リアルな実態を踏まえた「保健医療福祉行政・財政の理念と仕組み①ー地方自治体の保健師の役割」
はじめに
保健医療福祉行政論「リアルな実態を踏まえた保健医療福祉行政・財政の理念と仕組み」の講義を始めます。
保健医療福祉行政論の中でも一番面白くない講義です。
タイトルを見ただけでぞっとします。
「もういいわ」という感じをもっておられる学生さんも多いかと思います。実際の保健師の国家試験用のテキストを見ても、正直、何が書いてあるのかがわからないです。
わかるようにしたのが今日のスライドであります。これで、わからなかったら皆様方が悪いのです。私の責任ではありません(笑)。
あまりにもわかりにくいテキストをわかるようにした結果、かなり物事を噛み砕いた説明となっています。
私は行政に勤めていましたので、そうした行政のリアルな実態に応じた講義内容となりますことをお断りしておきます。
テキストには「机上の空論」というか、「精神論と観念論」というか、絶対できないようなことも書いてあります。
自分たちが現にいる場所で、うまく立ち回るにはどうするかという知恵を働かせるのが行政です。
人は聖人君子のまねや、名月を取ってきてと叫ぶ子供の願いをかなえるような理想論を行うことはできません。
現実を見据えた、「できる対応」を行うことが大事です。
行政の仕組み
まず行政は、昔からそうですけれども、「年貢」や「税金」要するに「税収」または「歳入」から始まります。歳入がない行政はありえません。
ということで、皆さん税金を納めてください(笑)。
皆さんが納税していただかないと、歳入がないと人を雇えません。
これはどこの組織にも当てはまる大原則です。
例えば大学でもそうです。お金が続かないと大学運営が立ち行かなくなります。
家もそう、収入がないと本当にその家が続かなくなります。
企業もそうで、何でもそうです。
きちんとした歳入を得て、それをきちんと執行する。予算管理を行う。執行後に決算をする。
こうしたことを仲間内だけでやるとダメです。第三者と言いますか、例えば、県でしたら議会ですね。議会に諮ってその承認を得ることが大事です。
市町村も同じように、市町村議会があります。議会の承認、いわゆる議決を得るためのチェックをしていただくことが必要です。
こうした健全なチェック機能がないとですね、その組織は必ず滅びます。「何でも使っていいっちゃが」と言って予算を使ってしまったら、「さて金がなくなったがどげんすっとか」ということになることになるので、適正な予算管理は不可欠です。
ですから、行政や財政の理念の仕組みっていうのは、実は大事なんです。でもテキストを読んでも、そんなことが全くわからないので、わかるように説明をしたいと思います。

ウィンスローの公衆衛生の定義で100年前のものです。
「組織化された地域社会」というのが大事ですね。
行政は要するに組織です。組織化された地域社会が、疾病を予防し、寿命を延長し、身体的、精神的な健康と能力の増進を図るのです。
具体的には、環境の整備、感染予防、衛生教育、医療看護サービスの組織化、社会制度の改善のための努力をするのです。
よく考えてください。これらの取組はお金がないとできないことです。公衆衛生活動にはお金がかかるのです。
きちんとしたことをやるためにも、一定の歳入が必要なんです。先ほども言いましたが組織を維持するためには金が必要です。
例えば、プロ野球がそうです。プロのサッカーチームもお金が必要です。お金がないといい選手を呼べません。
逆に言えば、お金があればいい選手を呼ぶことができて、試合に勝つことができます。
ドジャーズは大谷翔平選手を呼んで、無敵のチームを作り上げました。一方、大谷選手が去ったエンジェルスは、今はどうなったのでしょうか。
マスコミは全く報道しませんし、私は知りません。
そういう冷酷な現実があるのです。
ほどよい歳入があって、ほどよく執行して、PDCAサイクルを回せるような組織は健全です。
ということで、ウィンスローの公衆衛生の定義のキーワードは「組織」です。
保健師の活動

保健師の活動は、昭和16年に保健婦規則が制定されてから、一貫して社会のニーズや行政政策の変遷と直接関連して国民的な健康課題に取り組んできています。
昭和20年代は結核や伝染病の時代、そして母子保健に移って精神保健、そして健康づくり。それから地域包括ケアや介護との連携。
平成になっていろんな災害がいっぱい起こって、健康危機管理が重要事項となりました。
今や健康っていうのは生活習慣だけじゃなくてですね、社会決定要因が注目されています。
どこで生まれたか、どこで育ったか、どういう教育を受けたか、誰と結婚したか。要するに医学以外のですね、社会環境的なものでも決まってしまうということが、世界の主流になってきているわけであります。
例えば日本に生まれて、宮崎に生まれた皆さんと、ガザ地区やウクライナに生まれた人は、全く違うわけですね。
どこで生まれるか、どういう教育を受けるかで、健康の度合いが変わってきます。そういったことを踏まえながら対応しなければいけない。
そうすると、予防活動は、医学やら公衆衛生に限らず、社会的なものにどんどん広がっていくわけですね。
ですから、保健師の業務っていうのは収束することはありません。毎年毎年拡大していく宿命のある職種だということを覚悟してください。
保健師が勉強しなかったら、世の中の人たちが健康でない状況になっていきます。
保健師は常に勉強をして、果敢に住民のヘルスニーズを捉えて、行政の中で果敢に一貫して国民の課題に取り組んでいただきたい。

