空港に着くと、そのまま中に入っていく
そのまま中に入っていく。
広い空間と、
人の流れ。
行き交う人たちと、
少し張りつめた空気。
あの場所に来た、と思う。
やることは、決まっている。
順番も、頭に入っている。
それをひとつずつ、
そのまま進めていく。
考えるというより、
こなしていく感覚に近い。
並んで、
動いて、
また並んで。
その繰り返しで、
前に進んでいく。
人の流れに乗っていると、
自分で動いているのか、
運ばれているのか、わからなくなる。
子どもたちは、
静かについてくる。
ときどき退屈そうにしながら、
でもそのまま、流れの中にいる。
途中で、
お腹が空いたと言ったり、
お菓子を欲しがったりするけれど、
立ち止まるほどではなくて、
そのまま進んでいく。
頭の中では、
次のことを考えている。
荷物のこと、
時間のこと、
遅れていないかどうか。
気を抜ける場所は、
あまりない。
それでも、
いくつかの場所を越えていくと、
空気が変わる。
ここまで来た、と思う。
そのまま、
搭乗口のほうへ向かっていく。
座ると、
やっと少し落ち着く。
でも、完全ではない。
外を見ると、
これから乗る飛行機が見えることもある。
準備をしている人たちがいて、
その向こうに、帰る場所がある。
ここまで来て、
やっと一段落する。
まだ終わってはいないけれど、
帰る流れの中に、ちゃんと入っている。
あとは、乗るだけ。
ここまで来ると、
いよいよ帰るな、と思う。
帰り道について。
