【エッセイ】余白日記・動けない日
どうしても動けない日がある。
身体が重い。
眠い。
そういうことではない。
なぜか、動けない。座れば、そのまま固まる。
何かをしようと思っていたはずなのに、気づけば時間だけが過ぎている。
疲れるほど動いたわけでもない。
何か大きなことがあったわけでもない。
それなのに、身体も心も前に進もうとしない。
だから思う。何かにやられているのだと。目に見えない何かに、少しずつ削られているのだと。
うまくいかないことが続く。
小さな失敗や、思い通りにならないことが積み重なる。そのたびに、気力が少しずつ削られる。
最初は気づかない。まだ大丈夫だと思っている。でも、ある日突然、何もしたくなくなる。
そして、空っぽになる。
動けないのではなく、動く理由がなくなっているのかもしれない。
何のために頑張っているのか分からなくなる。どこへ向かっているのかも見えなくなる。
目的が見えない。
進みたい場所も見えない。
ただ、やらなければならないことだけが残っている。
空っぽだから、身体も動かない。
心が置いていかれたまま、身体だけを動かそうとしているのかもしれない。
そんなとき、私は少し思う。身体から、私が離れてしまっているのではないかと。
自分の身体なのに、自分のものではないような感覚になる。何かを始めようとしても、遠くから眺めているだけのような気持ちになる。
余裕があるなら、その時間を眺めてみるのもいい。
なぜ動けないのかを無理に探すのではなく、ただ、今の自分がそこにいることを認めてみる。
けれど現実は、やっぱり動かなければならない。
止まっていたい日にも、時間は進んでいく。
私の目的ではない目的が、身体の中に詰まりすぎているから。
誰かの、こうあるべきという思いが、いつの間にか自分の中を埋め尽くしている。
本当に望んでいるものが見えなくなるほどに。
だから動けない日は、怠けているのではなく、自分の中に溜まりすぎたものを感じている日なのかもしれない。
