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シューフィッターが教える、インソールで靴のサイズを調整する方法

「少し大きい靴って、インソールを入れれば履けますか?」

これは販売現場で本当によく聞かれた相談です。デザインは気に入っている。セールで買った。ネットで届いたら少し大きかった。返品するほどではないけれど、歩くとかかとが浮く。

この気持ちは、すごく分かります。

私は靴屋で17年間働いてきましたが、インソールで調整できる靴と、無理に合わせない方がいい靴の両方を見てきました。この記事では、「少し大きい靴」をインソールで調整するときの現実的な考え方を整理します。

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この記事の結論

インソールで調整しやすいのは、「少しだけ大きい靴」です。

具体的には、靴の中で足が少し動く、甲まわりに余裕がある、かかとが少し浮く、くらいのケースです。反対に、歩くたびにかかとが大きく抜ける、足が前後左右に大きく動く、つま先にかなり余りがある靴は、インソールだけで合わせようとしない方がいいです。

まず見るポイントは次の通りです。

  • 元のインソールが外せるか

  • どれくらい厚みを足せばよいか

  • 甲や指先が圧迫されないか

  • かかとが浅くならないか

  • 歩いたときに足が安定するか

大事なのは、インソールを入れること自体ではありません。

靴の中で足が自然に止まるかどうかです。

インソールで調整できるのは「少し大きい靴」

インソールを入れると、靴の中の空間が少し狭くなります。簡単に言うと、足が入る部屋を少し低くするようなイメージです。

販売現場で実際に多かったのは、長さはそこまで大きくないのに、甲まわりに余裕があって足が動いてしまうケースでした。この場合は、薄型から中厚くらいのインソールで履きやすくなることがあります。

ただし、つま先の余りをインソールで全部埋めることはできません。足長そのものが大きすぎる靴は、インソールを入れても前後のズレが残りやすいです。

「少しゆるい」を整える道具であって、「サイズ違い」をなかったことにする道具ではない。

ここを分けて考えると、失敗しにくくなります。

元のインソールを外して厚みで調整する

スニーカーや一部のカジュアルシューズは、元のインソールが取り外せることがあります。

この場合は、まず元のインソールを外して、元のインソールより少し厚めのものに入れ替える方法があります。靴の中に余計な段差を作りにくく、比較的きれいに調整しやすい方法です。

私がまず確認するのも、元のインソールが外れるかどうかです。外せる靴なら、重ねるより入れ替える方が自然に収まりやすいからです。

ただし、厚ければよいわけではありません。

厚すぎるインソールを入れると、甲が圧迫されます。足の位置が高くなり、かかとが浅くなることもあります。かかとが浅くなると、歩いたときに脱げやすくなったり、足が靴の中で不安定になったりします。

入れ替えたら、靴ひもを結び直して、足の甲・指先・かかとの収まりを確認してください。

薄型のインソールおすすめはこちら

元のインソールの下に薄いインソールを入れる方法

もう一つの方法が、元のインソールの下に、フラットで真っ平らな薄いインソールを入れる方法です。

これは、靴の元の履き味をできるだけ変えずにサイズ調整したいときのテクニックです。元のインソールの足当たりやクッション感はそのまま残し、下からほんの少しだけ底上げして、靴の中の空間を狭くします。

販売現場でも、靴自体の履き心地は気に入っているけれど、少しだけ足が動く、という相談はありました。そういうときに、元のインソールを別物に替えるのではなく、下に薄い一枚を足す方が自然に収まる場合があります。

ただし、下に入れるインソールは何でもよいわけではありません。

下に入れるなら、必ずフラットなインソールを選んでください。アーチサポートやクッションの山があるもの、かかとだけ厚いもの、表面に大きな凹凸があるものは向きません。上に戻す元のインソールの座りが悪くなり、かなり違和感が出やすいです。

ここで厚みや形のクセが強いものを入れると、元のインソールが浮いたり、足裏の当たり方が変わりすぎたりします。元の履き味を残すための調整なのに、別の違和感が出てしまうわけです。

下に入れたインソールが波打つ、元のインソールが浮く、歩くと中でズレる。そう感じるなら、その靴には合っていません。無理に使わず、薄型インソールへの入れ替えや、ハーフインソールでの部分調整に切り替えた方がいいです。

インソールを二重にする時の注意点

「インソールを二重にすれば、簡単にサイズ調整できそう」と思う方もいると思います。

その考え方自体は自然です。実際、少し空間を埋めたいだけなら、薄いものを足したくなりますよね。

ただ、基本的にはインソールの二重使いはおすすめしません。

理由は、靴の中が窮屈になりやすいからです。足の位置が高くなって、かかとが浅くなることもあります。インソール同士がズレる場合もありますし、足裏の当たり方が不自然になることもあります。

