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126案のうち10社に選出。がんケトン食研究から生まれた、脂肪肝への新たな挑戦

関西みらいベンチャーアワード「みらいWay」のファイナリストとして登壇しました


2026年6月18日、グランフロント大阪 ナレッジシアターで開催された第3回「関西みらいベンチャーアワード『みらいWay』」に登壇しました。第3回となる今回は、126案の応募の中から10社がファイナリストとして選ばれ、ヘルスクリエイトも最終ピッチの場に進むことができました。
今回、私たちが発表したテーマは、
「がんの食事療法として研究してきたケトン食から生まれた、MASLD(脂肪肝)への新たなアプローチ」です。
これまで研究や臨床の現場で積み重ねてきたこと、そしてそれをどのように社会へ届けていきたいのかをお話しし、優良賞をいただきました。
私たちにとって何より大きかったのは、126案の中から10社に選んでいただき、最終審査の場でケトン食療法における「脂肪肝」という新しいテーマをお伝えできたことでした。
ケトン食療法は、まだ一般に広く知られているとは言えません。
一方で脂肪肝については、近年患者数が増加し続け、大きな健康課題として注目されており、身近なメディアでも取り上げられる機会が増えています。しかし、健康診断で指摘される身近な病態でありながら、その本当のリスクや、糖尿病・心筋梗塞など全身の健康との関係については、まだ十分に理解されていません。
だからこそ、今回のような場で、ケトン食が本当に多くの方の健康を守る選択肢の一つになり得ること、そしてその可能性を広くお伝えできたことは、とても意義のある機会でした。

がんの食事療法研究から見えてきた、脂肪肝への可能性

発表の様子

私たちの取り組みの出発点は、がん領域におけるケトン食療法の研究と実践です。
そして研究を続ける中で、私は当初想定していなかった興味深い変化に気づきました。がん患者さんへのケトン食療法の実践において、がん領域での効果だけでなく、肝機能の改善や脂肪肝に関連する指標にも良好な変化が見られるケースが複数確認されたのです。
つまり、がんの食事療法として研究してきたケトン食が、脂肪肝にも有用である可能性が見えてきました。
この発見をきっかけに、私たちはケトン食療法の知見を脂肪肝領域へ応用する研究を進めてきました。その成果として、脂肪肝に対するケトン食療法に関する技術について、2025年に日本で特許を取得し、さらに2026年6月には米国でも特許を取得することができました。
私は内科医として長年、患者さんと向き合ってきました。その中で何度も感じてきたのは、病気はある日突然、その人の健やかな日常を奪ってしまうということです。
もちろん、病気になってから治療することは大切です。けれど同時に、病気になる前の段階で体の変化に気づき、日々の食事や生活を通じて、健やかな状態をできるだけ長く保つことも、とても重要だと考えています。
脂肪肝は、肝臓だけの問題ではありません。積み上げられたデータで、脂肪肝を併発すると心筋梗塞や脳卒中、そしてがんなどの全身のさまざまな疾患につながることが明らかになっています。脂肪肝に早い段階から向き合うことは、将来的な病気のリスクを減らし、いわゆる予防医療につながり、多くの方の健やかな日常を守ることにもつながります
今回、日本と米国という大きな市場で特許という知的財産として認められたことは、この技術が本格的に社会実装していく段階に入ったことを示しています。
脂肪肝は国内だけでなく海外でも多くの方が抱える身近な健康課題です。研究室や医療機関の中だけに知見をとどめるのではなく、実際に必要とする方々へ届けていきたいと考えています。
今回の発表は、がんの食事療法研究から生まれた知見を、脂肪肝というより身近で大きな健康課題の解決につなげていく、その新たな挑戦についてお話しするものでした。

