余白日記・平均という妖怪
平均とは何だろう。
考えているうちに、お化けのような気がしてきた。集団の真ん中、基準となる数字。それさえ見れば、その集団を理解した気になってしまう。
けれど、平均という人はどこにもいない。背の高い人も、低い人も。足の速い人も、遅い人も。個性も特徴も均して、一つの数字にしたものだ。
理解するために、人が都合よく生み出した存在なのだろう。
それなのに私たちは、「平均年収」「平均寿命」「平均点」と聞くと、それが現実そのもののように思ってしまう。平均から外れれば不安になり、平均に近づけば安心する。
でも、本当は誰も平均ではない。
そう考えると、お化けというより妖怪なのかもしれない。姿は見えない。実体もない。それなのに、いつの間にか人の考え方や行動を左右している。
平均という妖怪は、理解するために生まれた。そして、ときどき理解したつもりにさせてしまう。
