が敷かれていました。そこに温かい煮豆がこぼれ落ち、藁に付着していた天然の「納豆菌」によって自然に発酵し、糸を引く納豆ができたという説です。
平安時代(源義家)説:平安時代後期の武将・源義家(みなもとのよしいえ)が、現在の秋田県周辺での戦い(後三年合戦)の際、馬の飼料にするための煮豆を急いで藁で包んで運ばせました。数日後、開けてみると、煮豆が発酵して糸を引いていました。これを食べてみたところ非常に美味しかったため、将兵の間で広まったという伝説です。
4. 納豆を広める組織と「納豆クイーン」
納豆の普及を支えているのが、東京都荒川区に本部を置く全国納豆協同組合連合会(納豆連)です。納豆連は、納豆のイメージアップや消費拡大のために、ユニークな活動を行っています。
「納豆クイーン」「納豆キング」
2002年から、納豆連は「納豆の普及に貢献した著名人」や「納豆愛に溢れる有名人」を「納豆クイーン」または「納豆キング」として表彰しています。
初代(2002年度):菊川怜
歴代の主な受賞者:上戸彩(2004年)、佐藤藍子(2004年)、華原朋美(2005年)、眞鍋かをり(2007年)、和田アキ子(2008年)、松岡茉優(2016年)、岡田結実(2017年)、永井大(2003年・キング)、谷原章介(2005年・キング)など。
また、2005年度からは、全国を回って納豆をPRする親善大使として「ミス納豆」も選出されており、華やかなPR活動が行われています。
5. 家計調査に見る「納豆消費量」の激しいバトル
「納豆といえば水戸」というイメージが強いですが、実は総務省の家計調査(2人以上の世帯における年間納豆購入額)を見ると、水戸市は常に1位というわけではありません。東北地方の都市と激しいデッドヒートを繰り広げています。
近年の年間購入額ランキング(県庁所在地・政令指定都市)
2021年の結果
福島県福島市(6,157円)
山形県山形市(6,111円)
茨城県水戸市(6,041円)
※全国平均:4,037円
2023年の結果
岩手県盛岡市(6,810円)
秋田県秋田市(6,539円)
茨城県水戸市(6,450円)
※全国平均:4,368円
驚くべきことに、水戸市は近年3位に甘んじています。東北地方は寒冷な気候も手伝ってか、伝統的に納豆の消費量が非常に多い地域です。これに対し、名産地としてのプライドをかけた水戸市は、2022年に「納豆の日」を条例で制定するなどして、市民の消費喚起と首位奪還に向けて熱いキャンペーンを行っています。
6. おまけ:納豆パックのフィルムを綺麗に剥がす裏技
納豆パックのフィルムを剥がす際に、糸を引いて手が汚れてしまうのは小さなストレスです。ここで、簡単に綺麗に剥がせる裏技を紹介します。
「トルネード(回転)法」
パックの端からフィルムを少しだけ出し、箸でフィルムの真ん中を刺します。そのまま箸をぐるぐると回すと、フィルムが箸に巻き付き、糸を引かずにきれいに回収できます。「スライド(引き抜き)法」
パックのフタを一度閉め、フタの隙間からフィルムの端を引っ張ってスライドさせて引き抜きます。パックのフタが余分なネバネバをこそぎ落としてくれるため、手が汚れません。
ぜひ、次回の納豆ご飯の際にお試しください。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます! 