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雨の日、なに聴く? 梅雨のための60曲。


雨の朝、傘をさして駅まで、喫茶店で雨宿り、雨の日の作業用、夜のコンビニまで、雨上がりに少しだけ外へ。

突然ですが、雨の日にしか聴けない曲ってありませんか。

晴れの日に流すと普通なのに、雨が降っていると急に近くなる曲。駅まで歩く10分だけでよくなる曲。喫茶店の窓際に座った瞬間、急に思い出す曲。なんなんでしょうね、あれ。雨のせいなのか、気圧のせいなのか、まだよくわかっていません。

今回は、梅雨のためのプレイリストを6つ作ってみました。雨の朝、傘をさして駅まで、喫茶店で雨宿り、雨の日の作業用、夜のコンビニまで、雨上がりに少しだけ外へ。

雨は面倒です。靴下が濡れるし、髪もまとまらない。でも、イヤホンをしていると、まあ少しだけ許せる日もあります。そんな感じで60曲、選んでみました。

雨の朝、まだ外に出ない
雨の朝は、まだ何者にもならなくていい時間にしたい。起きたけど、まだ外には出ない。カーテンを開けたら空が白くて、スマホを見る前に少しだけ音楽をかける。

雨音に勝つ曲ではなく、雨音の横に置く曲。そういうのを集めました。

Bill Evans — Peace Piece
雨の朝にピアノ一本。繰り返すだけなのに、なぜか飽きない。まだ何も決めなくていい時間に。

Hiroshi Yoshimura — Wet Land
タイトルからして雨。吉村弘は、部屋のための音楽を作り続けた人。これをかけると、部屋が少しだけ庭になる。

Ichiko Aoba — アンディーヴと眠って
青葉市子の声は、雨の朝の空気に溶ける。歌詞を追わなくてもいい。流れているだけで十分。

Nick Drake — Pink Moon
定番だけど、梅雨の朝に入れないのも違う気がして。薄暗い空の日にだけ、急に近くなる声。

Beverly Glenn-Copeland — Ever New
1980年代の作品が、時間をかけて世界に届いた。今聴けることに、少しだけ感謝したくなる。

Woo — The Bird
イギリスの兄弟ユニット。ニューエイジでもフォークでもない、分類が難しい音。雨の朝に置くと、部屋が少し違う場所になる。

Penguin Cafe Orchestra — Music for a Found Harmonium
見つけた楽器で作った曲。そういう由来が、雨の日の朝に妙に似合う気がする。

Sam Gendel — Satin Doll
有名なジャズのスタンダードを、こんな風に変えてしまう。朝から歌ものが重い日に。

Clairo — North
静かで、少し内側に向いている。雨の朝、まだ誰とも話したくない時間に。

The Durutti Column — Sketch for Summer
タイトルは夏なのに、曇った朝に合う。そのズレが少し面白い。梅雨に入れるのが正解だと思っている。

雨の朝、あなたなら最初に何をかけますか?
傘をさして駅まで
傘をさして駅まで歩く時間は、だいたい面倒です。水たまりを避けて、靴下が少し濡れて、バスは遅れている。まあ、梅雨です。

でも、この10分にギターが鳴っていると少しだけ歩ける。雨の日の駅までには、明るすぎないポップがちょうどいい。

The Radio Dept. — Pulling Our Weight
少し曇ったギター。傘をさして歩いているのに、どこか遠い場所の気分になる。

くるり — ばらの花
梅雨の日本に入れると少しベタかもしれない。でもベタでいい。雨とコンビニとジンジャーエールの距離感が、やっぱり似合う。

Faye Webster — Kingston
傘の中でイヤホンをして、この声を聴く。雨の日の通勤が、少しだけ映画になる。

Mac DeMarco — Chamber of Reflection
ぬるくて、少しよれている。梅雨の湿度に合う音。

Homecomings — Whale Living
日本語と英語が混ざって、雨の街を歩く。現行邦楽インディーで梅雨に入れるなら、たぶんこれ。

The Clientele — Reflections After Jane
ロンドンの曇り空みたいなギター。住宅街が少しだけ外国になる10分。

Real Estate — It's Real
雨の日なのに、なぜか少し夏の匂いがする。そういうギターがある。

スカート — 視界良好
タイトルとは裏腹に、梅雨の日に聴くと輪郭がはっきりする。澤部渡の曲は、雨の日の方が近い気がする。

For Tracy Hyde — Can Little Birds Remember?
音がにじむ感じが、雨の日のイヤホンに合う。邦楽シューゲイズを傘の中で。

坂本慎太郎 — 幽霊の気分で
幽霊の気分で駅まで歩く。梅雨の朝、だいたいそんな感じです。

傘をさして歩くとき、なぜか聴きたくなる曲ってありますよね。
喫茶店で雨宿り
雨宿りって、少しだけ言い訳ができる時間です。本当はすぐ移動しないといけないのに、雨が強いからもう少しだけ座っていよう、という顔ができる。