保健師の就業場所です。
一体保健師はどこで働いているのか?
だいたい保健師は、6万人いるわけですね。
そのうち半分が市町村です。
17%が保健所で、保健師の資格を持って病院で看護師として働いていたり、産業看護師として働いておりますが、メインは行政です。
およそ8割の保健師が行政で働いています。
市町村が85%で、都道府県が15%です。
市町村の中には保健所が設置されている中核市があります。例えば宮崎県で言えば宮崎市です。それが約1万人。
その他東京都の特別区23区には1600人ぐらいの保健師がいます。
保健師は、「置かれた場所で咲きなさい」ということになりますが、市町村であったり、都道府県であったり、その置かれた場所でいろいろ業務をするためにはですね、市町村行政だとか、都道府県行政を知らないといけない。
行政の仕組みを知らないで、職域との連携とか、住民との触れ合いなんてできないのです。
「え?それは行政の仕事なの?」と、上司や事務の人から言われた時に反論できないとだめです。
「お前、趣味でやってんじゃねえよ」と言われます。
行政に勤めた以上は、まず行政官となり、そのうえで保健師の魂なり熱意なりスキルをもたなくてはならない。
行政の仕組みだとかしきたりを踏まえて、保健師としての技を使うようになることが大事です。
つまり保健師マインドを持った役人となることが大事です。
保健師というものは本当無限の可能性を持っている資格です。
役所のしきたりを覚えて、県や市町村のフィールドをよく理解して、役人らしからぬ保健師として活躍していくということが大事です。
既存のテキストには、こうしたパッションが抜けています。
西城秀樹さんの「情熱の嵐」が必要なのです。
テキストには、保健師はこういう役割があり、こういう業務を担当するんだと書かれているのですが、その前に行政官であり、自分の職責があり、それを踏まえた上で保健師マインドを駆使してやるというのが大事です。
基本が大事です。
型破りの保健師になるためには、まずは「型」を知らないといけません。
今日は行政のいろんなしきたりだとかですね、そういう型を知っておくことを、お話をさせていただきます。
地方自治体の種類

まず、地方自治体には何があるかということです。
普通地方公共団体には、県と市町村があります。
一方、特別な地方公共団体もあります。東京の特別区、特別って書いてるから特別なわけです。
地方公共団体は組合を作ることができます。例えば、一部事務組合という組織を作ったり、広域連合という組織を作ることがあります。
椎葉村のある東臼杵郡では、一部事務組合を作って火葬場を運営しています。椎葉村だけで火葬場を作っても人口が少なすぎます。
消防が一緒になっている場合があります。西臼杵郡の消防署は、高千穂町、日之影町、五ヶ瀬町は、一部事務組合を作って、消防署を運営しています。
一部事務組合は、小規模な町村が集まって、一つの共通のものを抜き出して、それを一緒にやりましょうというそういう組織が多いです。
広域連合は、例えば後期高齢者医療制度があります。
宮崎県と各市町村とが広域連合を作って一体として運営しますというふうになっています。
これは法律に基づいて、国の方からこれでやってくれということでやっています。
地方自治体には県と市町村があります。
これが基本です。
特別なものとして東京23区と一部事務組合、広域連合という組合があるということ。これは覚えてもらいたいです。
一部事務組合と広域連合っていうのは、身近にあるということを知っていただきたいと思います。
宮崎県の行政機構

これはどこでしょう?
はい、宮崎県庁です。
県庁はですね、実はいろんな色に染まるんですね。
青になったり、赤になったり、ピンクになったり、紫になったりですね、いろんな記念日に合わせてライトアップされます。
「世界糖尿病デー」の時は何色でしょう?
「ピンク?」。違います。
ブルーです。糖尿病のマークは「ブルー・サークル」といいます。
世界糖尿病デーは11月15日です。
世界で初めてインスリンを抽出したカナダ人医師のバンディングの誕生日です。
これを記念して世界糖尿病デーとしていろんな建物や記念碑をブルーにライトアップします。
例えば、宮崎県では県庁をブルーにするし、山梨県は武田信玄の像をブルーに、熊本県は熊本城をブルーにアップします。
皆さん、もしかして11月15日は世界糖尿病とかいうの知らなかったら、「保健師のくせに知らないのか?」と言われますので注意して下さい。
「県庁が青いけどなぜ?」と聞かれたら、
「それは世界糖尿病デーだからよ」と答えると、尊敬されます。
知らずに「知事が青が好きだからじゃない」としたり顔で言うと、後で怒られますので、ぜひ覚えておいてください。
県庁がライトアップした日にですね、写真撮ると面白いです。
月に1回ぐらいいろんな色でライトアップされます。

さて宮崎県の話ですが、県庁に「川越進翁の碑」があるのを知っていますか?
我が宮崎県は明治6年に設置されましたが、明治9年に廃止になり鹿児島県に併合されています。
川越進翁は同志とともに分県運動の世論を起こし、その先頭に立って奔走し、血のにじむような努力を傾け、幾多の曲折を経て、明治16年5月9日、ついに県民多年の熱望であった再置県を実現し、今日の礎を築きました。
「ここに先駆者の本県再置にあたって払われた献身的努力と功績に対して県民を挙げて深い感謝を捧げ、その遺徳を顕彰する」ということで、川越進翁の碑がですね、県庁の中にあるんですね。
宮崎県庁では、毎年5月9日には、知事以下、県会議員全員、県庁課長級以上の幹部全員が集まって、川越進翁の碑の前に集まります。
花束を捧げて、みんなで「青い空、緑豊かに」の県民歌を歌います。
宮崎県が再設置されたことを本当に感謝してるわけです。
川越翁の子孫の方もここに来られます。
県民がぼーっとしていたら、いつの間にか県は合併されてしまいます。
「宮崎県は神話の県であり、天孫降臨した県をなくすことなどあり得ない」と県の歴史を大事にして、県を愛でることが必要です。

これはわが椎葉村の役場です。
中は杉でつくられています。大変素敵なしつらえになっています。
宮崎県庁であったり、市町村であれば椎葉村であったり、皆様方が保健師として活躍する場は、こういう行政組織になります。
行政のことをまず学ばないといけません。自分の活躍する自治体、勤務する部署のことは、もう誰よりも知っていないといけないわけでございますのよ。

