【ショートショート】感脳。
脳を溶かしてあげたらいいのだと思う。
とろりと甘く。
彼女は想像力も豊かで、素直な人だから、うまく導いてあげられたならきっと。
文字のやりとりを続けていて、そこには親密な時が流れていて、息づかいまで聴こえるほどで。
─こっちにおいでよ。
─うん、ギュってして。
─ギューーー。
─ギューー。あったかい。
─チュ。
─チュ…。
そのまま、耳に、首すじに、唇を這わすのを、彼女は文字だけで感じていく。
─きれいな鎖骨。
胸元。
─服がじゃまだね。
─…脱ぐ?
─脱ごうか。
文字のやりとりが途切れる間は、彼女の仕草を待つ時間で、そこには、ためらいや恥じらいが交じり、そして。
─脱いだよ。
─きれいだ。もう止められないからね。
─うん。嬉しい。
潤んだ瞳、滑らかな肌を撫であげる。すでに文字には、色と呼吸が宿っている。
─足、閉じちゃだめだよ?
─恥ずかしい。
私の文字が、彼女の指を動かす。
─痛くない?
声が漏れそうで、唇でふさぐと、舌は音をたてて絡まる。文字は熱を帯びて、彼女の指を忙しくする。
─もっと?
文字はもう文字の形をしておらず、漏れる息、触れる指先、熱を帯び、潤いになって溢れる。
─まだ、だめ、だよ?
文字が彼女の腰を浮かす。そして…。
彼女の想像力はとても素敵で、文字に手触りや息づかいや体温を宿す。
素直に導かれ、感じる脳。
うまく導けたようだった。
─好きだよ。
─大好き。
脳を溶かしてあげたらいい。
とびきり甘く、とろりと。
彼女の想像力は、とても肥沃だ。
暗がりに光るやりとりは、二人だけもの。
削除。
とかいうことを、書きたいので、
作っちゃいました。笑
#なんのはなしですか
