XYZと呼ばれるものは【毎週ショートショートnote:お題【「ナンパ細胞」】
たらはさん、お題をありがとうございます。貼付記事以下、参ります。
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最初にはっきりと、これだけは言っておかねばならない。これから俺が挑もうとする試練、それは俺という人格を形成する重大な要因、それを維持するために欠くべからざることなのだ。
マホガニーのカウンター、よく磨き込まれたその盤面は艶やかな光沢を放っていて、店内の落ち着いた照明を鏡のように映し出していた。流れてくるのはジャジーなBGM。俺はいつもの特等席、カウンターの一番奥に陣取る。
やがて、俺の目を惹きつけて止まぬ存在がやってくる。艶のある黒髪を後ろに流したロングストレート。黒で統一されたパンツスーツ。化粧はナチュラルに見えるが、ナチュラルメイクというものは上級テクニックだという。これはこのミッションを成功させるために覚えたこと。
完璧ではないか。
ミッション、スタート。
「あちらのお客さまからです」
彼女の前にギムレットが差し出される。彼女はバーテンダーにこう告げた。
「ドラマの中だけかと思ってました、そんな気障なこと……(嘘でしょ、正気?)お断りしますね。いただく理由、ないので」
かくて今夜も、俺の細胞は撃沈する。……正気だよ、悪かったな。モテぬ男は頑張ってるんだよ。呑んでくれたっていいじゃないか。
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※ヘッダー画像=サムネ・見出し画像 はCanvaのAI機能で生成したものです
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