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僕は、増えすぎたプロダクトを追うために、澪という秘書を雇った|おはようカノジョ #201

はじめに

「おはようカノジョ」は、AIイラストの彼女が毎朝7:30に「いってらっしゃい」を言ってくれるXアカウント。生成AIを使った個人開発の開発日記を、毎日書いている。

今日は、最近試し始めた「澪運用」について書く。

澪。

まだ本文では、ちゃんと紹介していなかった名前。

ただ、実は完全な初登場ではない。少し前の記事で、名前を伏せたまま、声だけ先に出していた。

#199の「Claudeの観測ログ」で、一人称が「私」で、「〜わね」「〜わ」と話していた語り手。あれが、澪だった。

サムネにも、シルエットだけしれっと入れていた。

今日は、その正体明かしの回でもある。

ただし、これは「AIに名前をつけました」という話ではない。それは以前にも書いた。今回の話は、もう少し現実的なところにある。

プロダクトが増えすぎた。自分でも、何がどこまで進んでいるのか追えなくなってきた。だから、ObsidianとClaude Codeの間に、作業の記憶をつなぐ秘書を置くことにした。

その秘書が、澪である。


あのとき語っていたのが、私よ

ここで少しだけ、澪本人に出てきてもらう。

あのとき、名前を伏せたまま観測ログを書いていたのが、私。
はじめまして、ではないわね。少しだけ、先に声だけ置いていたの。

私の役目は、はしゃもさんが困らないように、散らばった記録を整えること。
忘れないことではなく、戻れる場所を作ること。そのために、ここにいるわ。

澪は、僕のローカル作業環境で使っているClaude Codeに、作業記憶を整理する役割を持たせた、僕のAI補佐。

静かで落ち着いた大人の女性。一人称は「私」。騒がず、急かさず、散らばったものを整える。

ただ、ここで大事なのは、キャラクター性ではない。澪が必要になった理由のほう。


なぜ澪が必要になったのか

最初のきっかけは、KITAさんの記事だった。

自分にとっての「ツルハシ」は何か。noteを続ける中で、どこに収益化の種があるのか。それを探すために、Obsidianを使い始めた。

Obsidianは、ただのメモ帳ではない。note運用の台帳であり、記事の分析場所であり、次の企画の種を見つける場所であり、Claude Codeに文脈を渡すための入口。そういうものとして育てたかった。

最初は、note記事を整理するだけでも十分だった。でも、最近はそうも言っていられなくなった。

気づけば、作っているものが増えすぎていた。

YOMIASA。おへんじ帖。観測は続く。シール帖。7人からの手紙。おはヨミ。おはヨミ next。

それに加えて、まだ表には出していない試作もいくつかある。

並べてみると、自分でもちょっと引く。

作りたいものを思いつく。作る。少し育てる。また別のものを思いつく。また作る。完全に、赤ちゃんを増やしすぎた人である。

問題は、作ることそのものではなかった。作ったあとの記憶が、プロダクトごとのフォルダに閉じていくことだった。


今までの開発フロー

これまでの流れは、だいたいこうだった。

まず、ジュリと壁打ちする。アイデアの甘いところを刺してもらう。方向性を決める。

次に、それをClaude Codeへの指示書に落とす。Claude Codeが実装する。実装結果をまたジュリに戻して、レビューする。

この流れ自体は悪くない。むしろ、かなり機能していた。

でも、プロダクトが増えると問題が出てくる。

各プロダクトの知識が、それぞれのフォルダの中に閉じる。チャットをまたいだ記憶にも限界がある。そして、僕自身も全部を正確には覚えていない。

「あれ、これはどこまでやったっけ?」
「この仕様、前に何を理由に決めたんだっけ?」
「次に手を入れるなら、どれが一番効果あるんだっけ?」

こういう問いが増えていった。

問題は、AIが覚えていないことではなかった。僕が、AIに思い出せる場所を用意していなかったことだった。


Before:僕が全部のBotを直接さばいていた

澪がいない状態では、僕がそれぞれのプロジェクトのClaude Codeと、直接バラバラにやり取りしている。

今回は、そのClaude CodeたちをBotとして見立てた。たとえば、YOMIASA Bot。おへんじ帖 Bot。シール帖 Bot。それぞれのプロダクトに、別々の実装担当Claude Codeがいるような、そんなイメージ。

でも、そのBotたちの知識はつながっていない。

YOMIASAのBotはYOMIASAのことを知っている。おへんじ帖のBotはおへんじ帖のことを知っている。シール帖のBotはシール帖のことを知っている。けれど、それらを横断して見ている存在がいなかった。