宮崎県の行政機構①です。
県には、執行機関である知事部局と教育委員会と公安委員会があります。
教育委員会は教育庁を所管し、公安委員会は警察本部を所管しています。
知事の下にこれらの組織がないのは、公平性を保つためです。
教育は権力から離れて、公平な立場で教育を執行しないといけないということで独立しています。
警察が知事とべったりだったら、知事が「気に食わない人を捕まえてこい」とかいうことになるので、「いやいや知事さんそれはダメです」ということで、警察も独立しているわけです。
こうした執行機関に対して議決機関があります。
県議会です。
知事が提出する予算案や条例案を県議会が審査をして、認めたり修正したりします。
知事と県議会(議員)は、両方とも住民の直接選挙ですね。
知事さんは4年に1回選挙ですし、議員の先生方も4年に1回選挙があります。
直接住民の皆さんが選ぶということで、この2つの機能を住民が選ぶというのが、民主主義の基本です。
投票に行かない人はダメです。
選挙権があって投票しない人が、知事や県会議員の文句言ったらいけません。
選挙には皆さん行きましょう。
執行機関と議決機関があるということを理解することは大事です。
我々は、自分たちのことを「執行部」と言います。
議員さんたちの役割は、執行部のいろんなことをきちんとチェックすることです。
そういうチェック機能が働いているから、うまく行政が回っていくというわけですね。
チェック機能がなければ暴走します。
例えばプーチン大統領です。
ロシアは実質的には、執行機関しかないわけですよね。
そういう独裁のところはやりやすいんですね。
自分の思った通り、どんどん進むんですが、しかしチェックする機能がないと、いつかは崩壊します。暴走を防ぐ意味でも民主主義は大事です。

これは前の県知事選挙の時ポスターです。選挙に出る権限もあり、それに投票することも自由です。それが民主主義です。
市会議員になって逮捕されて議員職を失うというのは、宮崎市の歴史が始まって以来のことでした。将来のことはわからないというのが、この写真1枚でわかります。あまり言うと差し障りがあるのでやめます。

宮崎県の行政機構②です。宮崎県の体制です。知事の下に副知事が2人おられて、そして部があります。
知事部局には全部で8個の部があり、知事部局とは独立して、企業局と病院局があります。
企業局は、県立のダムが作りだした電力を売って、その収入を県の歳入に充てています。県が九州電力のように、電力を売って稼いでいるのです。
行政が進むためには歳入が必要だと言いましたけど、電力会社を県自ら運営して、そこからの収入で行政を動かしているわけです。
病院も同じように病院収入があるわけです。県立病院が三つあります。延岡と宮崎と日南にあります。
基本的に儲けられるわけですけれども、儲けることが難しい。赤字であり、知事部局から病院局に40億円を貸し付けて、病院経営してください、お金は必ず返してくださいねということを、昨年度の県議会に提案したわけです。
県議会はそのままの形では認めませんでした。県立病院の経営について副知事をトップにした新たな委員会を作って検討しますということで、県議会が了解しました。県議会のチェック機能が働いた例です。
このことを県立病院の先生方がご存じかという話があります。県立だから赤字でもいいということではないのです。
一般に病院は患者が来なくなると赤字になり、給料も払えなくなる組織です。本来は、県立病院の医師だけでなく、看護師など病院のスタッフ全員が患者が来ないと赤字になるということを知らないといけないのです。組織人として重要な点です。
知事部局で保健師が務めるのはだいたい福祉保健部となります。保健所が八つ、児童相談所が3つあります。
その他の出先機関があるわけですけど、保健師が勤務するのは保健所が中心となります。保健所で勤務して、また本庁に帰ってきたりとかですね、その他、児童相談所や精神保健福祉センターがあります。
総務部には県職員全体の健康管理をする部局もあって、職員の健康管理、特にメンタルヘルスですね。メンタルダウンになってしまう人もいて、そういう人が長期休暇をして復帰する際にですね、職場復職支援などをやります。
産業保健師と同じ業務で、県庁の保健師は産業保健師の役割も果たすということであります。
だいたい3年に1度人事異動があります。同じことをずっとやりたいというわけにはいきません。
そのかわり異動するにつれて、少しずつ位が上がっていくんですね。そうすると自分に部下ができたりとか、責任を持たせられたり、だんだん上になっていくと大きな仕事を任せられることになります。
保健師の職種で、今、本庁の課長職が2人います。県議会でも常任委員会で答弁をしているわけですね。いくら意地悪な(?)質問をされても、平然と言い返すという感じで、答弁をされています。
皆さん方も、もし県庁に勤務する場合は、そういうことになる可能性があります。市町村でもですね、保健師が課長や部長になることもあるので、そういった場合は議会で答弁することもあります。
県庁の組織と同様に市町村も同じような部署があります。市の場合は部で、村の場合は課。福祉保健部的なセクションがあり、保健師が勤務しています。
県職員に採用される際は、知事の名前と印鑑がついて、「○○を命ず」という辞令をもらいます。知事から辞令をもらってはじめて県職員になるわけです。
市町村に勤めると、市町村長の辞令をもらって初めて市町村の保健師ということになります。最初の仕事は、名刺をつくることです。
地方自治体の首長
自治体のトップのことを首長(くびちょう)と言います。
覚えておいてください。
首長が一番偉いんです。県においては知事の命令は絶対です。市町村においては、市町村長の命令は絶対です。
誰を見て仕事してるかと聞かれれば、それはもう知事とか市町村長となります。
また議員は、県民や市町村民が選挙で選んだ人なので、「民」の代表なんですね。住民の代表が質問しているというふうに捉えれば、「わかりました。温かいお言葉ありがとうございます」と感謝をする必要があります。
そうするとですね、「お前はなかなかいい奴じゃねえか」と議員の先生方が褒めます。いろんなところで「議員に褒められた職員だ」と噂がたち、行政内のステイタスが上がっていきます。
逆に議員に叱られたら、「お前だめだな」と言われます。
議員さんは、要するに民の代表なのです。
セミにミンミンゼミというのがおります。
関係ないですが、民が一番大事です。
ニイニイゼミとかアブラゼミはどうでもいいんです。
昆虫に例えるとミンミンゼミが一番大事です。
何の話か忘れましたが、任命権者がいて、その方から辞令をいただくということであります。首長は,人事権を持って予算権を持っていますので、アメリカで言えば大統領と同じです。
首長さんが思ったことはだいたい実現します。もしここに何かを作りたいといえば、例えば清山宮崎市長さんが、中核市ですが児童相談所を作りたいと言ったら、実現します。
首長の強い思いは実現するんです。ということは、首長さんにいかにして保健福祉の大事さを伝えるかが大事です。それが保健師の役割です。
「うちの首長はダメだ」と言ったら、それはいけないことです。
そんなことだったら、いつまでたっても何も実現できません。
あらゆる機会を取らえて、首長に「福祉保健が大事なんです」と言わないといけないのです。
首長も何度も言われると、「君はなかなかいいこと言うな」と実現するんですね。
常に首長を向くこと、常に議会議員さんを向くことは、要するに住民と向き合うことなるのです。首長と議員は、選挙で呼ばれている人たちです。
ということで、そういう民主主義の構造を理解してもらえればと思います。
議会について

