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日読み 01|「歴史」ではない現在進行形の物語について

昨年の2月から1年間、地元にいるとき、夜が深まる時間帯、
お楽しみのためにひとり出かけていくことは一度もありませんでした。

1歳の息子と生活する毎日において、18時はノンストップルーティンの真っ最中。
夕飯準備、入浴タイム。お風呂を上がれば保湿と着替え。
子ども用、大人用夕飯をテーブルに並べて食べ始めるのは早くて19時。
遅くても20時から21時の間には寝かしつけがスタートします。

子どもが寝入ったのを横目に、寝室にて夜な夜なスマホで映画を鑑賞する日々です。


2025年2月9日、18時。ルーティンを離れ、私はひとり上田の街にいました。
日常を送る舞台である地元にいながら、非日常の風景は、フィクションの世界に迷い込んだように落ち着きません。

目的地は1917年創業のミニシアター、「上田映劇」。
アーティスト、寺尾紗穂さんのコンサートにやってまいりました。
君島大空さんとのコラボライブです。

寺尾紗穂さんの曲は、ドライブ中、妊娠中、出産した翌日も子どもの寝かしつけの最中も流し、聴いてきました。

「風はびゅうびゅう」
「雲は夏」
「やまのような」
「Glory Hallelujah-Cover」
「カンナ」

運転中、目の前に広がっていく長野の雄大な風景に、もちろんぴったり。
日常生活にある小さな奇跡に味わう胸の高まりを、寺尾さんの高音ボイスが、どこまでも余韻を広げてくれます。

大好きなアーティストだったのですが、今回のコンサートで掲げられているアルバムは未聴で、コンサートで聴くのが完全なお初。
寺尾さんが語る曲に込めた祈りや願いに、心をさらわれてしまいました。

「しゅー・しゃいん」

靴磨きをして生き抜いた戦争孤児を主人公とするアルバム題名曲があれば、
特攻隊が飛び立つ前に歌った曲も歌われました。

「こんばんは お月さん -Cover」は、戦争についての歌と意識して歌っていなかったけれど、歌詞を聴いていた方に、日本の軍人さんの思いが甦ってきたことがあったそう。

「こんばんはお月さん  そんなつもりじゃなかったんだ」
「こんばんはお月さん  そんな筈じゃなかったんだ」

当人の物語はいまも現在進行形で存在していて、たとえ亡くなったとしても、現代を生きている私たちと影響し合っているのだと感じます。


パレスチナとイスラエルの子どもが交流する姿を描いたドキュメンタリー映画
「プロミス」

「なんで戦争はなくならないんだ」

はじめて映画を見たとき、中学生の私は純粋な疑問を持ちました。
37歳のいま、さらなる両国の惨劇を見ることになりました。過去からつづく物語だけでなく、現在も物語が生まれつづけています。

寺尾紗穂さんが戦争と平和に向き合い表現する姿に、
「生活」に「生きる」が追いやられる必要はひとつもないのだ、
ということを思い出させられる夜でした。


寺尾紗穂さんホームページ

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