循環する音
20~15年ほど前に、一時コンシュマーゲームに興じていた時期がある。今、こうしてネットで拙文を綴るのは、その頃の残響を聴いているのと、少しだけ似ているのかもしれない。
FINAL FANTASY Ⅹ- 2。賛否両論が(特に、本編を補完する小説やボイスドラマ(Ⅹ- 2.5)によって)あったゲーム。そんな中で「これを聴くためにPS2をつけっぱなしにしていた」と語るユーザーが少なくない、良曲であり名曲と呼ぶに値する曲である。
久遠 ~光と波の記憶~
作曲:松枝 賀子 / 江口 貴勅 編曲:松枝 賀子 / 江口 貴勅
FF10は私も私なりに楽しんだ。10-2は戸惑いながらも真エンディングには心温まる思いがした。2.5に関しては、ネット情報でしか把握していない。私のコンシュマーゲーム歴はPS2で止まっているからだ。
マガジンにまとめている「FanFiction Novel」は、その頃の残滓とも言える。FF10の二次創作小説は👇
2000年のはじめ、2003だったか。突然「北海道旅行がしたい。ナビをお願いできないか」とネットの知人、新社会人である若者から頼まれたことがある。連休まで二日、唐突な頼みに戸惑いながら「目印にパイン のキーホルダー持っていくね」とMSNメッセンジャーで話した。
空港で出迎えた時、私は彼女の姿を認めると、キャラクターのフィギュア付きのキーホルダーを目の高さに掲げて「はじめまして」と挨拶をした。彼女も初対面の挨拶を済ませた後に「本当に持ってきたんですね」と言って笑った。呆れたのかもしれない、小母さんの子供じみた行為に。
それは児戯であり、私が示すことのできる唯一の誠実さだった。それがあってはじめて、仮初めの繋がりが現実に降りていけるのだと、「こんなもんだろう」と投げやりに諦めてしまうなと、言外に告げた老婆心であった。
激務に疲れ、北の大地に一時逃避したい。そんな気持ちがあったらしい彼女は、当地を離れる前にこう言った。
「次は一ヶ月前に計画をはじめます。少なくとも半月前には」
そうしてくれることを切に願った。彼女が旅を思い立ったのは、北海道の地を踏む3日前。宿に空きがあったのは奇跡に近い。私が選定し、電話予約は本人に行ってもらった。なお、カラオケで夜を明かせばいい、とも思ったらしい。若さゆえの無謀も時には良いが、何より危険極まりない話だ。
ヤケになっていたかもしれない。
彼女はそう口にした。気持ちは分かるが実行してはいけないよ、お嬢さん。声に出さず、私は静かに頷いた。
余談だが、旅した彼女の御母上は、私と同世代であった。さもあらんと思う。
昔話も昨日のできごとも。ネットの上に綴ってしまえばチカチカと点滅する一瞬の瞬きにしかすぎない。
過ぎないからこそ、さり気なく、語りすぎず。
そして、語るべき時には言の葉を紡げたらと思う。
この文章を綴りながら「久遠」をヘビロテしている。10年振りに。そんなとりとめもない話を。
彼女は今どうしているだろうか。健勝であることをそっと祈り、拙い文の終わりとしたい。そして、路地裏から表通りに戻っていこう。
いつもの「路地裏話」と文体が違いますが、こんな #なんのはなしですか もあるのです。春永の筆には。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。次回の開門時に、またお逢いしましょう。


#なんのはなしですか
#久遠 光と波の記憶
©2023-2026 Harunaga Mutsuki
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