アールデコの美とジュエリー
※この記事はHASUNAのPodcast番組「Gemstone Journey 宝石と旅に出よう」2025年10月22日配信分の要約です。
こんにちは、ジュエリーブランドHASUNAの白木夏子です。
今日は、20世紀を代表する芸術様式「アールデコ」についてお話ししたいと思います。2025年の秋は、全国の美術館でアールデコ展が開催されるなど、再び注目を集めている年。100年の時を経ても色あせないその美しさと、HASUNAのジュエリーとの深いつながりについてご紹介します。
アールデコとは? ― 近代と女性の自由を象徴するデザイン
アールデコは、1920年代から30年代にかけて花開いた芸術様式です。第一次世界大戦後のパリで誕生し、建築・ファッション・工芸・ジュエリーなどあらゆる分野に広がりました。
それまで主流だったアール・ヌーヴォーが花や植物など自然をモチーフとした有機的なデザインだったのに対し、アールデコは幾何学模様や直線を多用した、都会的で洗練されたスタイルが特徴です。産業の発展とともに、社会へ進出していった女性たちの姿勢とも共鳴するデザインでした。
ココ・シャネルがもたらした“自由”という革命
アールデコの時代を語る上で欠かせないのが、デザイナーのココ・シャネルです。それまで女性の服は、ウエストを締め付けるコルセットや動きにくいシルエットが当たり前でした。そんな常識を打ち破り、シャネルは女性を束縛から解放するシンプルで機能的な服を提案しました。
シャネルスーツやリトルブラックドレスに象徴されるように、彼女のデザインは“自由”と“モダン”を体現し、アールデコの精神と響き合っていました。女性が社会で自分らしく生きるためのスタイルが、この時代に確立されたのです。
宝石と建築に宿るアールデコの美
アールデコの特徴は、ジュエリーや建築にも鮮やかに表れています。
カルティエやヴァンクリーフ&アーペルは、直線的でシンメトリーなデザインを打ち出し、宝石の使い方にも革新をもたらしました。オニキスやラピスラズリ、エメラルドとダイヤモンドを組み合わせ、強いコントラストを生むデザインが生まれたのもこの時代です。
さらに、古代エジプトやアジア、アフリカなど異文化のモチーフを大胆に取り入れたのもアールデコの魅力。国際的で開放的な空気を感じさせるデザインが多くの人々を惹きつけました。
HASUNAが受け継ぐ“普遍的な美しさ”
HASUNAでも、アールデコからインスピレーションを受けたデザインを多く制作しています。
私たちのデザインコンセプト「Perpetual(パーペチュアル)」は“永続的”“普遍的”という意味を持ちます。1920年代のアールデコのジュエリーには、100年経ってもなお美しいと感じられる不変の魅力があります。
それこそが私たちが追い求める「普遍的な美しさ」なのです。
HASUNAのジュエリーの中には、中東やイスラムの建築モチーフを思わせるデザインもあります。これもアールデコの時代に生まれた異文化への憧れと、美の多様性を現代に受け継いでいる証といえるでしょう。
100年経っても新しい美を
アールデコのジュエリーを今の目で見ても、決して古びることはありません。むしろ、そのモダンさやエレガンスは、今なお新鮮な驚きを与えてくれます。
HASUNAのジュエリーもまた、100年後に見ても「美しい」と感じていただけるような存在でありたい。そう願いながら、私たちは日々デザインを生み出しています。
次回は、東京で開催されているアールデコ関連の展覧会をご紹介します。建築やジュエリーの実物を通して、アールデコの世界を体感できる貴重な機会です。どうぞお楽しみに。
