「断罪は踊る」毎週ショートショートnote|お題【連続達人事件】
たらはさん、お題をありがとうございます。貼付記事以下、参ります。
※尚、少しですが血の表現及びホラー要素を含むことを、ご閲覧の際には予めご了承いただきたく存じます※
技能が高く「達人」と呼ばれる存在は貴重で尊敬されるものである。その達人たちの姿が次々と消えていく。事件の解明は困難を極めていた。
手掛かりは現場に残されたただひとつの「メッセージ」。達人が世に出した最高傑作(チェスの棋譜、刀、数学の公式)が血にまみれていることだけだった。
「Police集団もお手上げかしら?」
不敵な声が響く。世界一の頭脳を自称する探偵・谷川怜。冷ややかな捜査陣の目を気にせず、怜はプロファイリングを開始する。脳裡に一人の男、昔なじみでもある一人の名前が浮かび上がった。
「この思わせ振り……あなたね、透」
※ ※ ※ ※ ※ ※
「今回は是非観て欲しい。貴重な瞬間を目撃することになるだろう」
暗い瞳と声で告げられたのは、彼のリサイタル会場だった。山埼透は3年前の世界コンクールで準優勝、日本でも十指に入ると言われているピアニストだ。輝かしい彼の現在と未来は、瞳の影に塗りつぶされる。
「音楽は芸術。芸術には不純物が存在してはならないんだ」
その言葉が怜の耳に谺する。彼女は会場へと急いだ。
「野蛮人どもに最高の芸術を教えてやろう」
コネクションを駆使して舞台の袖に立った怜。その瞳に映ったのは、何かに取り憑かれたような透の顔と声だった。グランドピアノを叩く度に深紅の飛沫が立ち上り、やがて88個の鍵盤全てが紅く染まる。
演奏されるバッハ「トッカータとフーガ ニ短調」が終わりに差し掛かったとき、舞台中央から客席に何かが投げ込まれる。
それは透の血にまみれたピアノの鍵盤と、血まみれの爪だった。
※ ※ ※ ※ ※ ※
異常行動及び脅迫罪に問われた山埼透の供述は、以下の通りである。
「欠点の目立つ輩が世間からもてはやされるのが我慢ならなかった。僕こそがその頂に立つべきなのに……だから世間に、その愚を思い知らせたかった」
連続失踪事件。それは「監禁事件」であった。行方不明のチェス・グランドマスター、人間国宝の刀鍛冶、世界最高峰の数学者は、山埼透が借家契約していた古びた民家の地下に閉じ込められていたのだ。体を縄と鎖で縛られ、猿轡を嵌められて。彼の逮捕があと少し遅れていたら、監禁は殺人に発展しただろう。事件は最悪の結果を回避して終わり、その記憶はやがて世間から忘却されていく。
「怜。君は僕を忘れないでくれ。もし忘れたなら、その時は—」
捜査協力者として感謝状授与を打診され、それを辞退した怜は、透の部屋を訪れ、自分に宛てた置き手紙を見つける。その言葉に禍々しさを覚えつつ、それを振り切って、彼女は部屋のドアを開け、外へと歩きはじめた。
(了)
拙稿題名:断罪は踊る
総字数:1121字
よろしくお願い申し上げます。
【余談という名の言い訳(深謝)】
ミステリー的なストーリーを綴りたいと思いつつ、苦手分野で今まで叶わず。今回「ネタ出し」=プロットのみGrok3にて生成、それを切り口にして綴りました(本文執筆は私・春永睦月、プロットも改編しました)目安文字数410字を大幅にオーバー💦1000字越えとなりましたこと、お詫び申し上げます。
本文内に出てくるピアノ曲は以下のものです。
嘉門タツオさんの「例の曲」😂でも有名ですね(蛇足の蛇足)お粗末でした💦 ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
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