ロゴを作るつもりが、「誰にでも見やすい」を考える時間になりました。
「AIでロゴを作るなんて、面白そう。」
そんな軽い気持ちで参加した、あかねちゃんのロゴデザイン募集。
最初は、デザインの知識もほとんどない私が、AIの力を借りてどこまで形にできるのか試してみたい。それくらいの気持ちでした。
ところが、ロゴを作り始めると、私が向き合っていたのはデザインだけではありませんでした。
色の組み合わせ。
文字の見やすさ。
そして、「誰にでも伝わるデザインとは何だろう」ということ。
息子の色覚特性をきっかけに知った「人によって見え方が違う」という事実も思い出し、何度も色や形を見直しました。
AIは何度でも作り直してくれます。
でも、最後に「これだ」と決めるのは、人の想いでした。
今回は、ロゴ制作を通して私が感じたことと、試行錯誤の過程を記録として残しておきたいと思います。
試行錯誤したロゴ案
最初は、いくつもの方向性を考えました。

* 左上
円は「ご縁」や「調和」を表現。下部には青海波を入れ、末永く続く繁栄への願いを込めました。上部の金色の一閃は、34年間料理と向き合ってきた職人の包丁さばきをイメージしています。
* 右上
余計な装飾を減らし、包丁の一閃を主役にしたシンプルなデザイン。遠くからでも店名が読みやすいことを意識しました。
* 中央
円を大胆に崩し、一閃の勢いを強調した案。職人の力強さや、これから新しい一歩を踏み出すイメージを表現しています。
* 下
最もミニマルな案。店名の読みやすさを優先しながら、下の筆致で料理人の所作、上の一閃で技の鋭さを表現しました。
そして、このあと気づいたんです。
「ご縁」は円でも表現できるけれど、もっと日本らしく、意味を込められる形があるのではないか。
そう考えて、最終的にたどり着いたのが七宝文様でした。
七宝は、円が永遠につながる文様で、「ご縁」や「繁栄」の願いが込められています。
円だけでは表現しきれなかった想いを、七宝ならもっと自然に伝えられると思い、デザインを大きく見直しました。

日本の伝統文様である七宝
(しっぽう)。
円が途切れることなくつながる七宝には、
・ご縁
・調和
・繁栄
・人とのつながりが広がっていくこと
という願いが込められています。
お店も、人と人が出会い、笑顔が広がる場所になってほしい。
そんな想いを、この文様に重ねました。
そして、七宝を横切る一本の金色のラインは、34年間料理と向き合ってきた職人の包丁の一閃を表現しています。
料理人として積み重ねてきた技と誇り。
その一瞬の所作を、シンプルな一本の線に込めました。
さらに、シンボル全体を包み込む円には、
「ご縁が途切れることなく広がっていくように」
という願いも込めています。
派手な装飾ではなく、日本らしい美しさと現代的なシンプルさを両立し、国内のお客様はもちろん、海外から訪れる方にも親しみを感じてもらえるデザインを目指しました。
私が一番大切にしたかったのは、見た目の美しさだけではありません。
34年間積み重ねてきた職人の技と、これから新しく生まれるたくさんのご縁。
その二つを、一つのロゴで表現したいと思いました
一番悩んだのは、「見やすい色」でした。
ロゴは、お店の顔です。
だからこそ、
「かっこいい色」だけではなく、「誰にでも見やすい色」
にしたいと思いました。
私がそのことを意識するようになったきっかけは、息子の色覚特性です。
以前、息子は茶色いビーバーを緑色で塗っていました。
最初は「草がたくさんついてる感じ?」と思いました。
でも、そう描いたのではありませんでした。
眼科での色覚検査では、
黄色と緑色の区別が難しいことがある。
そう知りました。
「見えている世界は、私とこの子は違うんだ。」
ということを実感しました。
その経験があったからこそ、今回のロゴ制作でも、
「この色の組み合わせは見やすいだろうか。」
「文字は読みやすいだろうか。」
と、何度も立ち止まって考えました。
AIは色を変えたり、線を太くしたり、コントラストを調整したりと、何度でも提案してくれます。
けれど、「誰に届けたいのか」を考えながら選ぶのは、人にしかできない仕事だと感じました。
だから私は、デザインの美しさだけではなく、できるだけ多くの人に伝わることを大切にしながら、ロゴを作り続けました。
最後に
今回のコンテストで、ロゴを考える機会をくださったあかねさん、本当にありがとうございました。
AIでロゴを作る時間は、私にとってデザインを学ぶ時間であると同時に、
「相手の立場で考えることの大切さ」を改めて感じる時間でもありました。
ロゴを作るつもりが、
「誰にでも見やすい」を考える時間になりました。
見た目の美しさだけではなく、伝わること。
その視点は、デザインだけでなく、文章を書くときにも大切にしたいと思っています。
今回の挑戦を通して、AIはたくさんの選択肢を示してくれました。
でも、その中から何を選び、どんな想いを込めるかは、人にしかできません。
だから、私はこれからも
「誰かに伝わるものづくり」を大切にしていきたいと思います。
新しい「あじ彩」が、たくさんの笑顔とご縁で彩られるお店になりますように。
リニューアルオープンの日を心から楽しみにしています。

デザインって難しい、でも楽しかったです。

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