議会の流れです。
今はこれを見ても何のことやらわからないと思いますが、説明します。
まず議会が開会します。
議会は開会と閉会があります。期間限定です。
議会はほんとに大変です。企業でいえば株主総会みたいなもんです。
毎日やっていたら大変で企業も滅びますので、期間限定となっています。
6月、9月、12月、2月に定例会、それ以外にやる場合は臨時会と言います。
開会すると、議案の提出があります。
これは執行部からなされます。
県議会であれば知事から提案理由を説明します。
今回の議会においては、こういう予算や条例を提出すると言って、質疑が始まります。
各種の委員会があり、例えば福祉保健部の関連で言うと、厚生委員会があります。
その厚生委員会の方に付託をされて、そこで委員会で審査し、討論し、採決して、その結果を委員長がこの本会議に出てきて報告をして、また討論があって、最後採決をして、そして決まるというわけです。
この繰り返しです。
1か月の期間ですが、執行部の人たちはもう議員がどういう質問するか戦々恐々となります。
一番怖いのは議員質問です。
議員は何を質問してくるのか、それにうまく答えられるか。
県やら市町村で触れられたくないことに触れられた時はもう終わりです。
ゲームセットにならないように、議員に日頃から情報提供しておくとかですね、大事なんですね。
なんかあると「議会軽視」と言われ、議員さんを怒らせたら予算が通らないんですね。
そうすると、予算案が否決されたら執行できませんので、県政が止まります。市町村も同じです。
まさに議会っていうのも一番大事なところです。
ですから、年に4回ある議会というのは、真剣勝負の場です。
ここでミスったらもう本当にダメなのです。
議会開催中は、本当に議会最優先です。
それこそ徹夜もしたりとかするわけですね。
それはあくまでも議案を通すため、予算を通すためです。

これは、県議会の写真です。松浦総合政策部長が答弁されています。宮崎県でいえば筆頭部長です。宮崎県の未来や総合計画をデザインする部長です。
総合政策部長がいて、その横が福祉保健部長です。福祉保健部のトップです。後ろには企業局長とか県土整備部長がおられます。
松浦部長の左は、副知事です。副知事は2人おられて、国から来た副知事さんです。国土交通省から来られております。
宮崎県は災害が多くて、いろんな水害で道路だとか堤防だとか壊れたりしています。国土交通省の副知事が来てくれると、復旧のための予算を取りやすいとかですね、いろんなこともあって、今来ていただいます。
その前は農水省から来ていただいておりました。
市町村について

今度は市町村シリーズであります。
県は広域な自治体で、県の役目というのは、市町村のいろんな調整だとかですね。市町村ができない広域的なことをやったりする役目があります。
実際一番我々に身近なのは市町村であり、「基礎自治体」と呼ばれています。
明治時代は市がなく、町村だけの時期がありました。およそ7万か所ありました。これは江戸時代と同じです。江戸時代には村しかありませんでした。
明治の20年ぐらいまでは、江戸時代と同じ体制でやっておりました。
近代国家に生まれ変わるためには地方自治をやらないといけないということで、内務大臣の山県有朋がですね、ドイツの地方自治に学んで、地方自治を根付かせんといかんということで始まりました。
村は小さすぎるので、合併して一つの村で一つの小学校が運営できるような財政基盤を持つようにということで合併が進められました。
例えば椎葉村ではそれまで4つの村だったのが、合併して椎葉村というのなりました。
7万箇所がですね、1万5000箇所に減りました。
市も新しく誕生しました。宮崎市や延岡市が市政百周年を最近やりましたけれども、その一連で誕生したわけです。
戦後に「昭和の大合併」というのが昭和28年頃から行われました。
この時期にやったのは、新制中学校ができたので、中学校を効率的に運用できる財政規模となるように合併をしました。
全部で3000ぐらいになりました。市を増やしました。
宮崎県の現在の市はこうして誕生します。
次は平成です。昭和の大合併でほぼ合併は終わったと思ったんですが、平成の大合併が進められました。その理由は、地方分権です。
「いつまでも国が箸の上げ下げまで口をだしているんじゃねえ」
「そんな細かなことまで国が決めて、市町村に自治がないじゃないか」
ということで、権限を地方に持ってこいという大合唱が起こりました。
権限を地方に委譲しますが、今のような財政基盤で大丈夫ですかということで、地方分権の流れがあり、そのための財政基盤を強くするためには合併しないといけないということで、特に市をいっぱい増やそうとしました。
合併したらお金を20年間使っていいですよという合併特例債という飴玉も出しました。その結果、合併が進みました。
現在、市がいっぱい増えましたね。町村は減りました。ほとんど市に合併されます。村は全国に183です。宮崎県でも村はほんと少ないですね。
椎葉村と諸塚村と西米良村くらいかな。全部県北にあります。延岡市の周りの北浦町、北方町、北川町は、延岡市に合併したので町がなくなりました。都城市の周りも合併しました。
児湯郡は合併しませんでした。合併しない方がいい場合もあるんですね。税収の多い市町村はなかなか合併しません。
例えば、新富町には自衛隊があります。木城町はダムからの収入があります。高鍋町と西都市は歴史的経緯からも合併は困難です。
高鍋は城下町でお城があったんだという自負があります。西都市は合併を繰り返して市になったところです。元々妻町だったのを、合併して西都市になったわけです。
いろいとろ事情がある。合併しないイコール仲が悪いという訳ではありません。それぞれの自治体の判断です。
椎葉村はなぜ合併しなかったというと、合併するところがなかったといいますか、「椎葉」という名前を残したいという思いもあったようです。
西郷村、南郷村、北郷村は「郷」という名前が付きますので、3つの郷が集まって3つの郷で美郷町になりました。合併をすると名前が変わります。
市町村に勤めるとしますね。昔の合併前の町村にいた人たちのプライドやら思いはいっぱいあるんですね。
そういう住民感情というのはずっと残りますので、そういうことを知って住民活動を行うことが大事です。
昔の地名を大事にして、そういうのを覚えていると便利ですね。市町村合併の歴史を知るとですね、健康教育だとか、施策の展開の時に有利ですね。
合併されて吸収されたところは人口が減ったりして、人がどんどんどんどんいなくなったとか、そういう町もあるので、そういうところは恨みつらみが多いです。
テキストを見ても市町村とかいろいろ書かれておりますけれども、合併してどうなるとかは書かれていない。
こういう歴史を知ると、小学校を作るために合併したり、中学校を作るために合併したり、日本人って凄いですね。学校を作るために合併しているんですよ。
学校っていうのは、字が読めたり、勉強して出世して、また村に帰ってきて、いろんな知識を持ってくる。村や町の人のためにそういう学校を作ったんですね、そういうことですので、ぜひ大学で学んだ人は、ぜひ地元に恩返しをしてもらいたいなという感じです。
平成の大合併は、地方分権の為です。分権するためにはきちんとした財政基盤が必要になります。
財政基盤というのは、まさに歳入です。税金がいっぱい取れるそういう足腰の強い自治体になるためには、ある程度人口がいないとダメだというわけで、合併したわけですね。

