【全力応援#創作大賞感想】子どもにも目や耳はある!
本日は半径100m+さんの「おへその上の男」の感想文を書かせていただきます。
子どもには目もあるし耳もある、そんなこと誰でも知っていますし、理解はしています。でも、大人の事情をあからさまに子どもに伝えますか?
できません、それが我が子なら特に……
しかし、目も耳もある子どもが大人の事情を聞いてしまうと、悩みつつも乗り越えるか、挫折するかのどちらかになってしまうのではないでしょうか。
モテ男の愛人宅での死。
それは周囲にスキャンダラスな喜びを与えます。葬儀の場で、事実かどうかわからない情報を語り合う大人達から、小学生には「不要な単語」を聞いてしまった主人公。父親に似た綺麗な顔ゆえ、彼女は「不要な単語」を心の奥底に深く突き刺したまま成長するのです。
雰囲気のあまりよろしくない噂話を、子どもは本能で察知します。その場合、親に直接聞けないものとして、子どもは抱えこみがちです。こちらの主人公もそうでした。
噂話をした側は、その場では悪いと思っても、軽い気持ちなので気にもとめません。子どもに伝わった事実さえ忘れてしまいます。その軽率な発言が真綿で締め付けるように、子どもの人生をゆっくりと歪ませるかもしれないのに。
今作を読んで、私は普段の何気ない発言が怖くなりました。いつどこで誰が影響を受けるかわからないのです。噂話は怖い……本当に怖い、軽い気持ちで発する言葉は、どれほどの影響を人に与えるか……ゾッとします。
幸い、本作では後半に真実を知ることができ、主人公も母親も前を向き、未来へと進むことができました。ほっとしつつも私は、子どもには「耳もあるし目もある」ということを忘れない大人でいたいと思いました。
世の中には、残酷な事実や真実からズレた情報で、心を痛める出来事が存在します。そのため大人は、真実を曲げて伝えてでも子どもを守ろうとしがちです。
色々と考え、守るために発せられた言葉のため、傷つけないよう、細心の注意を払い、言葉を選び伝えるかとは思います。しかし、子どもはそれらから嘘もしくは疑問を感じてしまうのです。
悲しいズレ。ズレを抱えたまま日常を過ごす大人と子ども達。悪意がなくても、それは子どもと大人の間に深い溝を作るきっかけになるかもしれません。
ただ、それらの溝を乗り越える力を持った子どもが1人でも多く、育って欲しいと私は願います。個人ごとに違うであろう「わだかまり」や「ズレ」を乗り越え、成長して欲しいのです。
今年は半径100m+さんデビューの年でした。他作品も読み漁ってしまいましたよ♪
夏目漱石先生を想起した作品がこちら
更新が待ち遠しかったホラーがこちら
あらゆる半径100m+さんを楽しんだのがこちら
これからも新作、お待ちしてます♪