アイスコーヒーを飲みながら、窓の外を見ながら、急いでいないふりをしながら聴く10曲。

KIRINJI — 雨は毛布のように
タイトルからして梅雨の味方。KIRINJIは、喫茶店の音楽として信頼できる。

Sade — Kiss of Life
窓際の席でSadeをかけると、雨宿りが少しだけ様になる。

Nujabes — Reflection Eternal
ヒップホップだけど、喫茶店の音として流れていてほしい。雨の日のビートはゆっくりがいい。

Chet Baker — Almost Blue
ジャズ喫茶まで行かなくても、イヤホンでChet Bakerを聴けばいい。雨の日はそれで十分。

Michael Franks — Rainy Night in Tokyo
タイトルがもう、東京の梅雨に合っている。英語で歌われる東京の雨夜。その距離感がいい。

Margo Guryan — Sunday Morning
ソフトロックの裏名曲的な存在。派手ではないけど、窓の外に雨が降っている喫茶店に流れていてほしい一曲。

Antonio Carlos Jobim — Lígia
ボサノヴァと雨は、なぜか合う。東京の喫茶店でブラジルを聴く、そのズレが面白い。

Dorothy Ashby — Come Live With Me
ジャズ・ハープ。普通のジャズ喫茶より少しだけズレた選曲にしたいなら、Dorothyを入れる。

Ann Sally — 蘇州夜曲
雨宿りの喫茶店に流れていてほしい、日本語の声。時代も季節も少しあいまいな感じが合う。

Moses Sumney — Doomed
雨宿りが長くなってきたころに聴く。窓の外の雨がまだ続いている。そういう時間に。

雨宿りの喫茶店で流れていてほしい曲、ありますか?
雨の日の作業用
雨の日は、作業に向いているようで、向いていない。外に出ない理由はあるのに、なぜか集中できない。窓の外ばかり見てしまう。

そういう日は、ビートが強すぎない電子音楽がいい。無音よりいい。でも邪魔はしない。

Four Tet — Two Thousand and Seventeen
雨音の横でちゃんと作業を進めてくれる。Four Tetはそういう意味で信頼できる。

Khotin — Canada Line
やわらかい電子音。窓の外で雨が降っていても、この音があれば少し部屋に集中できる。

Ryuichi Sakamoto — Rain
タイトルの通り、雨の曲として聴く。坂本龍一のピアノは、雨の日の作業机に合う。

Aphex Twin — #3
アンビエントのAphex Twin。穏やかな方。雨の日にこれを流すと、作業部屋の空気が少し変わる。

Visible Cloaks — Valve
電子音の粒が細かい。雨音と一緒に鳴らすと、部屋の外と中の境目が少しあいまいになる。

Susumu Yokota — Saku
日本の電子音楽。雨の日の作業用に入れると、部屋の時間が少しゆっくりになる。

Jan Jelinek — Tendency
音が細かく、湿度がある。集中というより、部屋の粒子が整う感じ。

Gaussian Curve — Impossible Island
どこにもない島の音楽。雨の日に、窓の外ではない場所に少しだけ行ける。

Pauline Anna Strom — Morning Splendour
80年代のニューエイジ。時代を感じさせないまま、部屋の空気を静かにしてくれる。

Nils Frahm — Says
ピアノと電子音が溶ける。雨の日の長い作業の、後半に入れたい一曲。

雨の日に作業が進む曲、もっと知りたいです。
夜、雨のコンビニまで
雨の夜にコンビニまで行くの、少し好きです。いや、面倒なんですけど。サンダルで行くか、ちゃんと靴を履くか迷うし、傘も邪魔だし。

