仮面舞踏会の行方【毎週ショートショートnote:お題「ゴールデンユニーク」】
たらはさん、お題をありがとうございます。貼付記事以下、参ります。
私は旅に出る。煩雑な日常から逃れるため。行き先はカーニバルが開催されている小さな街だ。
街には水路が張り巡らされ、ゴンドラで移動することができる。建物は煉瓦造りで、レトロな雰囲気を醸し出している。
夏を迎えるために開催されるカルナバル。思い思いの仮面を被り、人々が祭りに興じる。露天では仮面が売られ、私のような旅行者でも仮面舞踏会気分を味わうことができる。
ずっとずっと願っていた、行きたいと思っていたその場所に、私は漸く辿り着いたのだ。
カサノヴァを気取る者、猫の妖精王・ケットシーに扮する者。人に人が続き、やがては行列になり、辻音楽家が奏でる音楽に合わせて踊りながら歩く。
歩く毎に血が湧き踊っていくのを感じる。どこまでも歩いていけそうだ。行列は先頭のカサノヴァ、その次にケットシー、仮面を付けた人々が続く。私もその後に続いて歩き踊った。
気付くと日が傾いている。そろそろ宿に戻らねば。そう思った私に声が掛かる。
“分かるのかい?どこに帰るのかを”
私が立っているのは袋小路。日は陰り夕闇が深くなる。笑う黄金の仮面だけが、私の目の前に見えていた。
(467字)
よろしくお願い申し上げます。
作中の街のイメージをAIイラストとして生成してみました👇

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