市町村の要件です。まず指定都市ですけれども、人口50万人以上の市から政令で指定するので、政令指定都市と言われています。
これは県知事の承認許可などの関与を要している事務について、その関与をなくすということは、要するに県から独立するという意味です。
北九州市と福岡市は政令指定都市なので、福岡県の言うことを聞きません。聞かなくていいんですね。関与せずにやることが法律上できます。
県庁所在地にある政令市と県庁は、仲がよくないと言われています。
例えば福岡県と福岡市は競い合っています。北九州市は福岡県庁から離れてますのでそれほどでもない。
映画フロントラインにもありましたが、神奈川県庁と横浜市とは仲があまりよろしくない。熊本県と熊本市の関係はよくわかりませんが、熊本市も政令指定都市になりましたので、市が県の関与なく独自にできます。
こうした県と政令都市との関係が問題となったのが新型コロナウイルス感染症のアウトブレイクの時です。
県で感染症対策をやろうとするんですが、政令市が独自のルールを作ったりするとやりにくい。感染症対策は一緒にやるべきでしょう。それは中核市でも同じだと思います。
中核市は人口20万人以上の市の申し出に基づいて政令指定するということで、都道府県が処理することが効率的なものを除いた事務が委譲されるとあります。
回りくどい言い方ですけれども、要は保健所業務です。中核市は、保健所業務をやることができることになっています。
中核市イコール保健所がある市と思っても結構です。九州の中では久留米市がそうです。長崎市、佐世保市。それから大分市、宮崎市、鹿児島市、那覇市は、県庁所在地です。それらは中核市になっています。
宮崎市には市の保健所があるわけですね。市が独自にやることができます。県が予算を組むときには、中核市である宮崎市を除く場合があります。
中核市との調整が必要です。
こういうことを知ってると、県に勤務した時に役に立つわけですね。
また宮崎市に勤めた場合は、市が単独でやる分にはいいんですが、「県と一緒にした方が連携が取りやすいです、感染症は独自ルールを使わない方がいいです」とかいう感じで市の意向を固めることもできると思います。
物事には、変えていいところと変えてはいけないところがあるので、そこも理解しながら、県の動きをキャッチしながらやっていくとかが大事ですね。
他の中核市はどういうことをやっているかっていうのをウォッチするとかですね。すごく勉強になると思います。
その他の市は、人口5万人以上で、特例はなしです。
町村は要件さえもありません。町と村の違いはないのです。
日本には町(まち)というところと町(ちょう)いうところがあります。
宮崎はみんな町(ちょう)ですよね。日ノ影町とか五ヶ瀬町とかちょうです。
北日本では、まちです。富山県の上市町(かみいちまち)とかですね。
村は、むらとソンがあります。私が青森に行った時に椎葉村(しいばそん)出身ですって言ったら、「え? 椎葉村(しいばむら)じゃないんですか?」って言われました。
「いや、宮崎でソンと言います」と答えたら「えーっ?」と驚かれました。青森は村(むら)でした。
市町村のこういう話題だけでも結構面白いわけですね。皆さん方は将来、県か指定都市や中核市、その他市町村に勤務することになるわけです。

行政の保健師になる場合は、最初に言いましたけれども、一部事務組合と広域連合、いわゆる特別の地方公共団体があります。
一部事務組合は、県が絡む場合もありますし、市町村でやる場合もあります。構成団体、その執行機関の一部、同一の内容のものの一部を共同処理するということです。
これには国の関与は無く、話し合って消防を一緒にしましょうとかですね。ゴミ処分を一緒にしましょうとか、火葬場を一緒にしましょうとか、病院を一緒にしましょうとか、公営競技などを一緒にしましょうとかいう、そうやってできたものです。
広域連合は、県や市町村と組んで多様化した広域行政需要に対応するためにできた制度です。
国からこういうことをするのでやってくれということで、例えば、後期高齢者医療制度です。その他、介護保険だとか障害者福祉など、こういった広域でやるべきようなものについては、広域連合をつくってやってくれということです。
市町村の形にこだわらずみんなで一緒にやる、法律的な根拠はないけど一緒に話し合ってやる一部事務組合と、法律に基づいてや国やらから言われてやりますという広域連合の2つの制度があるということはよく覚えておいてください。
自治事務と法廷受託事務