特に、厚みのあるクッションインソールを2枚重ねるのは避けた方がいいです。柔らかくなるように見えて、歩くと足が安定しにくくなることがあります。

例外として、フラットな薄いインソールを下に入れる程度なら、微調整として使える場合もあります。その場合も、歩いたときに違和感がないか、かかとが抜けやすくなっていないかを確認してください。

インソールが外せない靴は薄型で微調整する

革靴、ローファー、パンプスなどは、元のインソールが取り外せないことがあります。

このタイプの靴に厚手のインソールを上から入れると、靴の中が窮屈になりやすいです。甲が押される、指先が当たる、かかとが浅くなる。こういう失敗が起きやすくなります。

対応するなら、薄型インソール、ハーフインソール、前滑り防止パッド、かかとパッドなどで微調整する方が合うケースが多いです。

たとえば、足が前に滑るなら前足部の薄いパッド。かかとだけ少し抜けるなら、かかとパッド。甲まわりを少し詰めたいなら、薄型の全面インソール。悩みの場所によって使うものを分けると、靴をきつくしすぎずに調整しやすくなります。

ただし、靴の形や足の状態によっては合わない場合もあります。痛みや強い違和感が出るなら、無理に調整して履き続けないでください。

かかと浮きはインソールだけで解決しない

かかとが浮く靴には、インソールが役立つことがあります。

ただし、原因がすべて「靴が大きい」ではありません。足のかかとが細い、履き口が広い、靴ひもがゆるい、ローファーの甲が合っていない。こういう場合もあります。

特にスニーカーなら、インソールを買う前に靴ひもを結び直してみてください。足首側のひもをきちんと締めるだけで、かかとの浮きが減ることがあります。

革靴やローファーの場合は、甲の高さとかかとの形が合っているかも大切です。かかとパッドで少し改善することはありますが、そもそも履き口が広すぎる靴は限界があります。

商品選びより大切なのは、どこで足が動いているかを見ることです。

大きすぎる靴は無理に合わせない

次のような靴は、インソールで無理に合わせない方がいいです。

  • 歩くたびにかかとが大きく抜ける

  • つま先にかなり余りがある

  • インソールを入れると指が圧迫される

  • 靴の中で足が左右にも動く

  • 調整しても足が前に滑る

  • 痛み、しびれ、強い違和感がある

インソールは便利ですが、合っていない靴を完全に合う靴へ変えるものではありません。

特に足の痛み、しびれ、強い違和感がある場合は、インソールで我慢せず、医療機関や専門家に相談してください。

「せっかく買ったから何とか履きたい」という気持ちは分かります。でも、毎日履く靴ほど、無理に合わせる負担が大きくなります。

よくある質問

100円ショップのインソールでもサイズ調整できますか?

少しだけの調整なら使える場合があります。汗取りや汚れ防止にも役立ちます。ただし、へたりやすさ、ズレにくさ、厚みの安定感は商品によって差があります。

インソールは何枚も重ねていいですか?

基本的にはおすすめしません。靴の中が窮屈になりやすく、かかとが浅くなったり、インソール同士がズレたりすることがあります。使うとしても、フラットで薄いものを下に入れる程度の微調整にとどめた方が安心です。

左右でサイズ感が違う場合はどうしますか?

左右で足の大きさが違う人は珍しくありません。片足だけ薄いインソールやパッドで調整する方法もあります。ただし、歩き方に違和感が出る場合は無理をしないでください。

インソールを入れたらきつくなりました。どうすればいいですか?

その場合は、厚みが合っていない可能性があります。薄型に変える、ハーフタイプにする、かかとパッドだけにするなど、調整する場所を絞ってください。指先や甲に痛みが出るなら、使い続けない方がいいです。

まとめ

インソールで靴のサイズを調整するなら、まず見るべきなのは「どれくらい大きいか」です。

少し大きい靴なら、元のインソールを外して少し厚めのものに入れ替える。元のインソールの下に薄くてフラットなものを入れる。インソールが外せない靴なら、薄型インソールやハーフインソール、かかとパッドで微調整する。

こうした方法で履きやすくなる場合があります。

ただし、インソールを二重にすれば何でも解決するわけではありません。厚みを足しすぎると、甲がきつくなり、かかとが浅くなり、足が不安定になることがあります。

インソールは「少しのゆるさ」を整える道具です。

大きすぎる靴を無理に合わせるより、足が靴の中で自然に安定するかを見てください。少しでも、靴選びとサイズ調整の参考になれば嬉しいです。



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