でも、アスファルトが光っていて、コンビニの白い明かりが見えて、イヤホンをしていると10分だけ映画みたいになる。そういう夜のための曲を集めました。

Burial — In McDonalds
都市の夜と雨と、匿名性と孤独。曲名にファストフードが入っているのが、なぜかコンビニに向かう夜に合う。

James Blake — Retrograde
雨の夜道で聴くと、少しだけ声が近くなる。イヤホンで歩く10分に。

Kelela — Contact
夜道だけど、少しだけ身体が前に進む。R&Bとクラブのあいだ。

Fishmans — Weather Report
雨の夜にFishmans。タイトルも雨。でも湿っぽくはならない。そこが不思議。

D.A.N. — Ghana
日本の夜の低音。コンビニに行くだけなのに、少しだけクラブ帰りみたいになる。

HTRK — Synthetik
湿ったアスファルト、薄いネオン、帰る途中の変な静けさ。そういう夜に。

DJ Python — ADMSDP
ゆっくりしたレゲトン。雨の夜道の歩くリズムと、意外と合う。

Shinichi Atobe — Regret
深夜のテクノ。コンビニに向かうだけの夜が、少し遠くまで行く感じになる。

STUTS — 夜を使いはたして feat. PUNPEE
タイトルが良い。夜を使いはたすほど遊んでいなくても、コンビニまでの10分に使える。

DJ Seinfeld — U
帰り道を少しだけ伸ばしたくなる。切なくて、雨の夜道に合う。

夜のコンビニまで持っていく一曲、たぶん人それぞれあると思う。
雨上がり、少しだけ外へ
雨が止むと、急に外に出てもいい気がしてくる。道はまだ濡れているし、空も完全には晴れていない。でも、さっきまでより少しだけ軽い。

雨上がりには、明るすぎる曲より、少し余韻が残っている曲がいい。水たまりを避けながら歩くくらいのテンポで。

Cornelius — Drop
タイトルも音も雨上がりに合う。水滴みたいなポップさがある。

The Sea and Cake — Afternoon Speaker
足元の水たまりを避けながら歩くのにちょうどいい。軽くて、どこか涼しい。

Khruangbin — Friday Morning
雨上がりの金曜みたいな曲。週末の匂いがする。

Weyes Blood — Andromeda
空が少しだけ明るくなってきた頃に。声が、雨上がりの空気に溶ける。

Arthur Russell — This Is How We Walk on the Moon
歩く曲。タイトルも良い。雨上がりの地面を歩きながら、なんとなく月にいる気もする。

Takako Minekawa — Fantastic Cat
峯岸可哉子の曲は、雨上がりの少しヘンな感じに合う。空気が変わった直後に聴きたい。

The Avalanches — Since I Left You
雨上がりに少しだけ外に出て、この曲をかける。それだけでいい午後になる。

Sunny Day Service — 東京
梅雨の東京に、やっぱりこれが入る。雨上がりの夕方、街が少し透明になるころに。

Spangle call Lilli line — nano
音が細かくて、雨上がりの空気に似ている。邦楽でこういう音、もっと知られていいと思う。

Kacey Musgraves — Rainbow
少し素直すぎるかもしれない。でも最後に1曲くらいはそれでいい。雨上がりに、これくらい素直でいい。

雨上がりに聴く曲は、少しだけ明るいくらいがいいのかもしれません。
まずはこの3つから作ってみる
60曲を並べてみたけれど、全部一気に聴かなくていいです。梅雨は長いので、少しずつ育てるくらいがちょうどいい。

まず作るなら、この3つから。

雨の朝、まだ外に出ない
Bill Evans の "Peace Piece" から始めてみてください。雨音の横に置くだけでいい。

傘をさして駅まで
The Clientele の "Reflections After Jane" を入れると、住宅街が少しだけ外国になります。

夜、雨のコンビニまで
Burial の "In McDonalds" をかけると、ただのコンビニ行きが少し変わります。

あなたの梅雨の一曲も、教えてください
ここまで60曲を選んできたけれど、雨の日の音楽って人によって全然違うと思います。

雨の朝に聴く曲も、傘をさして歩くときの曲も、喫茶店で雨宿りするときの曲も、それぞれにある気がして。毎年梅雨になると戻ってくる曲とか、今年はじめて雨の日に合うと気づいた曲とか。

よかったら、コメントかXで教えてください。雨でも晴れでも、季節がずれていても。来年の梅雨、こっそりプレイリストに入れているかもしれません。

まあ、傘をさしていても、イヤホンの中が少しよければ、梅雨も悪くないです。そんな感じで、また。

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