展示ブースで感じた、脂肪肝への関心の高さ

展示ブース

今回のイベントでは、ピッチだけでなく、ケトン食に関する展示ブースにも多くの方にお立ち寄りいただきました。
特に印象的だったのは、「実は脂肪肝なんです」「健康診断で肝臓の数値を指摘されて」といったご相談を、たくさんいただいたことです。
脂肪肝は自覚症状が少ないため、つい後回しにされがちな疾患です。しかし実際には、多くの方が気になっていて、どう改善したらよいのかを知りたいと思っている。そのことを改めて実感しました。
ブースでお話ししていると、皆さんが非常に真剣に耳を傾けてくださり、このテーマを自分自身の問題として捉えていることが伝わってきました。
同時に、健康というものは本当に一人ひとり異なるものだということも改めて感じました。
検査データや研究結果はもちろん大切です。しかし、それらはあくまで全体像を示すものであり、目の前の一人の方の健康状態をすべて表しているわけではありません。
生活習慣も、仕事も、家族構成も、食事の好みも、人によってまったく違います。
だからこそ、「この方法が誰にでも当てはまる」という考え方ではなく、その方に合わせた提案をしていくことが何より大切だと私は考えています。
内科医として患者さんと向き合ってきた中でも、常に大切にしてきたのは、一人ひとりの背景を理解しながら、その方に合った選択肢を一緒に考えることでした。
これからは、研究や臨床で得られた知見を社会へ届けるだけでなく、実際に必要としている方々の声を聞きながら、どのように広めていくべきかを共に考え、より実践しやすい形へと発展させていきたいと思っています。

試作品への反響から、確かな手応えを感じました

真剣に話を聞いて下さっている来場者の方

今回の発表にあわせて、今夏に発売予定のケトン食対応ドリンクとフリーズドライ商品の試作品を、多くの方に試食・試飲していただきました。
ケトン食療法は、正しく栄養設計して実践することで、がんや脂肪肝の領域において有用性が期待できる食事療法です。一方で、実際に続けることは決して簡単ではありません。
糖質をどの程度に抑えるのか、脂質をどのように摂るのか、たんぱく質やビタミン、ミネラルをどう確保するのか。毎日の献立を考え、調理し、食事管理を続けるには大きな負担があります。さらに、味や食べやすさの面でも、継続のハードルを感じる方は少なくありません。ありていに言えば、今までのケトン食は決して美味しくはなかったのです。
だからこそ私たちは、ケトン食療法を「知識」だけで終わらせるのではなく、日常の中で無理なく続けられる形、食べておいしいと感じられるものにしたいと考えています。そのために開発しているのが、ケトン食対応ドリンクやフリーズドライ商品です。
実際に試食・試飲してくださった方からは、
•美味しく食べれて、健康にいいは、みんな望むこと
•ケトン食の話を聞いていると油が多く入ってるのかなと思い、べったりしているイメージだったけど、まろやかで油っこくなく、コクもある。
•これは食べたくなる味。常備しておくのにいい食品だと思った。非常時のために常に保存しておきたい
•脂肪肝は、とにかく痩せろと言われている。どう食べたらいいのかと思う時に、フリーズドライはヒントになるね。
•ドリンクは、プロテインと違って飲みやすい。プロテインのイメージだったので驚いた。
といった声をいただきました。
私はその反応を聞いて、「これは絶対にいける」と確信しました。
従来、健康にいい食べ物と言えば、「体には良いけれど、おいしくない」「我慢して食べるもの」というイメージを持たれがちでした。
優れた栄養設計は、数値を合わせることではありません。毎日の生活の中で続けられるように美味しくなければ意味がありません。
今回いただいた反応は、私たちが目指す「本当に体にいいものが美味しく食べられる」という方向性が間違っていなかったことを実感させてくれるものでした。がんの食事療法研究から生まれたケトン食の知見を、より多くの方の健康を支える選択肢へ。脂肪肝という大きな健康課題に対して、食事からできることを一つずつ形にしていきたいと考えています。
今回いただいた機会を励みに、これからも研究・臨床・社会をつなぎながら、必要とする方が正しいケトン食を知り、美味しく実践できる環境づくりに取り組んでいきます。もうすぐ新たなケトン食用のドリンクの発売も控えています。ぜひ楽しみにしていてください。

プロジェクトメンバーと共に

※本記事で紹介する食品・サービスは、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。ケトン食の導入・継続にあたっては、体調や目的に応じて、医師・管理栄養士等の専門家にご相談ください。