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「好き」で選んだ仕事なのに、なぜ苦しいのか。『無理』から見つける仕事



1:好きで選んだ仕事に無理を感じている人の心情

好きな仕事に就けたはずなのに、なぜか苦しい。

最初は楽しかった。 新しいことを覚えるのも楽しかったし、好きなことを仕事にできる喜びもあった。 それなのに、気づけば朝起きるのがつらい。

職場に向かう足取りは重くなり、休みの日も仕事のことが頭から離れない。

「好きな仕事なんだから、頑張らなきゃ」 「せっかくここまで続けたんだから」 「みんなも頑張っているんだから」

そんな言葉で自分を励ましながら、なんとか前に進おうとする。 しかし、心のどこかでは気づいている。

「何かが違う」

好きなはずなのに苦しい。でも、その理由が分からない。 理由が分からないから、解決方法も分からない。

だから多くの人は、 「自分の努力が足りないのかもしれない」 「もっと頑張れば乗り越えられるかもしれない」 と考える。

そしてさらに頑張る。 けれど、頑張っても苦しさは消えない。むしろ大きくなっていく。 そんなとき人は、自分が弱いからだと思ってしまう。

本当は違うかもしれないのに。

もしかすると問題は、「好きな仕事を選んだこと」ではなく、その奥にある「見えていなかったもの」にあるのかもしれない。

2:見えているようで、見えていないかもしれない

好きな仕事なのに苦しい。そんなとき、多くの人は自分を疑います。 「もっと頑張れば乗り越えられるのではないか」そう考えて、さらに頑張ろうとする。

しかし、その前に一度、立ち止まって考えてみてほしいのです。 本当に問題は自分なのだろうか、と。

もしかすると、見えているつもりで見えていないだけかもしれない。

好きなものには不思議な力があります。「実際よりも大きく、魅力的に見せる力」です。 魅力的な部分はより強調され、その裏にある欠点やリスクは驚くほど見えにくくなる。それは仕事も、人間関係も、まったく同じ構造です。

好きな人の短所が気にならなくなるように、好きな仕事の欠点も見えにくくなる。 そして私たちは、「好きだから、多少のことは大丈夫」と思い込んでしまうのです。

しかし、その「好き」の後ろに、自分にとっての決定的な無理が隠れている場合があります。

  • 長時間拘束されること

  • 常に他人の期待に応え続けること

  • 自分の時間を自由に使えないこと

  • 人間関係の調整をし続けること

仕事そのものは好きでも、その周辺にある「条件」が自分に合わないことは、決して珍しくありません。 それなのに私たちは、「好きなんだから頑張ろう」と、自分を合わせにいってしまう。

これはまるで、ピントの合っていない眼鏡をかけたまま、「もっともっと慎重に、足元をよく見て歩こう」としているようなものです。

本当に必要なのは、歩き方を変えること(根性)ではありません。眼鏡のピントを合わせること(構造の把握)です。

まず必要なのは、「自分は見えていないかもしれない(好きの拡大レンズがかかっている)」と認めること。 見えていないことに気づいたとき、初めて正しく見ようとすることができる。

好きな仕事が合わなかったのではない。 好きな仕事の中に隠れていた、「自分にとっての無理」の輪郭が見えていなかっただけなのです。

3:ピントの合わせ方。違和感は、あなた専用の視力検査

眼鏡を作るとき、一回でぴったり合うレンズは見つかりません。 「こちらとこちら、どちらが見えやすいですか?」そう聞かれながら、何度もレンズを交換し、少しずつ比較しながら自分に合うレンズを探していきます。

仕事も全く同じです。 自分に合う働き方や環境は、頭で考えるだけでは分かりません。実際に経験しながら、「これは合う」「これは合わない」というデータを集めていく必要があるのです。

多くの人は、「好きか嫌いか」で仕事を選ぼうとします。 しかし、本当に役立つのは、「どんな時に、どんな違和感を感じるか」を冷静に観察すること。

違和感は失敗ではありません。自分に合うレンズを探すための、大切なあなた専用のデータです。

【時間】に関する違和感

  • 朝決まった時間に出勤することが、体質的に苦痛

  • 自由に休めない、自分の予定を他人に決められることがつらい

  • 勤務時間中、常に自分の身を拘束されている感覚がある

【人間関係】に関する違和感

  • 常に誰かと一緒にいる環境だと、脳のHPがゴリゴリ削れる

  • 雑談が多い職場や、気を遣い続ける環境が苦手

  • 理不尽な指示、納得のいかない同調圧力に従うことが苦しい

【仕事の進め方】に関する違和感

  • 細かく管理されるとやる気がなくなる(自分で考えたい)