それから自治事務と法定受託事務というのがあります。
これは本当なかなか難しいんですけれども、これまでは国の仕事を全部市町村がやってたというのがあるんですが、これだともうおかしいじゃないかということで、地方分権の時に整理されて、地方自治体が行う事務は、自治事務と法定住宅事務の2つだけにしますというふうに決めたんですね。
法定受託事務というのは、国が本来果たすべき役割にかかる事務です。
国においてはその適正な処理を特に確保する必要があるものということで、法律やらに基づいて事務処理が必ず義務付けられると。
例えば選挙ですね。国政選挙は国がやるべき仕事ですが、県や市町村が選挙事務を担います。
パスポートの交付、国の指定統計、生活保護、戸籍とかが国の業務ですけれども、窓口を市町村できちんとやってください。その代わり助言をしますとか、資料を提出してくださいとか、いろんな認可や、是正することもありますよと。
どうしてもやれない場合は、国が代わってやることもありますということです。これは国がやるべきものを市町村まで下ろしているものです。
一方、自治事務というのは,地方公共の処理する事務のうち、法廷受託事務を除いたものは自治事務だということで整理されています。
介護保険サービスの給付であるとか、国民健康保険の給付、補助金の事務があります。
自治事務については、国の関与はあくまでも技術的な助言であります。
よく国からの通知で、ああせこうせいと述べた上に、最後に「なおこの通知は、地方自治法に基づく技術的で助言であるので、念のため申し添える」とかいう風に書いてます。
あくまでも技術的助言ですよとと言いながら、これを守れと言ってます。
形式的には助言だと言いながら、資料出せとか、変更しろとか言うことがあります。
ということで地方自治体の事務は、法律的には、自治事務と法定住宅事務の2つに整理されるというわけです。
これを知ってると役に立ちます。
何かあった時、「いやそれって自治事務ですよね」とこう言うと、「おお、こいつ、なんか法律を知ってるぞ」って尊敬されます。
「法定受託事務じゃないですよね」とかこう言うと、なんかかっこよく思われます。知ってると役に立つキーワードです。あんまり言うと嫌われます。
地方税について

歳入が大事だと言いました。歳入というのは税金ですね。どこが取るかと。地方自治体には県と市町村があり、税金をめぐっても戦いがあるんですね。
税金はどっちが取るのかという戦いです。
昔でいえば「年貢の分け前」です。
県は、県民税、事業税があります。企業が納めるものは県に入るんですね。だから大きな企業があると、県は儲かる。
旭化成とか大企業の工場があると税収が入るので県は喜ぶ。ですからいろんな誘致活動をします。県の土地を無償で提供しますとか、水道を安くしますとか企業に有利な条件を出します。
熊本県に台湾の大企業が来ましたよね。何兆円かけています。あれはすごいんです。相当の税収が入って、人も集まりますから、人口が増えますよね。
住民税が増えることになります。それを目当てに商店や食堂が並んだり、スーパーができます。どんどん増えるわけです。
大学もそうですね。大学ができると、学生が集まり、大学の周囲にいろんな商店が増えたりするわけですね。
取引をする事業者が納める地方消費税は県に入る。また不動産を取得したときの所得時は県に入り、不動産を持っている場合は市町村に入ります。
タバコ税は、タバコを購入したときは県に入って、タバコを売ったときは市町村に入るとかですね、なかなかおもしろいです。
ゴルフ税は県に入る。宮崎県には、県営のゴルフ場が一つ瀬川にあります。企業局が持っています。
自動車税は県に入る。軽自動車とオートバイは市町村に入るというわけですね。オートバイのプレートには、宮崎市とか椎葉村という名前が入りますね。
私は軽自動車を持ってますけど、県から税金のお知らせが来るかなと思ったら、宮崎市から来ました。宮崎市に納税することを初めて知りました。
入湯税は市町村に入ると。温泉があるころ、例えば湯布院だとか黒川温泉などがあるところは、その入湯税が入るのでいいですよね。
椎葉村には温泉がないので残念です。入湯税は市町村の歳入になります。
税金の制度はなかなか変わらないんですね。変えようとしても、「お前らはけしからんと、税金取る気か」つって、年貢を上げるようなものですので、「住民を苦しめる気か? それよりも減税しろ」と言われるわけです。
「減税しろ」、「消費税を減税せよ」といろいろ言われますが、私は役人ですからなかなか賛成できない。
例えば、消費税の中の8%から10%になった時の2%分は社会保障につかわれており、病院や福祉施設の建設の時の基金になったりしていて、相当な金額が来てるんですね。
宮崎市にある市郡医師会病院が移転した時の建設費用はその基金から出しています。都城市に今回できた心臓脳卒中センターにも相当な金額がそこから出ているんですね。ということは、消費税が8%になると、その財源がなくなるということですね。
私は福祉保健部の人間としては、病院建設や医療人材育成、福祉施設の建設、福祉人材育成などに使われている予算がなくなるというのは、反対なのです。これは、あくまでも個人の意見です。
税金の使い道を知るとですね、税金を下げるとはなかなか言えなくなるんですね、特に公衆衛生は税金で成り立っていますから、税金のことを知らないといけません。
勉強しないといけないというわけです。
保健師も税金の知識を持つべきです。