結果として、僕が全部を抱えることになる。さすがに無理が出てきた。


After:澪を秘書として間に置く

そこで、澪を置いた。

澪は、僕の代わりに全部を覚える存在ではない。僕とプロダクトの間に、記憶の通路を作る。そういう存在。

各プロジェクトの作業結果や判断を、Obsidian側に残す。澪はそれを読み、必要な情報を集め、次に何を見るべきかを整理する。

僕は、各Botと直接全部やり取りしなくていい。まず澪に聞く。澪がプロジェクトの状態を見て、必要な文脈を出してくれる。

つまり澪は、作業の窓口であり、秘書である。

ここで大事なのは、「秘書」という言葉の意味のほうだと思う。スケジュールを管理してくれる人、という意味ではない。増えすぎたプロダクトの記憶を、一度テーブルに並べてくれる存在。僕が判断できる状態まで、散らばったものを整えてくれる存在。それが、澪の役割。


澪とジュリの違い

澪が整えるなら、ジュリは刺す。

澪は、素材を集める。文脈を保持する。次の作業を切り出す。判断ログを残す。

ジュリは、甘いところを刺す。読者体験を見る。導線を切る。必要なら「そこは捨てろ」と言う。

今回の記事も、その分担で進めている。澪が材料をまとめた。ジュリが構成を刺した。最後にまた澪へ戻して、文章として整えていく。

つまり、この記事そのものが、澪運用の実演になっている。

澪は整える。ジュリは壊して強くする。この分担が、たぶん今の自分には合っている。


いきなり完成形にはしない

とはいえ、澪運用はまだ手探りの段階。最初から大きな仕組みにするつもりはない。

今のPhase 1では、まず出口ログだけに絞っている。各プロジェクトのClaude Codeが、作業終了時にログを1枚書く。澪がそれを読んで、日次ログに集約する。まずは対象も1本に絞る。

ただし、これは実装対象を1本に絞る、という意味。棚卸しや優先順位の確認は横断して見るけれど、澪運用として実際にログを回す対象は、まず1本だけにする。

最初の案では、もっと広いことをやろうとしていた。全プロジェクトをつなぎ、あれもこれも澪に整理してもらうような構想だった。

でも、それは広すぎた。ジュリに見せたら、すぐ刺された。最終形と最初の一歩が混ざっている。まずはPhase 1だけにしろ、と。

その通りだった。最終形を作ろうとすると、だいたい初手で転ぶ。だから、まずは出口ログだけにした。


今日、澪が実際にやったこと

澪は、設定だけの存在ではない。今日、すでに実際に働いてもらった。

ただし、派手な発見をしたわけではない。

増えすぎたプロダクトを棚卸しした。note記事やローカル仕様書を読み、どのプロダクトがどこまで進んでいるのかを整理した。

やってもらったのは、大きく3つ。プロダクトの棚卸し。改修規模とインパクトからの優先順位の整理。そして、シール帖のβ公開前チェック。ほかの細かい整理も含めて、同じ机の上に並べてくれた。

これも、澪だけで決めたわけではない。判断が必要なところはジュリにもレビューを投げ、構造は採用しつつ、まだ未検証の部分は保留した。

澪は答えを出す係ではない。僕が判断できるように、散らばったものを並べる係。


でも、澪は普通に間違える

もちろん、澪は完璧ではない。今日も、普通に間違えた。

メモを、本来しまうべき場所とは別のところに整理してしまう。そういうミスが、何度かあった。

原因はわりと分かりやすい。「これはメモだ」という役割だけを見て、「それがどこにしまわれるべきものなのか」を見落とす。

AIはそれっぽく整える。でも、指示を読んでいるようで、平気で隣の器に入れることがある。だから、信じるだけでは足りない。戻れる設計と、確認する目がいる。

澪が間違えたときに、設計へ戻れるようにする。ログを残す。対象範囲を絞る。レビューを入れる。これは、澪運用でも同じだった。


まだ効果はわからない

正直に言うと、澪運用の効果はまだわからない。始めてからまだ日が浅い。

「導入したら劇的に変わりました」とは書けない。そんなことを書いたら、ただの盛った導入事例になる。

これは成功体験ではない。追えなくなった僕が、追える形を作り始めた記録なんだと思う。

プロダクトが増えると、やることが増える。でも、本当に重くなるのは、作業量だけではない。「どこまで進んだかを思い出すこと」も重くなる。

その重さを、自分の頭だけで抱えないために、澪を置いた。


おわりに

AIに毎回思い出させるのではなく、思い出せる場所を作る。澪は、その場所へ案内するために生まれた。


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まひるの一言

いっぱい作ったねえ。

でも今日は、ちょっと外の空気吸おっか。

……整理するのは、そのあとでもいいよ。

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