【#創作大賞感想】警察官だって人間だ!
本日5本目は八神夜宵さんの「桜の大門~警察学校物語~」を書かせていただきます。
警察学校というと、私はいつもドラマの「教場」を思い出してしまいます。放送から何年も経つのにあのドラマは強烈で。キムタク扮する教官が内部の膿を出し、正しい警察官として育てるために様々な試練を与えていく内容だったのですが。
慄きました。ミステリーなので仕方がないのですが、キムタクの試練が「それやりすぎじゃね?」ってものもあったんです。集まって来た生徒も一癖も二癖もあって。だからこそ面白く見れたのですが、あのドラマ以来、交番の前を通る時、
このお巡りさんも大変な目に遭っていたのかな
と思うようになってしまいました。そんな私に笑顔で挨拶をしてくれる若い警察官の方に心の中で「よくぞひねくれずに勤務してくれて!」と同情する毎日を過ごしていた私。ドラマ「教場」は警察学校は怖いとことという考えを見事に刷り込んだのです。
それゆえ八神さんの「桜の大門」を読む前はドキドキしました。一筋縄ではいかない生徒とそれを押さえつけようとする恐ろしい教官が出ると覚悟もしました。冒頭の大門は、それを想起させる形で描かれていたし。でも、これ、八神さんのひっかけだったんですよねぇ。
この作品は私の歪んだ知識を整えてくれました。普通の学校と違い、給料が出ますし規律は厳しいです。そのため、脱落者も出ます。試験を受け入学してきた若き警察官は真剣に学校生活を過ごしますが、彼らも血の通った人間であることを八神さんは丁寧に描いてくださいました。
一般人と、正義への対応が違うのも当然です。特に警察学校に通う間は、事件が起こっても制約もあり対応することができません。これには驚きました。これを知らずに批判をしてしまう人、SNSにいそうです。投稿って慎重にやらないといけない、自分に言い聞かせました。
そんな難しい環境にいらっしゃる警察の方々ですが、支え合い生きているという点は普通の人間と変わりません。警察学校とという特殊な環境の中で、10代から20代の若者が若者らしく生活している様子が、作品ではきめ細やかに表現されています。登場人物全てが輝いていました。生徒だけでなく先生も、感情豊かに描かれています。息遣いも感じるほどです。
特別に見られがちな警察関係者を、イベントや大会での交流を描きながら、人間として描かれていることに私は感動を覚えました。
最後の主人公と懐かしの人物との出会いには目が熱くなりました。これからは交番の前を通る時は心の中で「いいな、青春♪」とつぶやくことでしょう。