ふるさと納税があります。納税と言ってますけれども、自分の好きな自治体に寄付をして、その額を納税から控除できるという制度です。
この制度を作ったのは、菅総理大臣です。
これを一番日本でうまく使ってるのは都城市です。これは東京の羽田空港駅の写真です。ドカンとこんなのがいっぱいあるんですね。
この都城の牛とか焼酎の写真があって、これを貼るのにも相当お金かかるんですね。でもふるさと納税で日本一もらってますから、こういう大々的なPRもできるんです。
羽田空港のモノレールに乗る人がこれを見て、都城にの牛と黒霧が返礼品として届くんだなと判ります。そうして、ふるさと納税しようかなということになります。
今は、全国の地方自治体が、税収をあげるためにふるさと納税の返礼品をいろいろ研究してるんですね。
ただ、いろんなあまりにも加熱しすぎて、本当は自分のところで取れたところではなく他の自治体から持ってきて、産地偽造が発覚したりとか、いろんな事件が起こっております。
自治体はいろんな考えを持った策士がおるんですね。返礼品の問題で、国からふるさと納税を禁止された自治体もあります。その処分は不当だと裁判に訴えた自治体もあります。
ふるさと納税というのは、こういう歳入を上げるための知恵の出しどころですね。
そんな中で、都城市は、返礼品を牛肉と焼酎という象徴的なものに絞ったことが、成功したのかもしれません。組み合わせが絶妙です。最初に考えた人は天才ですね。マーケティング的に素晴らしいと思います。
都城市はふるさと納税による歳入が多くはいったおかげでいろんな施策ができるようになりました。保育所を無料化したり、移住者にお金をあげて人口を増やそういう取組をしています。
お金があるといろんなことができるんですね。ところが、お金がないとなかなかやりたいことができません。また、お金があっても使い道が決まっているお金は、使えません。
厚労省は予算がたくさんあるように見えますけれども、これは法律で使い道が決まっているものなので、使えません。
経産省は予算は少ないのですが、自由に使える予算があります。役所によっても全然違います。
地方自治体の財政基盤

これは、人口規模別の地方税と地方交付税の歳入に占める比率です。地方税というのはまさに自治体の歳入ですね。
地方交付税というのは同じように見えますが、国が交付してくれる予算です。国がいったん集めたお金を総務省から各自治体に交付します。
人口規模などで決まっています。
地方交付税交付金と言っています。
中ぐらいの都市は、歳入が33%ぐらいはあります。地方税での歳入は地方自治体の意向で自由に使えます。
だんだん人口規模が少なくなると青い部分が減ってくるでしょう。
人口1万人未満のちっちゃい町村は、もう多くは,赤の地方交付税ということで、国から交付されるお金で生きているんですね。
この交付税が交付されない団体もあります。こうした「無交付団体」といういい、バリバリ儲かってる市町村です。
不交付団体は、言い方はよくないのですが、調子こいています。
逆に、交付税がほとんどの自治体は沈んでますね。
そのため、なんとかして、ふるさと納税に力を入れたりして、自主財源を増やそうと努力をしているわけです。
政策と施策
この「役所の仕組み」という本は勉強になります。これまでスライドに出した資料は、この本にあったものです。
書いた人は,島根県の浜田市の市長さんです。もともと銀行員だったのが、それから大学教授になって、その後に、市長選に出てくれるかということで、みんなから呼ばれて立候補して、当選して市長をやっている人です。
この人は全然市の仕組みとか知らなかったんですけども、やっぱり大学教授ですね。いろいろ勉強して、役所の仕組みという面白い本を書いています。
今日の講義ははっきり言って、この本に書かれてあることをベースにしています。
窪田市長さんのおかげです。窪田市長さんは、政策と政策のフローチャートはこんな感じだと述べています。

まず行政の市の課題がある。それをいろいろ政策に落とし込む。そしてもう一つは地域の、例えば浜田市だった浜田市の課題がある。
住民の方々のニーズがある。それから議員からこういう提案があった。そして自分の思い。こういったものをまとめて、うーんって、よし、やると決めたのは政策です。
政策は思いが多く含まれています。あれもやりたい、これもやりたいとかいう願望的なものもあります。
施策は実際にやるべきことです。きちんと予算の肉付けもして、具体的に進めていくことになります。施策に落とし込むには、二つのルートがあり、その接点が政策になるというわけです。すごく腹落ちした図です。

これは行政の実態です。
法律至上主義だとか、保守性とか、縦割り、無優性、格式形式主義、予算主義。いろいろがんじがらです。
そして法律はなかなかつくるのは大変です。

これが国会です。写真の右が衆議院で、左が参議院です。この2つの院を通さないと法律になりません。国会を通すために各省庁は苦労しています。

施策が生まれる時期です。トップが変わった時とかですね。予算要求の時やら、いろんな制度の見直しの時。
結果が公表された時だとか、事件があった、災害があった、陳情があった、議会で答弁した時とか、外圧とか情勢の変化、知り合いがトップになった時、対応不可とありますけれども、それは市長さんにとってみれば、いろいろ頼まれるんですね。
何度も何度も頼まれつと、「お前の言う通りばかりはできんよと、俺には俺の思いもあっちゃが」というわけですね。
施策を生むためには、皆さん方が、保健師がその行政の内部に入ってですよ、行政課題を抽出して政策としてまとめ上げる、そういうルートにも関与できますし、住民のニーズを拾い上げるのも保健師はいろいろなことができますよね。
そして、首長の思いを支える。
「首長さん、あんたこれやったらいいんじゃね」と言う。
こうしたルートからの働きかけができて、福祉と保健と医療の連携だとかですね。災害に強いまちづくりだとか、自然に健康になるまちづくりとか、いろんなことができるわけですね。
保健師というのは忍者みたいなもんですね。
両方のルートで行けます。
住民のニーズを拾って、首長にいろいろ囁き作戦を展開する。
「こうした方がいいですよ」とか飲み会でポロッと言うとかですね、ペーパーを作ってしれっと置いておくとかですね。
「これいいじゃないか! 誰が作ったのかこの資料は?」
とかいうことになるわけですね。
保健師が施策をつくる

