「日記風エッセイ」を記してみたら
(868字・拙稿内442字)
逆日記=時系列を逆とする日記記述があります。逆思考とも呼ばれるようです。私は「日記が書けない」=何月何日、天候、起床時間・業務結果、就寝時間、という箇条書き=日報(苦笑)と化すのです。
深層心理を掘れば、恐らく「己の愚を愚痴りたくない、それを文字として残したくはない」という思いがあるのだろうな、と自覚しつつ。この歳になるまで書けなかったものを、今更どうこうしようとは思いませんが💦
これは、私が実体験に基づく(文字通りの)エッセイを綴ることが不得手であることと、背景が共通している気がします。「随筆」という文学を嗜好するためもあるのですが(エッセイの素晴らしさは強く肯定、企画参加もしております。その点をご理解賜りたく)
さて。これから綴るのは、そうした「時系列を問わぬ創作」です。もしよろしければ。
日時不詳・初秋
天候は晴れ時々曇り。いまだ夏が大きな顔をして居座っているから、1日を通してのピーカンは御免だ。
地域のゴミ回収は、暑くならぬうち、早朝に済ますことに決めている。物音を立てぬようにドアノブを回し、鉄でできたドアを開閉するのにも慣れた。どことなく悪事を働いているような気分になる自分を薄く笑いながら。
数日前に皆既月蝕があり、満月も過ぎた。Corn Moon、トウモロコシの収穫月と呼ばれる9月の満月は赤く輝いていた。
その名残の月が、朝が明けきらぬ早朝には西の空に居残っていた。日の出には西に沈む月は、わずかに下弦、下から欠け始めている。
肉眼でクレーターが見えている。その形は、今見ると兎が餅を搗いているようには見えなかった。
宇宙開発技術が進んだ今、あの月の上、豊かの海 で、ウサギの耳はピクリとも動かないのだろう。
早朝からさもない夢想にひととき思考をさらわれた自分。脳内はいまだに眠っているようだ。用事はとうに済ませた。さて、現実の朝に帰還しようか。

©2023-2025 Harunaga Mutsuki
いいなと思ったら応援しよう!
拙稿をお心のどこかに置いて頂ければ、これ以上の喜びはありません。ありがとうございます。