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【エッセイ】余白日記・薄い

薄い時代だと思う。
大量に作られ、大量に消費される。
通り過ぎるだけで、何も残らない。

私は年老いたとき、今の毎日を思い出せるのだろうか。
数字だけでつながった人。
流し読んだ文章。
次々に流れていく動画。
少しだけ聴いて次へ移る音楽。
どれも悪いものではない。
ただ、あまりにも多すぎる。

思い出は、量ではなく、繰り返した回数でできているのかもしれない。
何度も遊んだおもちゃ。
擦り切れるほど聴いた音楽。
暗記するほど読んだ本。
何度も通った道。
だから今でも覚えている。
振り返れば、人生は繰り返したものでできていた。
それなのに今は、繰り返す前に次がやってくる。

新しいものは増えた。
でも、残るものは減った。
きっと私は、まだ見つけられていない。
十年後も思い出せる今日を。

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