【第17回】相談支援専門員が足りない、という構造問題〜担当人数の上限はどこに?〜
「もう、これ以上は受けられません」
正直、何度もこの言葉を口にしてきました。今日は、相談支援専門員という仕事が抱える、いちばん根本的な問題について書きます。
担当人数には、上限がある
相談支援専門員一人が担当できる利用者数には、基準があります。
これは、利用者一人ひとりに対して、計画作成・モニタリング・関係機関との調整を丁寧に行うための基準です。質を保つための、必要な仕組みです。
でも、需要は増え続けている
医療的ケアが必要な子ども・成人の数は、年々増えています。
一方で、相談支援専門員になれる人の数は、それに追いついていません。
• 資格取得までのハードルが高い(第14回参照)
• 単価が決して高くない仕事である(第13回参照)
• 専門性が高い分、新しく担い手が増えにくい
この結果、「担当してくれる相談支援専門員が見つからないという相談を、私自身、何度も受けています。
「受けられない」と言うことの重さ
新規の相談を受けるとき、いちばん心が痛むのは、断らなければならない場面です。
「医療的ケアが必要で、対応できる相談支援専門員を探しています」というご家族からの連絡に、「今は担当人数が上限で、お受けできません」と答えるしかないとき。
これは、単に「忙しいから無理」という話ではありません。支援が必要な人に、支援が届かないという、構造そのものの問題です。
質と量、両方を求められる矛盾
相談支援専門員には、丁寧な支援(質)と、より多くの利用者への対応(量)の、両方が求められています。
でも、この二つは本質的に矛盾します。
• 担当人数を増やせば、一人ひとりへの丁寧さは犠牲になる
• 丁寧さを保てば、対応できる人数は限られる
この矛盾を、現場の相談支援専門員一人ひとりが、それぞれの判断で抱え込んでいるのが今の状況だと感じています。
担い手を増やすために、できること
構造的な問題を、自分一人で解決することはできません。でも、できることはあります。
• 喀痰吸引等研修の講師として、医療的ケアに対応できる支援者を増やすことも今後のビジョン
• 看護師など、他の専門職から相談支援専門員へのキャリア転換を後押しする
• この仕事のリアルを、noteなどで発信し続ける
担当人数を一人で増やすことはできなくても、「相談支援専門員になる人」を増やすことには、貢献できるかもしれません。
それでも、この仕事を続ける理由
構造的な問題ばかり書くと、後ろ向きに聞こえるかもしれません。
でも、私がこの仕事を続けているのは、「支援が届いたときの変化」を、何度も見てきたからです。
担当人数の上限という制約の中でも、一人ひとりに向き合うことを諦めたくない。そして、この仕事の担い手を、少しでも増やしていきたい。
そう思いながら、今日もこの仕事を続けています。
