妖怪「こなきじじい」は、硫化水素中毒である
水木しげるさんの話です。
水木しげるさんは漫画家ですが、文章だけのエッセイや自伝も面白いです。
半生を描いた「ねぼけ人生」(ちくま文庫)はおすすめです。
水木しげるさんといえば妖怪です。
「こなきじじい」という有名な妖怪がいます。
赤ちゃんの姿をして赤ん坊の泣き声で人を引き寄せ、抱き上げた瞬間に重くなって人を押しつぶす恐ろしい妖怪です。
労働安全衛生に詳しいある会社の社長さんが、
「こなきじじいは硫化水素中毒だ」
と言っておりました。
なるほど、硫化水素は空気より重い気体で、
穴などの底の方にたまります。
硫化水素に暴露すると、
突然に頭重感がして身体が重くなり、
身動きができなくなり、
意識消失して死ぬことがあります。
火山ガスが出る山のくぼみなどが危険です。
青森県の八甲田山で自衛隊が訓練中に、
硫化水素中毒になったことがあります。

また、「さざえ鬼」という妖怪がおります。
下北半島に住む人が、好きだったさざえを三〇個ほどひとりで食べて亡くなったことがありました。
あとで、
水木しげるさんの妖怪図鑑を見たときに、
さざえ鬼という妖怪がいることを知って、
なるほどと思いました。
昔の人は、
くらしの中の安全衛生を妖怪の姿に変えて、
多くの人に教訓として知らせようとした
のではないかと思います。
もちろんほんとに恐ろしい妖怪や、
妖怪の総大将「ぬらりひょん」
お尻に目が付いている「尻目」
のように訳のわからない妖怪もいます。
新型コロナウイルス感染症対策で
一躍有名になった妖怪がアマビエです。
これも水木しげるさんの妖怪図鑑に出てきます。
熊本県の海で出てきたそうなので、
わりと身近な存在です。
私は、実はかなり前から
この妖怪に注目しておりました。
まさか、
厚労省がこの妖怪を使うとは思いませんでした。
誰が、このアイデアを使ったのか。
厚労省には相当な妖怪マニアがいる
と感じました。

麻疹対策で、
「麻しんがゼロ」をもじって、
「マジンガーZ」を使ったポスターを作った
結核感染症課長を知っております。
ポスターを見てずっこけたことを覚えております。
前の医政局長です。
