「ルールブルー」という法人名――いつだって、まあなたはまだ夜明け前
未だに個人事業で活動しているのにも関わらず、自身の法人名を決めたのは、もう3年半も前のこと。
当時の拙い想いながらも、一生懸命考えて出した名前だった。
結局それは、迷うことなく、今まで確固たる自身の法人名として温め続けている。
何なら迷ったのは、法人にするかどうかでも、事業の内容でもなく、「自分がこれから何者として生きるか」という問いの方だった。
その答えが出たとき、法人名はまるで答えが決まっていたかのように、何かに収束するかのように、自然と決まっていた。
法人化は、単なる手続きではない
法人化を考え始めたのは、最初は周りの変化がきっかけだった。
気づけば、同じように個人でやってきた人たちが、一人また一人と法人化していた。ただそれは焦りというより、「そういう時期なのかもしれない」という静かな実感の方が感覚として近かった。
それと同時に、自分の中にも変化があった。
仕事を重ねるうちに、根拠のある自信というものが少しずつ育ってきていた。できることが増えたというより、「自分が何者かが、ようやく分かってきた」。
それは個人という器が、少し窮屈になってきている証拠だったのだと思う。
さらに、これからやりたいことを思い描いたとき、今の形では届かない場所もたくさんあることに気づいた。スケールさせたい未来があった。一人で抱える以上のものを、一緒に作っていける仕組みが必要だった。
法人化は、単なる手続きじゃない。
書類を提出して、資本金を突っ込めばできるものではない。
僕にとっては、「次のステージへステップアップするぞ」という、自身への宣言だった。
ルールブルー(L'Heure Bleue)
フランス語で「青い時間」を意味する。
日本ではマジックアワー、あるいはブルーアワーと呼ばれる時間のことだ。
夜明け前、空が最も深い青に染まるわずかな時間。
暗くもなく、明るくもない。
その境界に、静かに存在する刻。
これから始まる、という予感。
まだ光は来ていないけれど、確かにそこに向かっている。
その感覚に、この名前を重ねた。
終わりではなく、始まりとしての青。
そういう時間を、この会社の名前にしたかった。
「いつだって、まだあなたは夜明け前。」
これは、自分に向けた言葉でもある。
どんな状況にいても、今日がその人の夜明け前かもしれない。
昨日までの物語を抱えながら、それでもこれからの光をどう呼び込むか。
その問いに、一緒に向き合えるパートナーでありたいと思っている。
ブランディングの仕事も、文章を書くことも、突き詰めれば同じことをしている気がしている。
言葉で、誰かの「これから」をデザインすること。
肩書きではなく、その人の核にあるものを掘り起こして、言葉にして、世界に届けること。
それを、今度は「法人」という器を持ってやっていく。
設立の日に、生まれ変わる
合同会社ルールブルー、設立は2026年5月20日。の予定。
誕生日を選んだ。
これは手続き上の都合ではなく、この日から始めると自分に約束したかった。
生まれた日に、もう一度、何かを生む。生まれ変わる。
大げさかもしれないけれど、そのくらいの気持ちで臨みたかった。
法人化は、ゴールじゃない。
むしろここからが本番。
不安がなくなったわけでもない。
管理は増えるし、責任も変わる。
「本当に大丈夫か」という脳内の声は、まだ時折じわじわと顔を出す。
でも、決めた。
その重さを、ちゃんと引き受けることにした。
まだ夜明けは来ていない。
しかし、その深く美しい青の中に、光の予感がある。
僕らの可能性は、いつだってその青の中に眠っている。
そういう場所に、僕は今ようやく立っている。
あと、56日。