  • マニュアル通りの作業ばかりで退屈、または逆に曖昧すぎて何をすべきか分からない

 【評価・仕事内容・価値観】に関する違和感

  • プロセスや本当に価値があることではなく、「結果や売上だけ」で評価される

  • 作業自体は好きなのに、営業や保護者対応などの「周辺業務」で消耗する

  • 誰かの利益のためだけに、自分の大切な時間を切り売りすることに意味を感じない

違和感が見つかったら、「自分はダメなんだ」と責めるのをやめてください。 「これは、今の自分には合わない度数のレンズなんだな」と考えればいい。

仕事選びは、「好き」を探すゲームではありません。 まずは、自分に合わないレンズを一つずつ除外していく「引き算の作業」なのです。

4:違和感を外し続けた先に見えたもの

実は私は、昔から「好き」で仕事を選ぶタイプではありませんでした。 むしろ逆です。自分が「嫌だ」「無理だ」と思うものを、慎重に避けながら仕事を選んでいました。

新卒採用のときも、みんなと同じようには就職活動をしませんでした。 合同説明会で出会うような、キラキラした会社。活気にあふれ、自信に満ちた社員たち。多くの人はそこに魅力を感じるのでしょうが、私にはまぶしすぎた。

だから私は、派手さはないけれど、落ち着いている老舗の会社を選びました。その方が、自分には合っている気がしたからです。

毎朝の満員電車も嫌でした。人に押し込まれながら通勤する生活を想像しただけで気が重くなったので、私はわざわざ、上りではなく「下り電車」で通える職場を選びました。

職種も同じ。営業のように自分からぐいぐい人に働きかける仕事は苦手だったから、事務職を選びました。

こうして私は、自分が嫌だと思うものを一つずつ避けながら働いてきました。しかし、それでもなお、満足していなかった。

そこで次に考えました。 「通勤が嫌なら、家で仕事をすればいいのではないか」

実際に在宅で仕事を始めました。クラウドワークスなどで案件を受け、自宅で働く。 通勤はない。職場の人間関係もない。自分で仕事を選ぶこともできる。以前感じていた違和感の多くは、確かに解消されたはずでした。

それでも、まだ何かが違った。

そして、いくつものレンズを外し続けた結果、ようやく気づいたのです。

私が本当に嫌だったのは、通勤ではなかった。 事務職でもなかった。会社という組織でもなかった。

私が嫌だったのは、「自分の時間を、他人のために切り売りすること」だった。 もっと正確に言えば、「自分の時間の主導権を、自分以外に握られている状態」そのものが、耐えられなかった。

どんなに好きな仕事でも、どんなに条件が良くても、「この時間はここにいて、この仕事をしてください」と他人にコントロールされることに、私は猛烈な反発を感じていたのです。

私は長い時間をかけて、自分の違和感を探し続けました。

満員電車を避けた。 営業職を避けた。 職場の人間関係を避けた。 通勤そのものを避けた。

そうやって、合わないレンズを一枚ずつ外していった結果、最後にぽつんと残った事実。それは、「私が本当に求めていた働き方は、求人情報(既存の枠組み)には載っていなかった」という事実でした。

業界でも、会社でも、職種でも、給料でも、在宅勤務という形ですらなかった。 私が探していたのは、「どこで働くか」ではなく、「どんな状態で生きたいか」だったのです。

だから、本当に満足できる働き方は、すぐには見つかりません。求人票の中から選ぶだけでは、見つからないこともある。

むしろ、「なんか違う」という違和感を丁寧に集めていく中で、消去法のように少しずつ、本当の自分の輪郭が見えてくるものなのだと思います。

そして、その答えは誰も教えてくれません。 会社も、学校も、キャリアカウンセラーも、適職診断も。

なぜなら、自分にとって何が「無理」なのかを知っているのは、世界中で自分だけだからです。

好きな仕事を探す前に、自分にとっての「無理」を正確に特定する。 その方が、一見遠回りに見えて、実は圧倒的な近道なのです。

違和感を一つ見つけるたびに、あなたの眼鏡のピントは少しずつ合っていく。そしていつか、「好きな仕事を見つけた」ではなく、

「自分に合う生き方が見つかった」

と思える日が来るかもしれない。焦らなくていい。
答えは誰かが教えてくれるものではなく、自分の違和感の中に隠れているのだから。


この記事は【人生を100倍面白くするロードマップ】の、
第二ステージ 快適になりたい人向け。快適な人生を作る旅。のレベル5にあたります。
  レベル4自分の設計図を知る
レベル5違和感を削る


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