勝利の方程式です。
施策イコール事業化です。制度、条例、予算を取って組織化することです。
成功の可能性は最初の意気込み、これが大事です。言い換えると熱意です。
怠け心×時間ですから、怠け心があるとどんどんどん最初の意気込みは減ってしまうので、怠け心を少なくして、情報をいっぱい取ってくる必要があります。
本を読んだり、同じような規模の自治体の情報をどんどん取っていくということですね。情報を手に入れて、意気込みを高くして怠け心を少なくする。
時間は平等です。
高邁な理想、誰も反対できない大義名分を掲げる。
サイエンス、科学的根拠とかエビデンス、そして浪花節、泣き落としとか、かわいげ、愛嬌、土下座、いろんな方法がありますが、最初からぶりっこしてもダメです。
突然悲しそうにシクシク泣き出すとかですね。「おお、泣かすつもりじゃなかったんだ」とか、そういうことでございまして、なんというか、首長さんに覚えられる人になるといいですね。
やっぱりサイエンスです。「私の調査によりますと、こうですね」とか、「なんとか県のなんとか村はこういうことやってますから、これをパクればいいと思います」とかですね。
「厚労省はこういうこと言ってます」とかですね、「憲法には医療はないですけど、公衆衛生はありますからね」とかなんか。「ドラッカーはこう言ってます」とかですね、なんでもいいんです。
とにかく本を読んで、キリストやブッダや宮崎の有名な上杉鷹山とかですね。高鍋は上杉鷹山です。上杉鷹山がこう言ってますといえば。高鍋はもうそれですべてが決まります。
地方には絶対的な英雄がいますので、その人がこう言っているといえば決まります。だから歴史を知るのは大事なのです。

役人の仕事は、説明ペーパーを作ることです。
一枚紙です。
そして説明する場合は、声も大事です。
小さい声じゃダメです。
セミが鳴くようではだめです。やるならクマゼミぐらいに、シャワシャワシャワといってですね、姿勢もクマゼミのように正しく、クマゼミのようにメリハリを利かせる。なんでクマゼミになるかわかりませんが(笑)。
次に絵です。ポンチ絵と呼ばれています。
ビフォーアフターがいいです。
今はこうですが、これやるとこうなりますとかわかるようなものが大事です。こういう資料をたくさん作ると、すごく勉強になりますね。
パワーポイントが基本です。
紙は普通のワードでもいいです。書きすぎて、十ページぐらい平気で作る人がいますけど、誰も読みません。
総括の紙を一枚つけて、残りは添付資料にして、「後で見といてください」というようにしましょう。「紙一枚と絵」で、説明してください。
みんな忙しいんです。短時間で物事の大事さや本質を理解していただくためにも、シンプルなものが一番いい。

施策を生み出す人は、頭がいい人もおります。
腕、剛腕で仕事する人もいます。これは。時折、無理を生んだりして、反作用も生んだり、パワハラと言われる可能性もあります。
足は、「この人マメですね」と言われます。足は意外に好印象です。
足はいい意味で使われています。足しげく通うとかですね。足は大事です。肝臓も大事ですが、今はさすがに酒飲んで仕事する人がいなくなったので衰退しています。
私は昭和の肝臓派だったので退場しました。
もう二度と復活しないと思います。
ただ、昭和も好きな人はいるので、昭和が好きな人には肝臓で勝負も可能です。「頭が良くて剛腕で、まめに足しげく通って肝臓で勝負できる」こういう人は最強です。
皆さんは何派でしょうか?
頭で勝負する人は、眼鏡をかけてキャラを作るんですよ。
剛腕の人は、やっぱ腕立て伏せ100回ぐらいして、腕力をポパイのように鍛える。
足の人はやはりハイヒールを履いたり、高級スニーカーや高級革靴を履いて足でアピールする。
肝臓の人は、やっぱりワインとかですね。宮崎だと焼酎をよく知っているとか。
ワインは私詳しいです。赤と白がありますよねとかね。
例えば公衆衛生はやはりジンですよねとか言って、黒木酒造の尾鈴ジンがお勧めですとか。そもそも公衆衛生はジンから始まったんですよとか言うと、これはすごいとか言われてですね、そういう技を身につけるというのが大事です。
私が推薦するのは足ですね。
マメに通うと、どんな人でも情がわいてくるので推薦します。
保健師の役割

保助看法の保健師の規定は、皆さん知っていると思います。大臣の免許を受けて、保健師の名称を用いて、保健指導に従事することを行とするものを言うわけです。

厚労省の健康局で、今から10年前ですね、地域における保育園士の活動に関する指針というのを出しています。現在、見直し作業が行われています。
新しい指針ができたらですね、いち早く読んで、新しい指針は昔のものとどう変わったちゃろうかと、ビフォーアフターで比較して、どんな議論が行われたのか確認してみると勉強になります。
ホームページにおそらくこの検討会のですね、議事録や資料があると思います。ぜひ見てください。
厚労省の健康局長に聞いてみました。
「現在鋭意検討してます。ビシビシ検討会を回していますので、いつかお示しできると思います」と言ってました。
健康局長のもとでどのような指針ができるかわかりませんが、乞うご期待。
ただ、これはあくまでも技術的助言です。局長の通知というのは、単なる技術的助言です。「まあ参考にしてやるわい」という余裕で見て、そしてこれを自分なりに解釈して、いろんなことにチャレンジしてもらいたいなということであります。

保健師の活動状況です。
県と中核市への特別区と市町村、直接市町村などは直接対人支援が半分ぐらい、4割ぐらいですね。
ということは、対人スキルですね。そういう、例えば母子保健だとか家庭訪問だとか、そういうスキルを市町村の人たちは磨かないといけない。
住民に直接会うので、言葉遣いとか態度だとか、あらゆる対人スキルを磨くことが大事です。
県は直接対人支援って少ないんですが、危機管理とか、まさにこういう広域な市町村がもうどうしていいかわからないときに、こういうことをしたらどうですかとかねと助言ができる保健師。
DHEATを送ろうかとかですね。
「何か私たちにできることある?」と言って、声をかける。地域支援とかマネジメントや人材育成だとかの業務があります。
健康危機管理は、県は特に大事です。事務仕事も多いので、事務的な決済とか上司にハンコをもらうとかですね、それはもうどんな職種でもやる必要があるので、そういうことをやってスキルを磨く必要があります。
まとめると県は広域的に見るスキルですね。市町村は直接的な業務ができるスキルを磨くということです。
前半はここまでにします。十分間休憩します。
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